海外旅行にトラブルはつきもの。それが、夢の新婚旅行だったら…? これはハネムーン旅行で、コンドミニアムの部屋の鍵を紛失してしまった、私たち夫婦のお話。それまでは穏やかだった夫の態度が激変したことで、成田離婚が頭によぎった、そんなエピソードです。
ハネムーンで訪れたハワイ
私たち夫婦は大のハワイ好き。独身の頃に一緒に訪れた思い出があり、ハネムーンの行き先も、迷わずハワイ一択でした。ハネムーンということもあり、思い切って2週間滞在をすることにしたのです。
日程の前半は、奮発をして有名ホテルに泊まり、後半は現地のスーパーで買い物をして料理をしたり、暮らすように生活してみよう、と安いキッチン付きのコンドミニアムを予約しました。
そのコンドミニアムは、特にフロントがあるわけではなく、指定した時間に建物の入り口に来るように、という指示が事前にあり、予約の当日その場で待っていると、現地の担当者がやってきました。現地に暮らすような感覚で、と予約したそのコンドミニアムは、私たちの部屋を除いて、周りは全てそこに住んでいる方ばかり。リアルなハワイでの生活に、心を躍らせました。
コンドミニアムの部屋の鍵がない!
私たちは、毎日レンタルサイクルで街を巡ったり、現地のスーパーで買い物をして料理をしてみたり、充実した日々を送っていました。ある日の夕方、近くのファーマーズマーケットに出かけようとするとコンドミニアムの鍵がない! という事件が発生。
ホテルのようにスペアキーなどはなく、渡された鍵は1本だけ。鍵を開けて入ってきたので、部屋の中にあることは確かなのです。すると、真っ先に夫は私に疑いの目を向けてきました。
「どこに置いたの? いつもだらしないからこういうことになる!」とまるで私が無くしたかのような言いぶり。
夫は、几帳面で整理整頓が得意。私は、なんでも大雑把な性格で、物を片付けることがあまり得意ではありませんでした。それもあって、鍵がない! の瞬間から、私が犯人のようになってしまったのです。
私は、荷物をひっくり返し、ソファの隙間やベッドの間をチェック。しかし、どこを探しても鍵は見つかりません。海外で、英語もままならない、フロントもなく誰に相談していいのかもわからない、八方塞がりの状況に、私たちはどんどん険悪ムードになっていったのです。
意外なところから出てきた鍵
夫は普段、穏やかで冷静な性格。そんな夫が、声を荒げて
「いつもだらしない!」と言う言葉を連発。
「ポケットは見たの?」
「カバンに入れてんじゃないの?」と責め立てるような口調で、イライラをぶつけてきます。
不安な気持ちがより高まり、私は涙を浮かべながら必死に探しました。探し始めて2時間が経過し、未だ見つからない状況に、意を決して私がコンドミニアムの現地の担当者に電話をしてみることに。
英語でこの状況を伝えられるかな、そもそもちゃんと電話繋がるのかな、多額の料金を請求されたらどうしよう! と頭の中は不安でいっぱい。
それでいて横にはイライラしている夫。すごく追い詰められた気持ちでいっぱいでした。 勇気を出してかけよう… とその時です!
夫が
「あー!!!!!」と大声を上げました。目をやると手のひらの中には、探していた鍵が。
「どこにあったの!」とすかさず私が尋ねると、気まずそうに目を逸らしながら
「俺のポシェット…」と呟きました。
肌身離さず、ずっと肩からぶら下げていた、夫のポシェット。初めから私を疑い、自分の所持品を入念に探していなかったのです。これには私も怒りがおさまらず、それでも鍵が見つかったことには安堵し、わけもわからず大号泣。
夫に向かってクッションを投げつけ、わめき散らしました。夫は、これまで見せたことのない最大級の私の激怒に相当慌てた様子で、ひたすら
「本当ごめん!」という言葉を何度も繰り返しました。ピンチの時に、こんなに人を追い詰める人だったなんて! と今まで知らなかった彼の姿に、私の脳裏に即座に成田離婚がよぎった瞬間でした。
あの日から、何か物がない! となると、「疑わしきは自分だ!」とまずはしっかり自分荷物を探すようになった夫。あの日から6年経った今でも、私のブチ切れは未だ効力を維持しているみたいです。
(ファンファン福岡公式ライター/ツナ子丸)