娘が幼稚園に通い始めて約一年。ママカーストとは無縁の、ほのぼのとした園ママ付き合いに、ある日、一人の園ママの発言で波紋が広がります。「私たちに頼って」が口癖のおせっかいママの行動は、どのようなものだったのでしょう。
平和な幼稚園生活
幼稚園というのは、不思議な場所です。 子どもの年齢は同い年なのに、母親の年齢は20代から40代まで幅広く、子ども同士が仲良くならなければ、交わるはずのなかった人達とママ友になるのです。
娘が幼稚園に入園する前、ママカーストを描いたテレビドラマが流行り、「幼稚園でママ友トラブルになったらどうしよう・・・年収で格付けされたり、マウンティングされるのかしら!?」と、若干怯えていたのですが、実際に幼稚園がはじまると、いたって平和で拍子抜け。
参観日や送り迎えで顔を合わせるうちに、園ママ達とも打ち解け、ママだけの懇親会や飲み会が開かれたり、同じクラスのママ全員が参加するLINEグループができて、ほどよい距離感で楽しく過ごしていました。 園ママのグループLINEに、そのメッセージが投稿されるまでは・・・。
突然のLINEメッセージ
ある夜、園ママAさんがこんな提案をしました。 「同じクラスのBママの、出産予定日が近づいています。私たちで手助けしてあげましょう! 私が思いついたお手伝い内容を書いていくね。 まずは、出産直後の一カ月間、Bさんは外出できないだろうから、Bさんの息子くんを幼稚園まで送り迎えする。たそがれ泣きする夕方も大変だから、降園後はBさんの子を家で遊ばせてあげる。 あとは買い物の代行。こういうのって、お互い様だし、協力できる人っているかな?」
すごく親しい友人や、身内なら、喜んで手伝うけれど、AさんもBさんも、まだ知り合って数カ月の園ママ。こんなに踏み込んだお手伝い、しなくちゃダメ? 疑問に思って、私は返信できずにいました。他のママ達も様子見なのか、誰も返信をしないまま、約30分経過。
やっと当事者のBさんから反応がありました。
「Aさんお気遣いありがとう! でも幼稚園の送り迎えは園バスを利用するし、買い物はネットスーパーで十分。田舎から母が手伝いにくるから、お手伝いは大丈夫です。 多分、息子が赤ちゃん返りして、大変になるだろうから、2人以上子持ちの先輩ママ達、相談にのってくださいね〜。 息子も、幼稚園でみんなのお子さん達に遊んでもらえたら嬉しいです! よろしくね」
そんなBさんの大人の反応に、Aさんは食い下がります。
「そんな遠慮しないで! 子どもを1人幼稚園に連れて行くのも、2人連れて行くのも一緒だよ。園バスを利用したら、バス代がもったいないじゃない。それに久しぶりに会うおばあちゃんよりも、日頃から幼稚園の送り迎えで、顔を合わせいる私たちの方が、子どもも安心するんじゃないかな? せっかく同じクラスになって、仲良くなったんだから、私たちにもっと頼ってよ」
どうしてBさん本人が「大丈夫!」と申し出をこだわっているのに、こんなに強引に手伝おうとするのだろう。それに私たちって・・・ 勘弁して。手伝いたいなら、Aさん一人でご自由に。
そんな空気が流れていることに、ちっとも気づかないAさん。断り続けることが面倒になってきた様子のBさん。見かねて仲裁に入る、他の園ママさん。 翌朝、携帯を見ると、園ママのグループトークは、なんと「未読122件」になっていました。
おせっかいはほどほどに…
妊婦さんや出産直後は、周囲の気遣いは有り難いものです。 けれど、Aさんは、これをきっかけに、恩を売って感謝されたいのかなと邪推してしまうほど、しつこく周囲を巻き込んで手伝おうとして、ついにBさんから避けられてしまいました。
皆さんの身近にも、こんな善意の押しつけママいませんか? (ファンファン福岡一般ライター)