先日小学校の懇談会に参加した時のことです。担任の先生から「保護者の方々、お子さんの紹介と自己紹介お願いします」と促されて順番に自己紹介が始まりました。そして、とある保護者が話し出した… その内容に開いた口が塞がらない!
自己紹介をしていく保護者たち
先日、小学2年生の息子のクラス懇談会がありました。担任は新卒でまだ若い男性の先生です。クラスの目標や現状など今年度の説明が終わったあたりで、先生から
「保護者の方から自己紹介をお願いできますか」と促され順番に自己紹介が始まりました。
「Kの母です。わがままな所もありますが、仲良くしていただけるとうれしいです」などと簡単に挨拶がすすんでいきました。
何人か終わった後、次に話し出した保護者が言い出しにくそうに始めたその話の内容にビックリ仰天! それというのもこんな内容だったからです。
「先日、うちの子が授業中にお漏らしをしました。それで私、クラスのお友達に嫌われてしまったんじゃないかともう心配で心配で。
それでうちの子に聞いたんです。『お漏らしなんかして、学校のお友達に嫌われちゃったんじゃないの?』って。そしたらうちの子は『お友達はべつになにも言ってないよ。普通だよ』っていうんですけど…。うちのお姉ちゃんに聞いても『2年生にもなってお漏らしなんかしたら、普通はお友達がいなくなるよ』って言ってるし。
それで、この場をお借りしてぜひお礼を言いたくて。みなさん! お漏らししたのに、うちの子とお友達でいてくれて本当にありがとうございます。これからもよろしくお願いします!」
これが自己紹介の内容でした。他の保護者はポカンとし、私は意味不明の発言にドン引きしていました。
非常識な保護者
お漏らしした本人も、クラスメイトの前で当時相当恥ずかしかったでしょう。そんな恥ずかしい誰もが秘密にしておきたいような失敗談を、何の関係もないクラスの保護者たちへわざわざ報告する必要があるのでしょうか。
子どもの立場からしたら、お漏らししたことをお母さんに何度も質問されたり、お姉ちゃんに知られるのも嫌だっただろうし、さらにはお友達の保護者全員に自分の秘密をバラすなんてとんでもないことです。「自分が子どもだったら」と、ちょっと考えればわかりそうなことを、堂々とやってのけるお母さんの非常識さに腹が立つほどです。
百歩譲って、クラスの子どもたち対して「うちの子とお友達でいてくれてありがとう」というのならまだ分かりますが、感謝の気持ちを保護者に伝えて何の意味があるのでしょうか。子どもといえども、人間関係は子ども同士ですでに構築されています。
「あの子とお友達になりなさい」とか「この子とはお友達やめたらダメよ」などと保護者が口を挟んだり、お友達を選ぶことはできないのです。
子どもを守るのが保護者の役割
しかしこの一件で、「もし自分の子どもが学校で何か恥ずかしい失敗したらどうするか」について考えさせられました。少なくとも、これ以上他の人に口外するようなことはしないだろうと思いますが、保護者としてどんなことをしてあげられるのか、何が正解なのかをよくよく考えて行動しなければ最終的には子どもを傷つけることにつながります。
この一件を知ったら、お漏らしをしたお子さんはどう思うでしょう。「お母さんが、みんなの前で私の恥ずかしい話をバラした!」と深く傷つくのではないでしょうか。悪意はないにしても子どもを守るのが保護者であるはずなのに、真逆のことをしているように思えて仕方がありません。
懇談会の後、別の保護者に
「子どもがお漏らししちゃった話を、わざわざ懇談会で言うなんてねぇ」と話を振ってみましたが、さほど興味を示さず別の話題を逆に振られてしまいました。ドン引きだったのは私だけ? このビックリ仰天のお漏らし暴露話、みなさんならこんな時どのように子どものフォローをしますか?
(ファンファン福岡公式ライター/ダイワ エノ)