熊本県荒尾市で“大人の非日常体験”をしてみませんか? ラムサール条約に登録された湿地・荒尾干潟の静寂に包まれたマジックアワー、焚(た)き火ワークショップ、地元の食材にこだわった本格フレンチ…。「有明海の夕日×極上ビストロ」が堪能できる「Sunset Glamping in Arao」の荒尾市冬季モニターツアーにファンファン福岡編集部が参加しました。
“日常にのあそびを”「のあそびlabo」×アウトドア
2020年から中村光成さんが中心となって「日常にのあそびを」をテーマに誕生した「のあそびlabo」。荒尾駅前活性化事業から九州一円におけるアウトドア、防災活動まで幅広く展開しています。拠点にするのは山小屋風ホテル「のあそびlodge」。1階のシェアキッチンに入る「Bistroのあそび」では本格的フランス料理をアラカルトでワインと一緒に楽しむことができます。
今回のツアーでは、「のあそびlabo」代表の中村さんがガイド役を務めます。荒尾干潟そばの海辺に設営されたテントに足を踏み入れれば、「Bistroのあそび」の非日常体験の始まりです。
ホットワインorホットレモネード×小代焼
集合場所のJR荒尾駅から車で約10分。荒尾干潟に到着後、ウエルカムドリンクが提供されます。
ホットワインかホットレモネードが注がれるのは、約400年の歴史のある「小代焼」のマグカップ。小代焼の中でも六袋の登り窯を有する「小代焼ふもと窯」の器が使われています。このマグカップは最後にお土産として持ち帰ることができます。
荒尾干潟水鳥・湿地センター×干潟を知る
海岸沿いに立つ「荒尾干潟水鳥・湿地センター」では資料や展示をもとに、荒尾干潟を奥深く知ることができます。
川が運んでくる泥の質や海流の関係で、干潟には2つのパターンがあるそうです。荒尾干潟は砂泥質といって、砂でできた引き締まった干潟。車両や徒歩で干潟に入っていくことができます。大潮のときは約3km沖までそれが可能になるそうです。
佐賀エリアなどは泥質の干潟。泥がやわらかいため沖まで歩いて行くことはできません。同じ有明海でも泥質に違いがあることを初めて知りました。
センター内の水槽にムツゴロウがいます。天敵がいる干潟では姿を隠すことが多いため、間近で見られるのは貴重です。ムツゴロウの黒目の部分はハート形だということも知りました。
2012年、荒尾干潟は水鳥の生息地に重要な湿地として「ラムサール条約」に登録。希少なクロツラヘラサギ、ズグロカモメなどが飛来しています。
焚き火×焼きマシュマロ
この日は風が強く、焚き火はお預けに。焚き火の残り火で焼く予定だった「スモア」作りはテントの中で実施しました。
「スモア」はアウトドアの定番お菓子です。串に刺したマシュマロをぐるぐる回しながら、ガスバーナーできつね色になるまで焼くのがポイント。あぶったマシュマロをチョコレートとクラッカーで挟んでいただきます。チョコレートが熱で溶けるくらいが丁度いいそうです。ふわっとした食感とチョコレートの甘さが口の中に広がります。
パーコレーターとフレンチプレスで入れるコーヒーも小粋です。パーコレーターは直火式のコーヒー抽出器。豆が容器の上部にセットされていて、複数回抽出できるので、アウトドア向きです。
フレンチプレスはガラスポットにコーヒー粉をセットしお湯を注ぎ、コーヒー成分を抽出します。ペーパーを使わない方法なので油分が残り、香り高く仕上がるんだとか。
こだわりディナー×「Bistroのあそび」
いよいよディナーのスタートです。予約制のフランス料理店「トロカデロ」(荒尾市)のオーナーシェフ・西田さんが荒尾産・熊本産食材にこだわったフランス料理を振る舞います。
ドリンクはビールとワインが3種類。“小規模、小農家、少量生産”のお酒にこだわる「SANTE wine museum」(荒尾市)のオーガニックワイン(赤、白)がおすすめです。
料理の内容を紹介します。
初摘オリーブの塩漬 2023年の10月に摘まれて塩漬けにされた初摘みオリーブ。みずみずしさが際立ちます。
海の幸のタブレ 有明産の魚介類とクスクスを「西田梨園」(荒尾市)の柚子と荒尾産塩漬けオリーブのドレッシングであえています。クスクスのプチプチとした食感がアクセントです。
馬刺しのカルパッチョ 熊本県産の馬刺しを「西田梨園」のレモンを使ったドレッシングと自家製マヨネーズで仕上げています。爽やかな後味が残ります。
牛スジと生パスタのスープ 熊本県産和牛・藤彩牛のスジ肉を2日間とろとろになるまで煮込んだ深みのある逸品。「イケスエ食品」(荒尾市)の生パスタと野菜にうまみが絡みます。
和牛希少部位のステーキ 藤彩牛の希少部位をステーキで味わいます。スキレットで好みの焼き加減に。焼き上がったら、レモンバターをのせて。やわらかな食感が至福をもたらします。
牡蠣と茸のアヒージョ かきと荒尾産キノコをアヒージョで。調味料は使っておらず、素材から出たうまみそのものが味わえます。
丸鶏のローストチキン 日向鶏一羽をダッチオーブンで1時間かけて焼き上げます。ニンジン、ジャガイモ、ニンニクなどの野菜やハーブのうまみが融合。皮つきで入れられたニンニクの中身を出せばソースになります◎。甘みがたったニンニクが印象的。
夕日観賞×フルーツフランベ
フルーツフランベ 季節のフルーツを盛り合わせ、スキレットでフランベ。甘くて香ばしいにおいが立ち込めます。見た目にも鮮やかでお口直しに好適◎。
曇り空の下、夕日観賞はかないませんでしたが…。雲の隙間から、かすかにのぞく淡いオレンジ色の空が荒尾干潟の夕暮れを告げていました。
Sunset Glamping in Arao(サンセットグランピング イン 荒尾)
主催:荒尾市役所産業振興課
協力:株式会社くまもとDMC