福岡で冬を迎える前、いつもとは少し違う、自分にとって意味のある時間を過ごすための旅に出かけました。2019年にバンコクを訪れて以来、コロナ禍の自粛を経て待ちに待ったタイランド。しかもチェンマイはおよそ10年ぶりです。バンコクから国内線に乗り換えて約1時間15分、大好きなチェンマイに降り立ちました。
絶景がごほうび「エレフィン・ファーム&カフェ」
バンコク北方約720㎞の古都、チェンマイ。チェンマイの街の落ち着いた雰囲気が好きです。世界中からツーリストが集まっていますが、その多くは古都の文化や風情を街に溶け込むように満喫していると感じます。私もバンコクにいる時とは違う、どこかゆったりした時間を期待します。コロナ禍を経て、チェンマイはどうなっているのかな。
そんな中訪れたのが「エレフィン・ファーム&カフェ(Elefin Farm&Cafe)」。市街地から西に25㎞ほど離れたハーンドン地区の山中に車で向かいました(およそ45分)。緑豊かな自然の中で象が迎えてくれるカフェで、2021年にオープンした、まだ穴場といえるスポットです。
結論から言うと、今回の旅の中で最も印象的な場所の一つでした。これまでも何度か象に乗ったり、保護センターであるエレファントキャンプを訪れたりしましたが、そのどれとも全く違う雰囲気。数頭の象が赤土の上で遊んでいて、少し離れたところで人々がカフェタイム。おっとりした、のどかな光景が目の前に広がっているのです。
この日は曇りで空の色はいまひとつだったものの、その分風がよく吹き抜けて、とても爽快でした。雨が降った翌朝などは、幻想的な雲海も見られるとか。どんな天気の日に訪れるかでも印象が変わりそうです。いずれにしても、緑美しく連なる山並みの絶景を前にしたらコーヒーもひと味違って感じる、そんな場所。カフェメニューも充実していて、くつろぎの時間を過ごすことができます。
えさをあげながら象さんと触れ合いタイム
そしてやはり、象との触れ合いは欠かせません。店の横にはバナナとサトウキビを入れたバスケットが用意されていました。ボックスに100Bを入れて、象のいる広場に移動します。
高く作られた台に上り、象が伸ばしてくる鼻にえさを手渡します。「あの子象に渡したいのに、どうしても鼻の長い親分象(勝手な想像)に横取りされる~」「親分があっちに気が向いてる隙に!」など、ちょっとした攻防も楽しいものです。
サトウキビの皮はすごく硬いのに、平気でバリボリ食べてしまう様子には見とれてしまいました。バスケットはあっという間に空っぽに。そこでもう1杯追加して、今度はなるべく慌てず(笑)バナナを渡します。撮影も自由にできて、楽しい時間を過ごしました。
傍らには象使いの青年たちもいて、ちゃんと目を配ってくれていました。象の背中に乗って山道を散歩するプランもあるのですが(有料)、特別な鞍もなく“直乗り”なので、股関節や体力、筋力に自信のある人がよいと思います。近づくと象は思っている以上に背が高くて、乗り降りが大変。この日は、体格のよい男性観光客が乗っているのを目にしましたが、降りる時が怖そうでした(笑)。
このカフェ、解説によると「安全で倫理的な環境で象と交流を」「象が直面している課題と象によりよい生活を提供するという使命についての洞察を得る場所」と掲げられていました。チェンマイの自然と象に触れ合いながら、今後にも思いをはせる時間にもなりました。友人と改めて訪れてみたい場所です。
■エレフィン・ファーム&カフェ Elefin Farm & Cafe
オープン:10:00〜17:00 月曜休
チェンマイ市街地から車で約45分(ツアー、タクシー、ソンテウなど)