福岡で冬を迎える前、いつもとは少し違う、自分にとって意味のある時間を過ごすためのタイの旅へ出かけました。向かったのは、バンコクの北方約720㎞に位置する古都チェンマイ。中心街のニマンヘミン通りからすぐに店を構える、地域の食材をふんだんに使ったすてきなレストランに案内してもらいました。
一皿ごとの個性に胸躍る「ブラッキッチュ・アーティザン・キッチン」
「タイミシュランガイド」に2022年から続けて掲載されるなど、注目のイノベーティブ・レストラン「ブラッキッチュ・アーティザン・キッチン(Blackitch Artisan Kitchen)」。チェンマイ市街地の目抜き通り、ニマンヘミン通りからすぐの好立地に、シンプルでスタイリッシュでありつつも、木を使ったぬくもりを感じるお店が構えられていました。
オーナーシェフのブラックさんは、タイ国内を巡ってローカルに伝わる味を探求した人物で発酵食品のエキスパートでもあるそうです。その知識をベースにしながら、日本をはじめ各国の料理から受けたインスピレーションを散りばめ、タイ国産の食材をふんだんに使った創作コース料理を提供しています。
このおまかせコース(約2,600B)は、通常9、10品で構成されていて、季節や食材の入荷によって内容が変わります。この日満喫した創意工夫あふれる料理の一部をご覧に入れますね。
前菜から、遊び心あるメニューが出てきました。器は優しい肌触りの陶器や木が使われています。ゴマの上に乗った一口サイズのボール形のアミューズは、福岡市で営まれるタイとも縁が深いレストラン「ゴーガン」(博多区)で似たプレゼンテーションの前菜が出てきます。これは期待が膨らみます!
その後出てくるお皿は、いずれも素材の味わいが上手に伝わるように計算された繊細な味付け。タイ自慢のハーブも、決して使い過ぎることなくアクセントとして利かせてあります。
タイでは料理の講座を受けたこともあり、タイの人は比較的「甘い・辛い・しょっぱい・酸っぱい」がはっきり・くっきりしている味付けを好むと思いこんでいましたが、そればかりではないのだと今回認識を改めました。
ソフトシェルクラブも♡ タイ自慢のカニやエビをしっかりと
日本ではなかなかお目にかかれない、ソフトシェルクラブも出てきました。メニュー名にあるCumpon(チュンポーン)とはタイ南部の県で、おいしい海産物で知られる港町を要している地です。
もっちりとした生パスタ(卵麺)も印象的でした。上にのるSlipper Lobsterとはゾウリエビというらしく、ウチワエビの仲間。サムイ島などではウチワエビが名産と聞くし、もしかしたらウチワエビかも? タイではエビやカニの種類が豊富ですし、料理にふんだんに使われているので、これを味わわない手はありません。
ご飯も出ました。牛タンの丼です。やわらかなタン元部分が使われていて、あっさりとした味わい。一瞬「牛タンの量多いかも?」と思ったものの、おいしさに誘われ、あっという間に平らげてしまいました。タイでこんなシメ飯に出合えるとはうれしい驚き。最後はデザートもしっかりいただきました。
ランチもディナーも予約が必要ですが、ホームページから可能です(簡単な英語でした)。ホームページではオーナーの姿のほか、これまでの創作料理や食材なども見られて(写真が美しい!)興味深いです。次に訪れたら、今回とはまた全く違うメニューが出てくるんだろうなと思うと胸が高鳴ります。再訪確定、またおじゃまします!
■ブラッキッチュ・アーティザン・キッチン(Blackitch Artisan Kitchen)
住所:27/1 Nimmanhemin Rd., Soi 7, Suthep, Muang Chiang Mai, Chiang Mai 50200
営業:11:00~14:00、18:00~22:00 ※事前予約のみ