0歳の娘は離乳食が始まると食への好奇心が旺盛に。何でも食べてくれて助かりますが、大人の目を盗んでは食材に手を伸ばし始め、困る一面もありました。そしてある日、私の不注意で背筋の凍る事態が起こるのです。
食に興味津々な娘
6カ月の娘は離乳食を全て完食。食べるのが大好きな娘は、食材にも興味を持ち始めます。
わが家は週末に夫が一週間分の食材を買い出しに行くのですが、夫が食材を片付ける様子を、近くに座ってじ~っと見るようになったのです。
最初は、真剣な顔つきで黙って見ているだけでした。しかし8カ月になりハイハイができるようになると、娘は行動を開始。夫の片付け中にハイハイで近付き、袋に手を入れて物色するようになったのです。
食パンの袋をカサカサ鳴らしたり、ペットボトルを転がしたりする姿は「おもちゃのような感覚かな…」と夫も私も微笑ましく見ていました。しかし食材の保管場所を覚えた娘は、私たちの目を盗んでキッチンへ行くように。そして主に調味料を保管している棚の扉をパカパカ開け、油や小麦粉などを取り出すようになったのです。
娘が勝手に口に入れたら大変… と思い、この棚はもちろん、娘の手が届く扉全てに回転式ストッパーのチャイルドロックをつけました。
対策後は、娘が取っ手を持ち扉を開けようとしても、チャイルドロックのおかげで開きません。
これでバッチリ! と安心したのですが…。
娘の食べた物に背筋が凍る!
娘が9カ月のある朝、私は夫の弁当作りに追われていました。途中、棚を何度も開閉して調味料を取り出します。開閉していたのは、以前娘がパカパカ開けていた棚です。
娘からガードするには便利なチャイルドロック。しかしバタバタしている中で何度もロックをかけたり解除したりするのを面倒に感じてしまい、「最後にかければいいや」と途中から解除したままにしました。
この時、娘はキッチンに隣接するリビングでテレビに釘付けです。おかげで私は娘を気にかけることなく弁当作りに集中できていました。しかし娘への意識が薄れた私は、最後にチャイルドロックをかけ忘れてしまったのです。しかも気付かないまま、夫に弁当を渡すため玄関へ。
2分後、夫の見送りを終えてリビングへ戻ると娘が棚の前に座っているのが目に入り、ギクッとします。慌てて向かうと、きょとんとした顔で私を見る娘。娘の前には、かぶせてあるはずのフタが外れた、ある食材の容器…。
その食材がピーナッツバターだと分かった瞬間、私は背筋が凍りました。ピーナッツバターのへこみ具合から推測すると、娘は小さな指先についた、ほんのわずかな量を舐めただけ。
しかしピーナッツといえば重篤なアレルギーを引き起こす可能性がある食物です。「すぐに小児科に連れて行けるよう、初めて食べさせるのは絶対に開院時間内!」と決めていたのですが時刻は朝7時前…。開院時間まで2時間もあります。
アレルギー症状が出たらどうする? 救急車?!
混乱した頭で必死に考えながら、赤ちゃんの歯みがき用ウェットティッシュで娘の口の中を何度も拭きます。そして娘を抱きしめながら「お願い! アレルギー症状出ないで…」と祈っていました。
育児に油断は大敵
開院時間までの2時間は娘の様子を注意深く見守り、10分おきに検温と蕁麻疹が出ていないか確認します。当の娘はニコニコしながらテレビを観たりボールで遊んだりと元気いっぱいです。
開院時間を迎え少しホッとしますが、娘の体調の変化を見逃すまいと、その日は1時間ごとに検温と蕁麻疹チェックをしていました。
幸いにも娘は1日中元気に過ごし、夜もいつも通りに就寝。すやすや眠る娘の頭をなでているうちに緊張が解けてきた私は、1日分の疲れを感じながら、同じ失敗はもうしない…! と誓って布団に入り、あっという間に眠りについたのでした。
娘に何事もなく良かったですが、もしピーナッツアレルギーの症状が出ていたら… 想像するだけでもゾッとします。
最後にチャイルドロックを確認しなかったこと。チャイルドロックを頼りに、簡単にフタが外れるピーナッツバターを娘の手が届く高さに保管したこと。どちらも完全に私の不注意です。
子どもはいつ隙を狙っているか分からない… 育児に油断は大敵! と思い知った出来事でした。
(ファンファン福岡公式ライター/坂 真琴)