日本の民間人で初めて宇宙に行き、国際宇宙ステーション(ISS)に滞在した実業家の前澤友作さん。その準備から帰還後までの約7年間に密着したドキュメンタリー映画「僕が宇宙に行った理由」が12月29日(金)に公開されます。公開前の22日、TOHOシネマズららぽーと福岡(福岡市博多区)で先行上映会が開かれ、上映後に前澤さんと宇宙旅行に同行し撮影を担当した平野陽三監督が舞台あいさつに登場しました。その模様をリポートします。
「つらかったのは回転椅子」過酷な訓練から宇宙への約7年間を追う!
「僕が宇宙に行った理由」は、少年の頃にハレー彗星(すいせい)を見て宇宙に興味を抱いた前澤さんが、宇宙旅行に向けてのプロジェクトを始めた2015年からカメラが密着した様子を伝えたドキュメンタリー。宇宙に行くために必要な健康基準チェック、適正検査、知識を得るための座学、無重力状態やサバイバルを想定した過酷な訓練などロシアやカザフスタンでの日々と、21年12月に宇宙船ソユーズに乗り込み打ち上げを経て、ISSに滞在した12日間に迫ります。
青のフライトスーツ姿で舞台あいさつに登場した前澤さんは「ロシアでの訓練の時に着ていたウエアです。2種類あって、これは温かいバージョンでよく着ていました。宇宙でも着たので、宇宙の香りが染み込んでいます。地球に帰ってから1回も洗っていません。少々臭いも」と会場の笑いを誘います。
訓練中の楽しい思い出は「ロシアからカザフスタンに移って励んだバドミントン。(同乗する宇宙飛行士の)アレクサンダ―・ミシュルキンさんのプレーがプロ並みで、いろいろ教えてもらいながら楽しくトレーニングしました」と前澤さん。逆に特に過酷でつらかったのが「回転椅子の訓練です。カザフスタンに移ってから毎日やったんですが、皆さんも自宅に丸い椅子があればぜひやっていただきたい。目を開けたまま首を横にしたりすると一瞬で気持ち悪くなります。宇宙で酔うのと同じ感覚なので、自宅でも宇宙体験できますよ」と話します。
「見どころは打ち上げの瞬間。音作りを大切にした」(平野監督)
平野監督がなぜ前澤さんの宇宙旅行に同行し撮影することになったのか。「映画の冒頭にも出てきますが、始めはバックアップクルーという補欠要員としての登録でした。もちろんサポートするつもりでスタンバイはしていたんですが、本当に行くことになってしまって。なかなか自分事として捉えるのが難しかった」と振り返ります。
とはいえ、本作で映画監督になる夢をかなえることに。「全国ロードショーで、感謝しかないです」と笑顔。本作の一番の見どころを上げるとすると「打ち上げのシーン。宇宙船の中では静かですが、外は本当にすごい音です。見る人を無条件に感動させるような力があるので、その臨場感を大切に音作りをしました」。
既に本作を3回見たという前澤さん。「1回目は恥ずかしかったんですが、重ねて見るたびに違う感情が湧いてきたり、違うシーンに注目したりと変わっています。監督に貢献できるよう、公開後は映画館に何度も見に行きます」と満足の笑みを浮かべていました。
ソユーズ打ち上げの迫力、地球の美しさ、ISS内の貴重な映像など、とにかく目が離せない映像の連続。前澤さんが宇宙に行った理由を、ぜひ映画を見て確認してみて。
■1月8日(月・祝)まで、高校生以下は鑑賞料金が500円に!
日本PTA全国協議会が推薦する本作。「夢を拒むな。子どもの頃に想(おも)った夢には、きっと一生を変える力がある。」のメッセージを込めて1月8日(月・祝)まで、高校生以下は500円で鑑賞できるキャンペーンを実施中です。子どもの頃からの夢をかなえるためにチャンスをつかみ、努力を惜しまない前澤さんの姿に何かを感じるはず。この機会に映画館で体感を。