仕事でミスをして落ち込んでいた私。帰宅しても気持ちをひきずり、子どもにも冷たい態度をとってしまいます。でも子どもたちは私を責めることなく、優しい一言を…。子どもが受け止めてくれたことが私の力となり、今があると思えた体験です。
仕事で失敗してしまった日
ある日、私は仕事でミスをしてしまいました。
私の職場はとあるメーカーです。商品の一覧を製本にするために資料を作成したのですが、画像が一つ抜けたまま、業者に依頼をしてしまうという失態をおかしたのです。
すぐに上司に報告し、そのまま製本してしまうという最悪の事態は免れましたが、上司にはもちろん叱られ、同じ仕事をしていたメンバーにも平謝りし… すっかり落ち込んでしまいました。
しかも、その当時休みがちなメンバーがいて、その人の仕事をカバーするため部署は常にイライラムードで陰口なんかも聞こえてきたりする状態。社内の居心地は、決していいものではありませんでした。
子どもたちに八つ当たりしてしまう
そんなこんなで、色々重なり帰宅。「仕事と家庭は切り離さなければ!」と常々思っていた私ですが、この時ばかりは自分をコントロールできませんでした。
家事や夕飯の準備など、普段だったら何でもなく出来ていることが、やる気が湧かず、でもやらなきゃと追い込まれるストレスからイライラする… という悪循環に陥ってしまいます。
そして、ついに子どもにイラついた態度をとってしまいました。当時、ちょうちょ結びを覚えたてだった5歳の次女が
「これどうやってやるの~?」と紐の結び方を聞いてきました。いつもなら普通に結び方を教えて、なんなら楽しんじゃうくらいの出来事のはずなのに、私は
「そんなの知らない」と暗い顔でぶっきらぼうな言い方をしてしまったのです。
すると次女は、申し訳なさそうに私の顔をチラリと見て、何も言わずに行ってしまいました。
今度は10歳の長女に
「お母さん、まだテレビ見ていい?」と聞かれれば、
「もうそんなこといちいち聞かないで勝手にすれば!」と言い放つ始末。
もはや普通の会話が出来ていないことを自覚していたので、自己嫌悪でした。
しかし、子どもたちは何も言い返してくることもせず、黙って2人で遊んでいました。
そんな子どもたちの様子を見てふと我に返り、自分の器の小ささに情けなくなった私。
もし何か言い返されていたら、バチバチとその場でケンカ勃発していたかもしれませんが、まずひとつ深呼吸をして自分の心を落ち着かせました。そして
「今日、仕事で失敗してしまったんだ。それでイライラする気持ちが家に帰ってきても消えなくて2人に嫌な思いをさせてしまったよ、ごめんね」と子どもたちに謝りました。
子どもの反応に涙
すると長女は
「お母さんがいつもと違って、あんな言い方するのは変だなと思ってた」と少しホッとしたような表情をして言いました。
次女も
「ママいつもとちがうよー!」と抱きついてきました。
そして
「失敗したってまた頑張ればいいじゃん!」と一生懸命説いてくれる長女。
「ママ全然だめじゃない!」ニコニコする次女。
いつの間にこんな立派なこと言うようになったかなぁとしみじみ思い、子どもたちの無邪気な笑顔こそが宝だったと思い出しました。子どもたちの優しさに、心がほっこり満たされていくのがわかりました。子どもの前では恥ずかしくて涙を堪えましたが、一人になった時に思い出すと、今でもすごく泣けます。
外のイライラは家庭に持ち込まない!
そういえば、上司が家庭のイライラを職場に持ち込んで、いつも苛立っている時期がありました。当時、すごく嫌だなと思っていたことを思い出しました。
イライラは自分でコントロールするもの。周囲に当てつけて解消するものではないですよね。
これ以来、仕事など外で嫌なことがあったとしても。子どもたちにはイライラした気持ちをぶつけないようにしようと、心に誓っています。
(ファンファン福岡公式ライター / めめこ)