子どもって、ふとした瞬間に大人がびっくりするような言葉を口にしますよね。かわいらしい言葉を使うときもあれば、顔に似合わない大人びた言葉を使うときもあります。今回は、私が言われてとてもショックだった言葉を紹介します。みなさんも子どもに言われた、忘れられない言葉ってありますか?
兄弟ゲンカ勃発
休日、リビングで休んでいると
「やめて!」
「にいに、きらい!」と言い争う声が。3歳の次男と6歳の長男がおもちゃの取り合いでケンカになったようです。
長男の
「投げないで! 殴らないで!」という声を聞き、私は子ども部屋へ急ぎました。そこには、まだ口では勝てないからなのか、おもちゃを振り回す次男の姿が。
私はいつものように次男を叱りました。これまでに実際ケガをしたこともありましたし、家でやるということは外でもやる可能性があるからです。
「危ないし、物は投げたらいけないよ!」と言うと、
「投げてないし!」と怒り出す次男。
「投げたでしょ。ママ知ってるよ! おもちゃはそういう物じゃないって言ってるよね?」
「……」不満そうな顔をして次男が下を向きました。
3歳児からまさかのひと言が
少しして顔を上げた次男。
「ママなんて、死んじゃえばいいのに」
私に怒られたのが悔しかったのか、自分のやったことが悪いことだと分かったうえでなのか、これまでに見たことない様々な感情の入り混じった笑みでその言葉を言ってきました。おそらく、自分の知っている言葉の中で一番攻撃的な言葉を言ったのだと思います。
でも、その意味をちゃんと理解していないようにも思えました。
「え? 今なんて言った??」すごい顔をしていたのでしょう。次男は私の顔をただじっと見ていました。
「… その言葉は絶対言っちゃダメ。ママだけじゃなくて、誰に対しても言ったらダメなんだよ」
「死んじゃえばいい」と言われたとき、私はそれまで怒っていたことを忘れるほどとても悲しく泣きそうでした。まさか最愛の息子にそんなことを言われるなんて…。でも、ここで泣いてはいけないと思い必死に涙をこらえじっと次男の顔を見ました。
突然トーンの変わった私を見て、次男は不思議そうな顔をしていました。
「この言葉を言われたら、みんなものすごく悲しくなるの。絶対使ってはダメ。だから、もう言わないでね。約束して」
「… うん、分かった。ぼく、もういわない」
見る動画を親子で考えるきっかけに
あの言葉をどこで覚えたのか。
おそらく動画で誰かが悪ふざけでその言葉を言っているのをみて、意味が理解できないまま「使っていい言葉」として覚えてしまったのでしょう。
寸劇動画はしっかりした内容のものもあれば、ふざけ半分で汚い言葉や傷つける言葉を使うものもあります。自動再生で観ていたときに、そういった動画がまぎれてしまったようです。
それから、見せる動画には気をつけるようにしました。設定から見直し、なるべく悪質そうなアカウントは先にブロック。それでも表示や再生されてしまったら、別の動画にするように。
子どもの普段使う言葉に対しても、親子で
「もしこういう風に言われたらどう思う?」と話し合いました。そのほかにも「動画でやっていることが絶対に本物とは限らないこと」や「情報をすべて鵜呑みにしてはならないこと」を教えました。
結果的に、親子で話し合ういいキッカケにはなりましたが、未だに次男に言われたあのときのショックを私は忘れられません。あれ以降、次男は約束を守ってあの言葉を口にしていません。
普段怒られる時とは全く違う私の表情と声で、どれほど悲しい思いをさせるのか分かったようです。6歳のお兄ちゃんが
「僕も弟もママが泣くのは嫌だから。絶対言っちゃいけないって話したんだ。僕からもなんで言ったらいけないのか弟に言ったから、もう言わないと思う」と少ししてから教えてくれました。
子どもにとっても、ママが泣くのは相当辛いみたいです。
まだ私でよかったと思うべきなのか。親として悩むところです。子どもたちには、これから自分の発言に責任を持てる大人になってほしいと願うばかりです。
(ファンファン福岡公式ライター/吉田奈央)