今回は、「脳梗塞」についてお話します。
脳血管の詰まりが原因で起こる脳梗塞
脳梗塞とは、脳細胞に酸素や栄養を供給する血管が詰まることで脳細胞がダメージを受け、さまざまな機能障害が現れる病気です。 脳血管が詰まる原因は主に次の3つです。 (1)高血圧の影響により、脳の深いところの細い血管がもろくなり詰まるケース (2)脳の太い血管が動脈硬化症を起こしていて、そこが詰まるケース (3)心臓にできた血栓が血流に乗って脳に飛んでいき、脳の太い血管が詰まるケース
高血圧・脂質異常症・糖尿病などの既往、喫煙や飲酒の習慣、塩分過多や高カロリーの食生活、運動不足、肥満などがあると、将来的に脳梗塞を起こすリスクが高くなると考えられています。 厚生労働省では、脳梗塞の発症リスクがチェックできるツールを紹介しています。そちらも参考にしてみましょう。
脳梗塞の主な症状
脳梗塞の症状は、ダメージを受けた脳の部位によって現れ方もさまざまです。 ◆片方の手足に力が入らない、しびれた感じ ◆ふらつく、真っすぐ歩けない ◆顔がゆがむ ◆口がうまく動かない、ろれつが回らない ◆言葉が出ない、言葉が分からない ◆視野の半分が見えない ◆物が二重に見える ◆文字が書きにくい、箸が使いづらい など さらに、中にはこれらの症状が現れてもすぐに消えてしまうといったケースがあります。これは一過性脳虚血発作といって、脳血管の血流が一時的に途絶え、脳梗塞の症状が現れるもの。 もし一過性脳虚血発作を放置した場合、48時間以内に1~8%、3ヶ月以内では合わせて15%程度の方が脳梗塞を発症するとも言われています。そのため、すぐに症状が消えたとしても安心せず、専門医を受診するようにしましょう。
脳梗塞の症状チェックリスト「FAST」
脳梗塞かどうかを判断する場合には、項目を3つに絞った「FAST」という症状チェックリストが便利。自己診断だけでなく家族や友人などが脳梗塞を起こした場合に役立ちますから、ぜひ覚えておきましょう。 F(face:顔の麻痺チェック)…笑ったときに片方の口だけ上がらない A(arm:腕の麻痺チェック)…両腕を前にあげると片方の腕だけが下がる、腕に力が入らない S(speech:言葉の障害チェック)…会話が成り立たない、ろれつが回らない T(time:発症した時刻)…上記3つの症状に気づいた時間を確認し、すぐに救急車を呼ぶ
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