大学受験 隣席の人に「うるさい!」と言われたびっくり体験

私が大学受験をしたときの話です。その日は、まるで戦いに臨むような気持ちで、朝から気合を入れて早めに試験会場である大学に到着しました。ところが、いざ試験が始まると、隣の人に「ペンの音がうるさい!」と注意されてしまったのです。ただでさえ緊張する試験の場で、私はびっくり! そのとき私がとった行動とは…。

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大学試験当日 なるべく心の余裕をもって行動

写真AC

 希望する大学の試験当日。周りのピリピリした雰囲気に飲まれないようにするため、私はできるだけ心穏やかに、じっくり自分が試験を受ける教室を探し、ゆったりその教室へ向かっていました。多くの受験生がのろのろ廊下を歩く私を追い抜いていきますが、自分のペースを崩さない心掛けが緊張をほぐすための私なりの儀式みたいなものでした。

 ようやく自分の受験番号が書いてある席を見つけてひとまず着席。
 3人掛けの机に真ん中を空けて2人ずつ座るスタイルだったので、隣の人とも近すぎず適度な距離感です。

 同じ机の受験生はまだ来ていません。時間があったのでお手洗いを済ませ、リラックスしながらノートを見返したりしていると… ドタドタドタと廊下から大きな足音がしたと思うと、息を切らせながらショートカットの女性が教室に駆け込んできました。
 ものすごく焦っている様子で黒板に貼りだされた席順を確認し、こちら向かってきます。すると… 私と同じ机で試験を受ける人でした。

 ギリギリの時間に来るので、コートを脱ぐのも、マフラーと手袋を外すのもなんだか慌てている様子。机に置かなければならない受験票が見つからないようでガサゴソしていましたが、もちろん私は気にしないように過ごしていました。

試験開始直後 「うるさい」と言われる?!

写真AC

 まもなく試験官が入室して、試験の説明と問題用紙の配布が始まりました。私は鉛筆2本と消しゴム1つを机に置き、開始の合図を待ちます。

 そして「始め!」の合図で、皆一斉に問題用紙を開きます。シーンと静まり返る中、受験生たちのシャーペンや鉛筆の音だけが響いていました。私は序盤から幸いにも好調に問題を解き進めており、“超”がつくほど集中していました。

 しかし試験開始数分後、隣に座る女性が急に
 「ペンの音うるさくて集中できないので、やめてもらえません?」と声をかけてきたのです! 試験官には、「何かあった際は挙手して試験官に質問すること。それ以外してはいけない」と言われているはずなのに、です。

私の対応

 急にそんなことを言われたので、私はポカーンと声も出ませんでした。その女性の顔が怖すぎたということもあります。コソコソというより、私の方に顔をぐっと近づけて普通に話しかけてきた、と表現した方が正しいかもしれません。

 シーンとしている教室の中ですから、おそらく前後の受験生にはこの発言が聞こえていたと思います。 
 しかし、私の席は教室後方右の壁側だったので、黒板前に着席していた試験官は気付いていませんでした。

 心の中で「ペンの音って私だけじゃなく皆しますけど!? 何ならあなたもしてますけど!」と思いましたが「そんなことを、わざわざ隣に言うほど試験に集中できていないんだな」と思うことにして、ペコリと頭を下げそのまま気にせず試験を受けました。

入学後、その人を一応探してみた

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 結果的に、私はその大学に合格。入学することになりました。
 見た目も行動もインパクトがあった女性。顔をしっかり覚えていたので、もしその女性も入学していたらすぐわかるな思っていました。ところが会うことはなく、慌ただしく過ぎる日々の中でその女性のことはすっかり忘れていました。

 今思い返すと、試験中にペンの音がうるさいと思ったとしても、直接話しかけるなんてあり得ないので、試験官に引き渡してしまえばよかったな、なんて思います。
 当時はそんなこと咄嗟にできませんでしたが…。

 今年も受験シーズンですね。試験が終わるまで何が起こるかわかりませんが、当日を迎えられたのなら、何があっても焦らずいつも通りの自分の力を無事発揮できるよう願っています。

(ファンファン福岡公式ライター / めめこ)

※この記事内容は公開日時点での情報です。

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