私の仕事は経理事務です。そのなかで社員の立替払いを精算する仕事があります。しかしズボラな社員は領収書をなくしてしまうことも…。今回はそんなズボラ社員がとったドン引き行動についてのお話です。
物忘れが多い社員Aさん
私は事務の仕事をしています。立替払いはどの社員も可能ですが、立替払いをする主な社員は決まっています。
そのためよく立替払いをする社員には
「領収書は必要なので、ぜったいに捨てないでくださいね!」と伝えています。しかし、なかには立替払いの領収書をなくしてしまう人も。
それは毎回同じ社員Aさん。長年勤めている40代後半の女性です。Aさんは普段から物忘れが多く、周りからも
「あの人に頼みごとをしても、いつも忘れるからね」と言われています。
そこまで年配ではないし、しっかりしているように見えますが、何度も同じことを聞いてきたり、同じ失敗を繰り返してしまう人です。
私とAさんは、同性で普段から立ち話もする間柄で、決して悪い人ではないと思っていました。
領収書がない?!
ある日、会社で使用する備品(約3,000円のアルコール消毒関係のもの)を、Aさんが立替払いしてきました。
いつも通り領収書を渡してくるかと思いきや、私に向かって驚いた表情で一言
「領収書がなくなったみたい!」と。Aさんは領収書をなくしてしまったようでした。
もちろん、私は
「領収書の確認ができなければ、精算はできませんよ」と伝えました。
するとAさんは、何か考え、
「分かりました」と納得した様子。
領収書を再提出! その内容はまさかの
翌日。Aさんがいそいそと私に近寄り、
「あのね…」と話し始めました。
「領収書があればいいんだよね?」と改めて聞いてくるので
「そうですよ、領収書があれば立替えた分は精算できます」と答えました。
すると
「これなんだけど」と私に一枚の領収書を手渡してきました。内容を確認すると、先日Aさんが立替えたものと似た内容の領収書です。
「これどうしたんですか?」とAさんに聞くと、
「家で使う物だよ! このあいだ買ったものと同じものだし、いいよね?」と何食わぬ顔で言ってくるではありませんか!
私はAさんの言う意味が分からず、その行動に頭がついてきませんでした。
黙ったままの私にAさんは
「金額も同じだし、これで立替えた分は精算できるよね?!」と自信満々に言ってきます。
Aさんの驚くべき行動に、私はただただ言葉を失うばかり。Aさんはニコニコと私からの答えを待っているようでした。
無論、精算はお断り
意を決し、私はAさんに
「それは精算できません」と答えました。
Aさんはポカンとした表情になります。
私は続けて
「それはご自分で使うものですよね? 実際に会社で使用するものでなければ精算はできません!」とはっきり言いました。
Aさんは怒ったり言い返したりすることもなく
「そうなんだね… うん、分かった」と言って引き下がりました。
厚かましいにも程がある!
Aさんは一体何を考えているのか? 私は訳が分からなくなりました。
会社の備品でも何でもない個人のものを精算できるわけがありません。Aさんだってそのことを分かっているはず。
なのに、なぜこんな行動をとったのか? 不思議でなりませんでした。図々しいにもほどがあります!
Aさんは、この後も相変わらずズボラで物忘れがひどいまま。でも、立替払いした領収書をなくすことはもうありません。きっと、あの時のことで懲りたのではないかと思います。
ただ、「また同じことをするかもしれない!」と私はヒヤヒヤしながら、Aさんからの領収書を受け取る日々です。
(ファンファン福岡公式ライター / ゆラッコ。)