共働き夫婦が出産後に頭を悩ます「保活」。保活とは、子どもを保育園へ入れるための活動のことです。職場の先輩や先にママになった友達から「保活は大変だよ」「保活頑張ってね」などと言われても実際に何が大変なのか、どう始めたらよいか分からないことばかりですよね。
そんなワーキングママを目指す人のために今回は保活の基本情報やうまくいくスケージュール例をご紹介します。
保活ってなに?
赤ちゃんを出産後、産休・育休が明けたら職場復帰をしたいと考えている人にまちうけているのが「保活」。保活とは、お子さんが保育園に入園するための活動のことです。現在、保育園は希望すれば誰でもすぐに入れるわけではなく、保育園の空き状況と待機児童数の兼ね合いで空きができ次第順番に入所できます。
近年共働き夫婦が増えていることから、少子化にもかかわらず主に都市部では待機児童数が希望の保育園にすぐ入園できないという状態が問題になっています。
もうすぐ育休が明けるからそろそろ準備しないとな~なんてのんびりしすぎてしまうと、手続きが間に合わない!なんてことになる恐れも。保活は早め早めに行動するのが大切です!
まずはこれをチェック!保活の流れ
保活をするにあたってまず最初に大まかな流れを把握しておくことが大切。動き出しのタイミングは職場復帰するおよそ1年前から始めるとよいでしょう。
(1)保育園や自治体の情報収集
・保活をスタートする時、まずはお住まいの自治体で保育園入園案内の資料をもらいましょう。入園案内の資料には、申し込みの流れ・保育園一覧・必要書類など詳しい情報が掲載されています。必ずGETして一読しておくのがよいですね。
・住まいの市区町村の中でもどのエリアが送迎しやすいかを考えて候補の保育園をいくつか見つけてみましょう。
・保育園には認可保育園(公立・私立)、こども園、小規模保育園など種類もさまざま。どんな環境で子どもを保育してもらいたいかを夫婦で話し合っておきましょう。
(2)気になる保育園を見学する
・送迎可能地域にある保育園の中で気になる園が見つかったら数か所見学へ行きます。見学の申し込みは直接保育園に電話するのが一般的。
・見学する際には、園の雰囲気や、活動内容、設備、保育理念なども確認。見学が終わったらよかった点、気になる点などをメモしておくと他の園と比較しやすいですよ。
(3)必要書類の準備
・保育園入園の申し込みにはさまざまな書類が必要になります。保護者の就労での保育申請において必要な書類は、申込書・マイナンバー確認書類・就労証明書(夫婦分)・市区町村民税課税(非課税)証明書など。
・保育園入園は就労だけでなく、介護や疾病・休職中などの場合にも申し込みができます。その際は提出書類が異なるので必ず役所へ行ってどのような理由で保育園に預けたいのかを話、必要な書類を確認しておきましょう。
(2)と(3)は同時進行するとスムーズに申し込みまで進みます。書類は会社によって思ったよりも時間がかかることも。早めに職場に申請しておくのがよいですね。
(4)希望の保育園を絞る
・実際に見学へ行った園の中から、第一希望第二希望と順位を決めて絞ります。一つだけに決めてしまうとそこが人気園だった場合なかなか順番が回ってこないということも。候補はいくつかあげておくのがよいですね。
(5)申し込み
・書類がすべて揃い、園が絞れたら自治体へ申し込みを行います。申し込み期間は、入園希望月によってきめられているので期間を必ずチェックしておくことを忘れずに。
(6)審査結果発表→保育園入園
・申し込み後は書く市町村で保育認定・利用調整が行われます。無事に保育認定され、点数(ポイント)の高い順から保育所利用内定が決まります。
・内定通知が来たら、保育園で面接を行ったり健康診断をしたりと入園までの準備を行います。もし希望する園に決まらなかった場合は、2次募集や認可外保育園への入園など代替案を検討しましょう。
以上がおおまかな保育園入園までの流れです。次は各流れの中でより詳しく知っておくとよい情報ご紹介します。
保育園にはどんな種類があるの?
子ども達が通う保育園は、さまざまな種類があります。受けられる保育サービスも保育園によって異なるので、自分のお子さんをどんな園に通わせたいかを考えるポイントとして違いを把握しておきましょう。
認可保育園
認可保育園は施設の広さ、職員数、設備など国が定めた認可基準を満たし、都道府県知事に認可された施設のこと。各地方自治体が運営する公立と、社会福祉法人などの民間が運営している私立の2種類に分けられています。対象クラスは0歳~5歳。
認可保育園を希望する場合は住んでいる地域の自治体に入園申し込みを行います。保育料の支払いも自治体へ払います。
認定こども園
幼稚園と保育園の両方の特徴をあわせ持ち、教育・保育を一体的に受けられる施設が認定こども園。近年従来の保育園や幼稚園が認定こども園へ移行しつつあります。
就労の有無に関係なく入園できるのですが、保育認定された場合は保育園と同等に保育時間が長く預けられます。
小規模保育園
小規模保育事業は、待機児童の解消を目的として低年齢児を対象に保育を行う施設。利用定員が 6人以上19 人以下の小規模な施設できめ細やかな保育を行っています。家庭的な雰囲気の中で保育を行いたいという人や、駅近で送迎が便利で選ぶという人も多いでしょう。
対象年齢は原則0歳児から2歳児。3歳児クラス以降は連携する認可保育園に入園できたり、新たに保育園や認定こども園へ申し込みする必要があります。
希望する認可保育園へ入園が叶わなかった場合の一時措置として小規模保育園へ通わせているという家庭も。
認可外保育園
自治体の基準を満たしていない民間の保育園。児童福祉法などに基づき、自治体や市区町村が施設へ立ち入って調査をするなどしています。保育料は認可保育園より比較的高額な傾向に。その分英語教育や独自のサービスを展開しており、あえて認可外保育園へ通わせたいという家庭もいます。
認可外保育園へ入園希望の場合は自治体ではなく保育園に直接行います。
保育認定・ポイント制について
保育園へ入園の申し込みをするにあたって、該当する子どもの保育が必要であると認定を受ける必要があります。これを「保育認定」といいます。保育認定の申請は、施設申込と同時に手続きするのが一般的。保育認定は子どもの年齢や保育時間の希望などにより3つの区分に分けられます。
また、保育園の入園選考にはどのくらい保育が必要なのかを点数により指数化し、その点数が高い順から入れる仕組みがあります。自分の家庭は何点あるのか、点数を上げるためにできることはあるのかなどを事前に計算しておくのも大切です。
保育認定の区分
・1号認定 → 満3歳以上で、幼児教育希望の方(主に幼稚園や幼稚園型の認定こども園に通園できる)
・2号認定 → 満3歳以上で、保育希望の方(保育園や認定こども園に通園できる)
・3号認定 → 満3歳未満で、保育希望の方(0~2歳で認可保育園や小規模保育・認定こども園に通園できる)
点数の計算方法や加点のポイント
保育の指数は、親の就労状況(勤務形態・勤務場所・勤務日数や時間)によって点数がつけられます。例えば東京都足立区の場合は、両親共に会社員で月に20日以上の勤務を1日8時間する状態だと基準の点数が23点ずつ加算されます。妻が月に16~20日、1日6~8時間の時短勤務で復帰する場合は基準の点数が16点に。
この時点でフルタイム勤務と7点の差ができてしまうので、待機児童が沢山いる場合は時短勤務の人はなかなか順番が回ってこないという状況に陥る可能性も。
この基本の基準点数にさらに調整指数という加点ポイント加わりその総合指数で判断されていきます。
調整指数の項目の例
・ひとり親か否か
・保護者が何らかの障害者手帳を持っている
・保護者が保育従事者
・多子世帯
・既に認可外保育園などに通っている
上記のような場合にはさらに加点されます。
加点の詳細は各自治体によって異なるので、保活スタート時に自分の家庭の保育指数が何点あるのかを計算しておきましょう。東京都足立区などではネットで簡単に保育指数をシュミレーションが可能。お住まいのところでもあるかチェックしてみるとよいですね。
保育の指数をシミュレーションできます|足立区 (city.adachi.tokyo.jp)
0歳児の保活スケジュール例
保活を始めるタイミングとして一番多いのが、育休を1年間とった後にお子さんが1歳になる年度から。ただし、この1歳児クラスは各保育園の人数も少なめに設定されている場合が多く、待機児童が多いのが現状。これを避けるために早めに育休を切り上げて0歳児クラスから入園を狙うという人も増えています。
令和6年度のクラス編成
・0歳児クラス → 生年月日が令和5年4月2日以降
・1歳児クラス → 生年月日が令和4年4月2日~令和5年4月1日
令和5年4月2日生まれのお子さんは、保育園に入園してすぐに1歳になりますが、クラスは0歳児クラスに入ります。また、0歳児クラスには早くて生後57日(生後2か月)から利用可能。早く入園を希望する場合は出産前から既に保活をする必要があります。
0歳児で入園希望のスケージュール例
2024年の6月に出産予定で0歳児クラスに入れたいと思っている場合は以下のスケージュールで保活を進めるとスムーズです。
●2024年3月(妊娠8月頃)…保育園の情報収集・園見学
●2024年9月(生後3か月)…希望の園絞り込み・書類の準備
●2024年10月…入園申し込み
●2025年1月…保育調整結果発表
●2025年2月…保育園面接
●2025年4月(生後10か月)…入園式
多くの自治体では、4月入園の保育園申し込みは10月頃から始まります。その前に園見学や必要書類は揃えておくようにしましょう。
6月生まれの場合は、出産後から申請までの間に余裕がありますが、早生まれの子が4月から入園させたい場合は出産前に申請を終わらせておかなければなりません。生後57日から0歳児クラスには入園ができますが、保育園によっては月齢を制限している園も多いので希望の園が0歳児クラスを何か月から受け入れているのかも確認しておくとよいですね。
保活を成功させるポイント!
0歳児から保育園入園を目指す場合は、妊娠中から保活が始まります。仕事や慣れない妊婦生活を送る中で情報収集や園見学をしなけらばならず、特にママの負担が大きくなりますよね。保育園に入れるか否かはご家庭の重要案件ではありますが、ママの身体が第一。無理のないペースで進めていきましょう。
保育園情報はネットも活用しよう
保育園の情報収集は自治体のホームぺージや、各保育園の公式ホームページなどネットも積極的に活用しましょう。見学へ行く前に事前にネットで下調べをして、その中からいくつか気になる園をピックアップしてみるのがおすすめ。
近所で保育園に通っているママ友がいたら話を聞いてみるのもあり。一番は実際に目でみて雰囲気を感じ取るのがよいですが、保育園の口コミサイトなども活用するとホームページや書面では分からない情報もGETできるかもしれません。
どんな環境で子育てをしていきたいかイメージしよう
認可保育園や認定こども園なども、園によって特色が異なります。広い園庭や裸足保育をしているところでのびのびと過ごさせたいか、体操や音楽、英語などの集団活動を沢山経験させたいか。または、少人数で家庭的な保育を希望するかなどお子さんをどのような環境で子育てしていきたいかにより選ぶ園が変わってくるでしょう。
夫婦でこうしたい!という考えを統一しておくと、保育園選びもスムーズに進みますのでパパママ一緒に話し合ってみることも大切です。
送迎ルートも重要な選定条件
保育園の送迎は雨の日も、雪の日も毎日あります。家から保育園、そして職場までのルートが不便なところや時間がかかりすぎてしまうところは親の負担が増えてしまうことに。スムーズに送り迎えが行えるように家からのルートを確認し、見学の際には所要時間もチェックしておくとよいでしょう。
安心して預けられる保育園をみつけよう
保育園は子どもが朝から夕方まで1日の大半を過ごす場所になります。保活を進めていく際には、子どもを安心して任せられる預けれると思える園を見つけることが大切。近さや施設の綺麗さなどももちろんポイントにはなりますが、安全面や保育士の雰囲気をよくみて選ぶようにしましょう。
少しでも疑問に思ったことは見学の際に何でも質問してみてください。子どもがのびのびと健やかに成長できるような素敵な保育園がみつかるとよいですね。
【参考文献】
・令和6年度保育園・認定こども園のご案内 (urayasu.lg.jp)
・保育施設利用申込|足立区 (city.adachi.tokyo.jp)