娘の幼稚園の役員をやっていたとき。娘の1つ上の学年の卒園式にお手伝いで参加しました。感動的な雰囲気に包まれている中、号泣しているシングルマザーが1人。最初は「よほど思い入れがあるんだな」と思っていたのですが… 泣いている理由に驚愕した体験談です。
卒園式のお手伝い
お手伝いとして参加した幼稚園の卒園式。
当日私は車の誘導など裏方の仕事をしつつ、卒園式の感動的な雰囲気を感じていました。式がひととおり終わり、卒園生たちは園庭で記念撮影をしたりおしゃべりをしたりしていました。中には泣いている子どもや保護者もいて、それぞれが最後の別れを惜しんでいるようでした。
私は幼稚園の前でお手伝いをしていたのですが、まだ帰る人はいないとのことで、一度園内へ。知り合いの多い学年だったため、保護者や子どもたちに話しかけながら、あちこちで開催されている撮影会のシャッターを押していました。
園庭ではいろいろなところで、年長の先生をはじめ、他の学年の先生とも談笑する保護者の姿。その中で1人、男性の先生と話しながら号泣しているママがいました。
ひときわ目立つ号泣ママ
号泣しているママ(Aさん)は知り合いではありませんでしたが、シングルマザーで子どもを育てていると聞いたことがありました。話し相手の男性の先生は、新任でさわやかイケメンな先生です。誰にでも気さくに話しかけてくれる先生で、子どもからも保護者からも人気がありました。
「ずいぶんお世話になったのかな?」とも思いましたが、男性の先生は年長組の先生でもなく、新任の若い先生なので接点がないはず。
不思議に思いながら近くで気にしていると、どんどんAさんの泣き声が大きくなっていきます。多くの保護者や子どもがおしゃべりしているので、そもそもガヤガヤとうるさいのですが、その中でもAさんの泣き声はかなり響いていました。
Aさんは男性の先生を独占状態でわんわんと泣き、化粧はボロボロ。明らかに男性の先生は「どうしよう…」と困っている様子でした。
泣き声の大きさに次第に近くにいた人たちの注目も集まり始め、
「ねえ、どうしたの?」
「あんなに泣くなんて何かあった?」とヒソヒソ。変な注目を集めてしまって、男性の先生もさらに慌てて、Aさんに
「落ち着いてください…!」と声をかけていました。
するとAさんはスイッチが入ったように、余計に
「うわぁ!」と泣くのです。そして叫びました。
「私、本当に、再婚したくて! ○○先生が娘の父親になってくれたらいいなって思ってたんです! でも、これであっけなくお別れだなんて…!!」と。
涙の理由にみんなが衝撃
人の話し声でうるさい中でも、Aさんの声は周辺にいた保護者にはしっかりと聞こえる声の大きさ。
するとどこからか園長先生が大慌てで走ってきました。いつもはおっとりした園長先生が慌てた顔で、先生とAさんの間に入り
「お母さん! ちょっと職員室で落ち着きましょう!」とAさんを連れていきました。
Aさんはヒックヒックと泣きながら、園長先生にもたれるようにして職員室へ。Aさんの子どもは男性の先生と手をつなぎながら
「せんせい、ママ、どうしたの?」と男性の先生に聞いていました。
男性の先生は困ったような顔をしながら
「う、うん、どうしたんだろう…」とポツリ。
一連の流れを見ていた周りの保護者たちも呆気にとられた顔で、
「びっくりしたね…」
「最後にとんでもない衝撃だ」と驚きを口にしていました。
その後ほとんどの保護者や子どもが帰った後、Aさんは職員室からフラフラと出てきて、覇気のない顔で子どもと一緒に帰っていきました。
後から聞いた噂話では、Aさんは一方的に男性の先生に好意を抱いていたようで、日ごろから猛アタックをしては受け流されていたようです。Aさんの最後の最後での、衝撃的な告白。卒園式の感動を吹き飛ばしてしまうくらい驚かされた涙でした。
(ファンファン福岡公式ライター/K)