小学校入学と同時に、共働きの家庭は子どもを学童保育に預ける人も多いでしょう。放課後の子ども達が過ごす場所として、学校の敷地内などで専門の先生が見てくれる親にとってはありがたい場所ですね。そんな学童保育は何歳まで通えるのでしょうか。
学年が上がるにつれて、子どもの居場所や過ごし方について改めて考えることも増えていきます。今回はそんな学童保育について元保育士ママライターが調べてみました。
学童保育とは?
学童保育とは、親の就労などにより子どもの見守りができない親に代わり放課後の居場所や遊びを提供する保育事業のこと。児童福祉法における第6条の3第2項における「放課後児童健全育成事業」の通称でもあります。
学童保育は、学校の敷地内や児童館に隣接されている公設公営型と、民間企業に運営を委託している公設民営型があります。今回の記事では、主に公設民営型の学童保育に通う児童を対象として執筆しています。
学童保育の過ごし方
学童保育は、学校の授業が終了したあとから始まります。帰りの会が終わると学童に通う子達は自分の学童のクラスにそのまま移動。部活動や委員会活動がある子はそれが終わってから学童へ向かいます。
【一日の流れ】
14:45 各学童保育室へ移動
宿題や習い事の勉強など
15:30 おやつ
15:45 外遊び(校庭)
16:30 保育室へ戻る
室内遊びをして過ごす
19:00 完全下校
これはある学童クラブの過ごし方の一例です。学校併設の学童なら天気が良い日は校庭で遊んで過ごすことが多いです。家に帰る時間が遅くなってしまうこともあり、学童にいる間に勉強の時間を設け、宿題をしたり公文など塾の勉強をする子もいます。
学童の先生は時に分からない勉強を見てくれたり、集団遊びや個々の遊びを見守っています。
入所条件
小学生の児童が学童保育を利用するには保護者及び同居者が以下の要件を満たす必要があります。
(1)就労の場合 … 就労日数が月15日(目安として週4日)以上で、帰宅が15時以降となること
(2)出産・疾病・障がい・通学・介護等により、放課後の家庭保育が困難なこと
利用料金
学童保育は月ごとに利用料金を支払うのが一般的。市町村や施設によって異なりますが、およそ4,000円~1万円程度が相場です。千葉県市川市の学童保育は利用料金が月に8,000円、そのほかおやつ代として月2,000円が徴収されます。
2人目以降は半額になったり、市民税額に応じた減免制度があるところも。
学童保育は何歳まで利用できる?
学童保育は、原則1年生から6年生までの児童が利用できます。しかし、実際に学童保育を利用しているのが小学1年から3年の低学年の子ども達が中心。各学童クラブには定員があり、申し込みの際に定員以上の申し込みがあった場合は1年生が優先になるなどのルールも。
さらに高学年になると親がいなくても子どもだけで留守番ができる様になったり、友達と遊ぶ約束をしたり、塾や習い事が放課後の居場所になる子も多いでしょう。そのため、4年生以降は徐々に学童をやめていく子が増えているのです。
お子さんを学童に預けている際、高学年の子を見かけないため年齢制限があるのでは… と不安に思う人もいるかと思いますが6年生までは通えるので安心してください。
学童保育のメリット・デメリット
学童保育は共働きの家庭や、親の介護などで日中子どものお世話ができない場合において、安心して子どもを預けられる場所ですね。子どもの居場所として、学童に行く場合、どんなメリットがあるのでしょうか。
メリット
子どもが放課後一人にならないで安心
学童へ預ける目的の一つとして、「子どもが放課後一人にならないように」と考えている親が多いでしょう。小学校へ入学したばかりの子はまだまだ一人でお留守番も難しいので、放課後きちんと見てくれる施設へ通える安心感は計り知れません。
異年齢児童とのかかわりが増え社会性が身につく
学童保育は小学校1年生から6年生まで縦割りのクラスがほとんど。普段は同じ年の友達と関わることが多いですが、放課後は年上のお兄さんお姉さんや、年下の小さなお友達と一緒に遊んだりお手伝いをしたりします。
その中で社会性が身に付き、年上を見習い尊敬し、年下の子を思いやる気持ちなどもでてきます。小学校生活ではなかなか経験できない異年齢児との関わりが増えるのもメリットの一つですね。
週末や夏休みにも子どもの生活の場を確保できる
学童保育は、土曜日や夏休みなどの長期休暇時も開所しています。子ども達の生活の場を確保できるのも良さの一つです。
共働きのライフスタイルを維持しやす
週末や夏休みも学童に預けられることで、共働き家庭のライフスタイルが維持しやすくもなるでしょう。学童に入れないとパートや短時間勤務などに働き方を変えざるをえないという状況も出てきます。学童に子どもを預けられることで安心して働けますね。
デメリット
子どもが一人でゆっくりとすごせる時間が少ない
学童保育は一クラス20人~30人と学校のクラスと同じくらいの人数編成が多いです。放課後もにぎやかで楽しい反面、子どもが一人でゆっくりとすごせる時間が少ないともいえます。
一人遊びが集中してできなかったりと子どもによってはストレスに感じる場面が多くなることも。
学年が上がるにつれてつまらないと感じる子が増える
低学年の間は楽しんで学童に通っていた子どもたちも、学年が上がるにつれてつまらないと感じる子が増え学童に行きたがらなくなることもあります。限られた遊びや、低学年との関わりが高学年になるとおっくうに思うことも原因の一つ。
留守番もできるようになると、家で自分の好きなことをして遊ぶ方が良いと感じる子も多いようです。
集団生活の時間が長く体力を使い疲れる
学校の授業の後に学童保育へいくとなると、集団生活の時間が長く一日10時間くらい学校にいることにもなります。学校生活に慣れていないうえに学童もとなるとその分体力も使い疲れがでてくるでしょう。
学童に通っていない子との関わりが減る
学童に通っていない子との関わりが減るのもデメリットの一つ。特に仲良しの友達が学童へ通っていないと放課後一緒に遊べない、自分だけいつも仲間外れの気分になるという子もいます。
子どもが安心して楽しく過ごせる放課後の居場所を作ろう
6年生まで通える学童ですが、必ず通う必要はあるわけではありません。子どもや家庭の状況により、放課後の居場所をどのようにしていくか家庭で話し合うことが大切です。
何歳になったら留守番ができるのかもその子の性格や環境によりますね。学童をやめる場合も、子どもが安心して過ごせる居場所をきちんと確保し、約束事などを確認するようにしましょう。
【参考文献】
・市川市放課後保育クラブ | 市川市公式Webサイト (ichikawa.lg.jp)
・令和6年度児童育成クラブ入会の手続き|浦安市公式サイト (urayasu.lg.jp)