2015年、岡山の結婚式場が投稿した1本の動画。書籍化やTVドキュメンタリーで紹介され、全国で感動を呼んだ実話「8年越しの花嫁」が映画化されました。W主演の佐藤健さん、土屋太鳳さん、瀬々敬久監督がその見どころを語ります。
撮影前には実際にお二人とお会いしたそうですね。 佐藤 ドキュメンタリーを見たとき「こんな人生が実在するんだ」と驚きましたし、すごく温かい気持ちになりました。そのときから二人のことを大好きになって、お会いしてみるとやっぱり素敵な人だな、と。夫の尚志さんは常にニコニコしていて、笑顔が印象的でしたね。 土屋 妻の麻衣さんは可愛らしくて女子力があって、よく笑う方でした。尚志さんがおっしゃるように「人を惹きつける力がある」。彼女のそんな魅力を描きたいと思って、特に出会いのシーンではセリフや仕草を佐藤さんと一緒に練りました。 実話を描くうえでの苦労や発見は? 佐藤 実は、笑う演技には苦手意識があって。そこが一つのテーマでした。尚志さんの笑顔と僕の笑顔は違って、だからこそ乗り越えなきゃいけないな、と。尚志さんの笑顔をできるだけ表現したいと思いました。 土屋 リハビリのシーンで特殊メイクをしていて、喋ることもままならなかったのですが、母役の薬師丸ひろ子さんが手をさすってくださったり、佐藤さんが「何をしたいの」と気持ちを汲み取ってくださったり。普段以上に人の手の温かさや声の温かさを感じた時間でした。 瀬々 普通の生活の中にある「小さな宝物」を描けたら、と。震災や水害、突然起こる不幸のなかで僕たちはどうしていけばいいか。それは日常にきらめく、小さいけれども大切なものを大事にしていくことなんだと思いました。 『8年越しの花嫁 奇跡の実話』公開中
結婚を約束し、挙式を間近に控えたカップル、尚志(佐藤健)と麻衣(土屋太鳳)。幸せの絶頂だったある日、原因不明の病が麻衣を襲う。尚志はいつ目が覚めるか分からない恋人を待ち、毎年同じ日に式場の予約を入れ続ける。長い年月の末、ようやく麻衣は目を覚ますがさらなる試練が待ち受けていた。実在する二人の8年間を描いた真実のストーリー。 (c)2017映画「8年越しの花嫁」製作委員会 Profile 瀬々敬久/1960年、大分県出身。『64-ロクヨン-前編』(16)で第40回日本アカデミー賞優秀監督賞を受賞。 佐藤健/1989年、埼玉県出身。18年4月からNHK連続テレビ小説「半分、青い。」に出演が決まっている。 土屋太鳳/1995年、東京都出身。16年に第39回日本アカデミー賞新人俳優賞、エランドール賞新人賞を受賞。