「0点テストはここへ隠す!」長男が考え抜いた絶対に見つからない場所

始業式の前日、長男が終えた学校の準備に不安を覚えランドセルの中身のチェックを始めた私。ノートや教科書、休みの宿題… 教科書の中の1冊が妙に膨らんでいるのを発見しました。それはアコーディオンの蛇腹のよう。その教科書を取り出してビックリ仰天。

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注意散漫な長男

写真AC

 わが家の長男は小学二年生です。
 参観日に授業を見に行くと、長男は保護者達をチラチラ気にしながらも、座っている椅子をカッタンカッタン斜めに傾けてバランスをとって遊んでいます。

 先生に
 「じゃあやってみましょう!」と言われても、先生の話を聞いていないので、何をするのかわからず一人キョロキョロと周りを見ています。毎回こんな様子なので、私は参観日の度に恥ずかしい思いをしているのです。

 「学校が楽しくなれば」との思いから長男を通わせている学習塾では、珍しく丸椅子と長テーブルを使っています。学習塾での長男は、やっぱり丸椅子を斜めに傾けて… 上手にバランスを取りながら勉強しています。

 実際、長男の元々少ない集中力のほとんどは「丸椅子バランス」や「外の景色」に奪い取られているのです。そして残ったわずかな集中力でなんとか勉強をしています。

 私が教室の外で待っていると、静かな教室に「ガッターン!」という椅子が倒れた大きな音と、先生の
 「大丈夫!? ケガしなかった?」の声。「ガッターン!」の犯人はアノ注意散漫な長男に間違いありません。

プリントも宿題もなかったことに?!

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 ある日、長男の鉛筆の長さをチェックしようと筆箱を開けてみると、小さく小さく折りたたまれた紙が入っていたのです。

 何かの落書きかと思いながら、折りたたまれた紙を開いてみてビックリ。学習塾で100点にして提出しなければならなかったプリントだったからです。いつかの塾の日に、間違いを直すことが嫌になって、プリントを小さく折りたたんで筆箱にしまい「なかったこと」にしたのだと簡単に想像ができました。

 ばつが悪そうにしている長男へ言い聞かせた後、塾の先生へも報告。反省したのか、その後は同じような事件は起きませんでした。

 小学校では、毎日2枚宿題のプリントが渡されます。自宅で回答して翌日提出するシステムなのですが、長男はなかなか提出しません。
 「明日こそ宿題出してよ!」と長男に言っても、宿題のプリントをノートに挟んだり、カバンの奥底にしまったりして
 「あ、うん。もう出したよ」と適当な返事。 

 隠し場所をあちこち移動させているうちに、提出前の宿題の束なのか提出後の宿題の束なのか、本人も判別不能になってしまい最終的に間違えて私に出すという始末。

悪い点数のテストがこんなところに…

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 ある時、小学校で通信簿に影響する大切なテストがありました。結果を見てみると、まさかの0点!
 「0点? 0点! 学習塾で勉強しているのにナゼ!?」動揺するあまり思わず
 「0点とるのは100点とるくらい難しいんだよ!」と母は意味不明な説教。一方の長男は
 「あ、うん、うん、うん…」と空返事でどこか他人事です。

 原因は問題文を読まずにすべての問題を回答したため。長男のこの行動、母には理解不能です。

 こんなことがあったからか、長男は点数が悪いテストは私に見せなくなりました。
 ただ… 時々テストの点数が悪いのではなく、けっこういつも点数が悪いのでテストを筆箱に隠そうにもすぐにいっぱいになってフタが閉まらなくなります。

 そこで長男が練りに練って考え抜いた結果が「教科書に挟む」ことでした。そんなわけで、点数の悪いテスト全部を教科書に挟んだ結果… アコーディオンの蛇腹状態になってしまったわけです。

 「コレ全部直してね」と長男の目の前に、バサッと点数の悪いテストの束を差し出すと長男は驚いた表情のまま固まっていました。「どうせ見つからないだろう」と思い込んでいたようです。

 これには私も怒りを通り越して笑ってしまい、すぐに夫に報告しました。夫も失笑で
 「まぁ子どもだからさ。上手く隠せていると思ったんでしょ。あんまり怒らないであげて」と。この一件でテストの点数が悪いとすぐに小言をいう私の責任もあると感じ、ちょっぴり反省した次第です。

(ファンファン福岡公式ライター/ダイワ エノ)

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