せきは肺や気管(のどから肺までの空気の通り道)を守るために、外から入りこむ細菌やウイルス、ホコリや花粉などを取り除こうとする体に備わった防御反応です。また風邪を引くと、のどや気管の粘液でからめとった細菌やウイルスを痰(たん)として外へ排出しようとしてせきが多くなります。
子どもはせきの反応が大人よりも敏感で、さらに気管支が細く痰がうまく排出できないことなどから、せきが長引きやすい傾向にあります。 今回は子どもがせきをしている時に注意すべき症状のポイントや症状の原因、ホームケアについてご紹介したいと思います。
子どものせきでこんな症状が出たら要注意!
風邪を引いてせきが出る場合は、およそ5~7日ほど、長くても2週間程度でせきの症状は治まります。夜中に起きてせきこむこともありますが、日中に食事が摂れて機嫌よくすごせていれば、しばらく自宅で様子を見ましょう。 ただ以下のような症状のある場合は、小児科へ早めに受診することをお勧めします。 ◆ 2週間以上続くせき ◆ せきでほとんど眠れない ◆ 食欲がない、日中も元気がない ◆ 「ケンケン」と犬の鳴き声のようなせきが出る ◆ 今まで普通だったのに、突然激しくせきこむ
子どものせきを引き起こす病気
子どものせきの原因となる主な病気としては、以下のようなものが考えられます ◆ 普通感冒(風邪) 子どものせきで1番多いのは風邪によるものです。せきの他に発熱や鼻水などを伴うこともありますが、どの症状も5~7日程度で治まります。 ◆ 気管支炎 風邪のウイルスが気管支にまで及ぶと気管支炎を発症します。初めは「コンコン」という乾いたせきだったのが、「ゴホゴホ」と痰の絡んだせきに変わります。そのほか高熱が続いたり、せきで夜も眠れないなどの症状が続く場合は注意が必要です。 ◆ 肺炎 肺炎はウイルスや細菌が肺に感染する病気で、高熱が続いたり、痰が絡んだせきが長引きます。激しいせきが続くと呼吸がしづらくなり、呼吸の回数が頻繁になる場合があります。 ◆ クループ症候群 クループ症候群はのどの周辺に細菌やウイルスが感染して起こる病気です。クループ症候群のせきは通常のものとは異なり、「ケンケン」といった犬の鳴き声のようなせきが特徴的です。このようなせきは、のどの奥が腫れて空気の通り道が狭くなって起こります。症状がひどくなると呼吸困難になる恐れがあるため、早めに小児科を受診しましょう。
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