子どもが自分あてに書いてくれたお手紙は、どんな内容でも嬉しいもの。私も、長男が初めてお手紙をくれた時はとても感動したものですが…?! 思わずほっこりした気持ちになったエピソードです。
文字を練習中の息子
最近になって、文字を書くことに興味が出てきた長男。
ひらがなの練習帳や絵本などに書かれた文字を見ながら、文字の練習をしています。とは言っても、まだまだ見よう見まねの段階なので、鏡文字になってしまったり、びっくりするような書き順で文字を書いています。
そんな長男が、ある時
「おかあさんにおてがみをかきたい!」と言って、お気に入りのペンと「自由帳」を持ってきました。
「ほんと?! お母さんに書いてくれるの?」 思わず家事の手を止めて長男の方を見ると、ニコニコしながら後ろ手にペンや紙を隠しました。
「ダメ―! こっちみないで。ないしょでかくからね!」と、そのまま隣室にこもった長男。
子どもからお手紙がもらえる日が来るなんて! と、一人感慨に浸っていると、突然長男のいる隣の部屋から大声が。
息子の質問とは?!
「おかあさん、『お』ってどうやってかくの?」 さすがに「お」の書き方を口頭だけで説明することはできません。隣室に入って見本を描いて見せようとすると、
「はいったらダメ! かみにかいてもってきて!」と長男。
仕方なく別の紙に「お」と書いて手渡すと、
「ありがとう!」とドアをバタン! どうやら、見本を見ながら文字を真似して書いているようです。
それからまたしばらくすると、
「おかあさん、『か』ってどうやって書くの?」今度も同じように、文字を書いた紙を手渡しました。
「『か』はこうだよ」 「ありがとう!」
こんな調子で、長男は手紙に書きたい文字を一言一句、全て私に聞いてくるのです。内緒で書くとは言ってくれていたけれど、短いお手紙だけに、内容は既に全部ネタバレしてしまっています。
初めての手紙にほっこり
それでも時間をたっぷりかけて書いてくれた初めてのお手紙。
「できた!」と手渡された手紙は、これまた手作りの小さな封筒に入っており、ハートのシールで封がしてありました。
「ねえねえ、おかあさん!よんでみて!」 長男に急かされながら手紙を開いてみると、紙いっぱいに書かれた文字が目に飛び込んできました。でも、そこに書かれている文字は、向きも大きさも列もバラバラ。どう読んでいけば良いのか、ちょっと迷ってしまう、まるで暗号文のようなお手紙です(書いてあることは既にわかっているのですが)。
それでも、一文字ずつ確認しながら一生懸命
「おかあさんがだいすき」と書いてくれた初めての手紙。私にとっては世界でたった一つの宝物です。
いつか長男が大人になったら、この手紙をもらって私がどんなに嬉しかったかを伝えたい。それまで、大切に取っておきたいと思っています。
(ファンファン福岡一般ライター)