「学童へ行きたくない」「学童つまらない」とわが子が言い出したらどうしますか?親としては、毎日言ってくれた方が安心だし助かりますよね。しかし、無理やり行かせるのはNGです。今回は、そんな学童へ行きたがらない子への親の対処法やポイントについてご紹介します。
子どもが学童を嫌がる時期
学校は好きなのに、学童にはいきたくないと言うことは実はよくある話なんです。クラスの雰囲気とはまた違う学童ならではの雰囲気に嫌になったり、ある時期を境に行きたくなくなる子が多いとか。
学童を利用する子どもの年齢
学童保育は、原則1年生から6年生までの児童が利用しています。しかし、実際は小学1年から3年の低学年の子ども達が中心。各学童クラブには定員があり、申し込みの際に定員以上の申し込みがあった場合は1年生が優先になるなどのルールも。
さらに高学年になると親がいなくても子どもだけで留守番ができる様になったり、友達と遊ぶ約束をしたり、塾や習い事が放課後の居場所になる子も多いでしょう。そのため、4年生以降は徐々に学童をやめていく子も増えています。
クラス替え後や夏休み中は要注意!
学童は1~6年の子ども達が混合で過ごします。進級して学年が上がり各学年のクラス替えと同時に学童もメンバーがガラっと変わることも。親しかった子と離れてしまったり、クラス担任の指導員の先生が変わったりと環境の変化から行き渋りを起こす子も出てきます。
春は落ち着いて通えていたのに、夏休みに入ると学童へ行きたくないと言い出す子も多いです。夏休みは通常の学童と異なり、朝から夕方まで一日中学童で過ごすこととなり子ども達の心や体も疲れ気味に。トラブルが起こりやすくなったりすることもあり、夏休み中に行き渋りがある子も目立ちます。
夏休みの学童のスケジュール例
8:00 登校 各学童保育室へ
身支度後自由時間
9:00 朝の会 出欠確認
9:15 学習時間
10:15 クラスごとの主活動(外遊び・水遊び・ゲーム等)
12:00 昼食
13:00 自由時間(学習時間に隔てる場合も)
15:00 おやつ
自由時間
17:00 順次下校
夏休みの学童時間は長い子になると10時間ほどになることも。両親の仕事の状況によって異なりますが、この生活が日曜日やお盆以外毎日続くので、一度学童へ行きたくないと思ってしまうと通うのも大変になってしまいます。
学童へ行きたくない理由
小学生が学童へ行きたくないと思うにはきっかけや何か原因となる出来事があります。ただ、このきっかけや原因は一つとは限らずいくつもの要因が重なってから初めて親へ訴えるという子もいます。
私たち親の立場としては、行きたくない子への対処法としてまず、なぜ行きたくないのか、その原因や背景にどんなできごとがあったのかを知ることが大切です。
心身共に疲れる
入学してすぐの1年生や、クラス替えをしたばかりのころは環境も大きく変わり、緊張の連続です。環境に柔軟に対応していく子も多いですが、実は体力的にも精神的にも放課後の学童保育利用は負担になっていることも。
楽しい気持ちはあっても疲れがたまってしまうと行きたくないという気持ちにもなるでしょう。
学童の雰囲気になじめない
人見知りの子や、おとなしい子に多いのが学童の雰囲気になじめなくて行きたくないという場合。異年齢児との関わりの中でなかなか自分の意見を言えなかったりすると、自己表現ができないままストレスを感じてしまう人もいるでしょう。
活発な子も、大人数が決められた時間に決められたことをして遊ぶことが窮屈に感じることもあります。
子どもの性格とクラスの雰囲気が合わない場合は様子をよくみておくとよいですね。
特定の子が苦手・いじわるされる
小学生の子ども達の交友関係は意外と複雑。相性が悪い子も中にはいるでしょうし、どうしても仲良くなれない子とも放課後ずっと過ごさなければならない状況に。
ちょっとやんちゃな子にいじわるされてしまったり、からかわれることがあると学童に行きたくない気持ちがさらに強まってしまいます。
先生が嫌い
小学校に併設されている学童保育は、小学校の教員ではなく学童専門の指導員が子ども達を見守ってくれます。各クラス担当の指導員が決まっており、学校の先生のように勉強を教えたり、トラブルも仲介になってくれることも。
この学童の先生との相性が合わなかったり、苦手な先生がいると思うと毎日学童まで足を運ぶのが嫌になってしまうでしょう。
家にいたい・外で他の友達と遊びたい
学童へ通う子ども達は一人ひとり性格も違って個性もさまざま。集団で過ごすことが大好きな子がいある一方、一人でゆっくりと過ごしたい派、学童へ行っていないお友達と遊ぶ方がいいという子もいます。
学童以外の過ごし方をしたいと思っている場合は、行き渋りがでることが多い傾向に。
上記にあげた理由は単体で存在するわけではなく、いくつかの理由が折り重なっていきたくない!という気持ちが大きくなっている場合もあります。
「行きたくない!」と言われたときに親がとるべき行動は?
学童保育に行きたくないといわれた時は、親はどんな行動をとって子どもにどう声かけをしてあげればよいでしょうか。
子どもの話に耳を傾けよう
まず、学童へ行きたくないと思った原因は何なのかを聞いてみるのがよいでしょう。疲れた・家にいたいという理由なら素直にお話してくれるかもしれませんが、何かトラブルに巻き込まれているような状態ではなかなか話してくれないという場合も。
ストレートに聞くだけでなく、よくでる友達の名前や先生の名前を出して最近の様子をさりげなく聞いてみるのもあり。
子どもが学童に困りごとがある場合
なぜ行きたくないのかが分かったとき、それが学童自体への不満や悩みなら、解決するにはどうすればよいのかを一緒に考えてあげましょう。何かルールや学童の流れについて疑問がある場合は、親から学校や直接学童に問い合わせてみるのもあり。
高学年でつまらなくなった場合
子どもがもし4年生以上と大きかったり、しっかりしている子で学童が物足りなくなってしまったというようなら、一度学童はお休みさせてお家での留守番を経験させるのもよいでしょう。
留守番させる際には、親がいなくてもしていい事・親がいない時にはしてはいけないことを一つひとつ確認して安全な環境を作りサポートすることが大切です。
学童でトラブルが起きたなら指導員に相談
学童のクラス内でケンカやいじめ・トラブルがあった場合は親だけでの解決は難しく、きちんと状況を整理するためにもクラスを受け持つ指導員の先生に相談しましょう。
先生方は子ども達の様子をしっかりとみてくれていますから、ちょっと心配なことやささいなことでも「うちの子どうですか?」「ちょっと心配ごとがあって…」など気軽に話してみてくださいね。
学校での友人関係に問題が起きた場合は学校担任に相談
学校での悩みが原因で学童の方にも影響がでて行きたがらない場合には、学童の先生だけでなくクラスの担任教員にも相談するとよいでしょう。
特に学年が上がると子ども達も成長し友人関係もより複雑化していきます。特に女の子の場合は、けんかやトラブルが長引いてしまう傾向に。学童だけでなく学校を登校拒否になる前にどうにか子どもが安心できる日常へとサポートしていきましょう。
無理やりいかせずに、やめる場合の居場所を考えてみる
学童保育は、親の就労などにより子どもの見守りができない親に代わり放課後の居場所や遊びを提供する保育事業のことであり義務教育ではありません。ゆえに行きたくなければいかなくても問題はありません。
ただ、多くの家庭の場合は学童に預けないと子ども達が放課後一人で留守番することになってしまいますよね。学童以外で安心して安全にすごせる環境を整えたり、放課後の居場所を別に作ってあげるのも一つの解決策。
習い事を増やす
時間やお金にゆとりがあったり、子どもが何か夢中になれるものがある場合には習い事を増やすというのもおすすめ。習い事がある日は学童に行かず塾やスイミングへ行くという子ども達も多いです。好きなことを見つけて熱中する時間もまた貴重なものになるでしょう。
学校や学童とは別の世界で新しい友達が出来たり、さまざまな人と関わる中で知識や技術だけでなく社会性や協調性など多くのことも身に付きます。
家で留守番できるようにする
ある程度年齢が上がったら、兄弟や子どもだけで留守番できるようにしたいところ。そのためには家の防犯対策を強化したり、ルールをきちんと作ること。鍵の持ち歩きが心配な場合は、指紋認証の鍵を取り付けたり、キッズケータイやGPSなどを持ち歩くということもおすすめです。
学童をやめて放課後友人と外で遊ぶ時も、マナーや約束事を守れるように繰り返しお話していき、トラブルに巻き込まれないよう配慮しましょう。
民営の放課後学童事業へ移行する
市町村が運営する学校併設の学童保育が行きたくないという場合には、民営の学童保育事業の方へ移動するという方法も。民営の放課後学童事業は、子どもの居場所を提供するだけでなく英会話や塾などの習い事も一緒にできるところなどそれぞれに特徴があります。
しかし、利用料金は公設の学童よりも高いことが多いため移動したい場合は事前に空き状況や金額など調べておくとよいでしょう。
学童に楽しみを持てるような声掛けもしてみよう
一時的な行き渋りの場合は、何か学童へ楽しみを持てると気分も変わりしばらくすると元気に通い始めるという子も多いです。ちょっと気分が乗らない時や、今日は行きたくないという日は大人だってありますよね。そんな時には、学童で楽しい遊びなどを聞いて家でも一緒にやってみたり、夏休みならお弁当に子どもの好きなものや特別なデザートを入れてあげるなどの工夫をしてみるとよいでしょう。
「今学童で流行っているもの教えて」「今度の休みにはお家でもそれで遊んでみよう!」などなるべく子どもが前向きになれるような声掛けをしてあげるのがポイントです。
子どもにも息抜きの仕方を教えてあげよう
大人は家や職場だけでなく息抜きがしたいときにはカフェへ行ったりスポ―ツジムで汗を流すなど、リフレッシュの方法が沢山ありますが、学童へ行く子ども達は家→学校→学童→家の繰り返し。まだまだ上手な息抜きの仕方もわかりません。時には休んでゆっくりと休ませてあげたり、休日には家族で外へ出かけてさまざまな体験をさせてあげたいですね。
頑張って学童で過ごす子達を沢山褒めてあげてくださいね!