【想像を絶する出産体験】えっ、それ私がするの!? 厳しめ助産師にイラッとした話

娘を出産した時の話です。立ち合い出産を希望していた私は「夫が分娩室に入れるのは赤ちゃんが出てくる直前。病院から呼び出しの電話が来るまでは、病院の駐車場で待機すること」という説明を聞いていました。
ついに出産に向けて入院する日。不安いっぱいの私に、病院の方々は優しく声をかけてくれたのですが、出産の担当になった助産師さんだけは違ったのです!

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出産への焦りと緊張

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 予定日より10日が過ぎても、出産の兆候がなく、ついに入院して子宮を広げる処置を受けることになりました。想定外の入院で不安が顔に出ている私に、看護師さんが
 「大丈夫よ。赤ちゃん、よっぽどお腹の中が心地いいのね!」と声をかけてくれたので、少し安心して処置を受けられたことを覚えています。

 その後、病室で安静にしていると、夕方になってなんとなく鈍い痛みが…。これが陣痛かも!

 看護師さんに伝えると、
 「陣痛ですね。まだ弱いので大丈夫ですが、ご主人に連絡する準備をしておきますね!」と、言ってくれました。

厳しめ助産師との対面

 徐々に痛みが増してきた頃… これから担当になるという助産師さんが来てくれました。小柄でよく通る声とテキパキと働く彼女は、私の様子を確認し、
 「大丈夫そうなのでまたすぐに来ます!」と言って部屋を去って行きます。

 それからすぐに陣痛は激痛に変わり、痛みの間隔も短くなりました。他に誰もいない病室で、ベッドの柵を掴みながら大声を上げて痛みに耐えます。

 「すぐ来る」と言っていた助産師さんが次にやってきたのは、部屋を去ってから1時間以上も経ってから。

 陣痛がほとんど間隔なく襲ってきていると伝えると、彼女は
 「そろそろご主人に、電話で病院の駐車場まで来るように伝えて! またすぐに来ますね」
と言ってまた部屋を去っていきました。

 え… ?
 あらかじめ病院に夫の電話番号を伝えていたので、きっと病院から夫に電話してくれるものと思い込んでいたので困惑しましたが、何とか短い痛みの合間に夫に電話をしました。

全然“すぐ”じゃない!

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 そして次に助産師さんがやってきたのは、また1時間後! 絶え間ない激痛の中、言葉にならない声を上げながら
 「全然『すぐ』じゃない!」と叫びたくなりました。(笑)

 ようやく分娩室へ移動することになりましたが、移動の途中も
 「あまり声を出さない!」
 「そんなにハアハア言わないで。深い呼吸は良くない」と無表情で淡々と注意する助産師さん…。

 えっ、厳しくない?!
 話すときに敬語を使ってくれなくなっていることも、この時はとても冷たく感じました。

怒りも痛みも乗り越えて、遂に出産

 分娩室に移って数時間。痛みは内側から体を裂かれそうなほどで、つい大声を上げてしまうと
 「大声出すと赤ちゃんが苦しいよ」
と冷静に言い放たれます。わかっていても自分でコントロールできる状態じゃないのに…。と悲しい気持ちになっていると、助産師さんから耳を疑う言葉が!

 「じゃあそろそろ、電話でご主人を分娩室に呼んでね!」

 … えぇっ!?
 私、寒気はすごいし、手足はガクガク、頭はクラクラ、目はチカチカですが…。そんな状態でも私が電話するのですか?!

 なんて反論できる余裕もなく震える手でスマホを操作し、
 「早く! 分娩室! 来て!!」と、痛みのあまり強めの口調で夫を呼び出したのでした。

 そこから約5時間。私は断末魔のように叫び続け、ようやく娘が誕生しました。
 「赤ちゃん生きてる! 私、人間産んだーー!」言葉にはなりませんでしたが、心の中で叫びました。

 夫も先生も笑顔で
 「おめでとう!」
 「お疲れ様!」と声をかけてくれましたが、いつの間にか交代の時間を過ぎていたのでしょう。そこに厳しめ助産師さんの姿はありませんでした。

 もし、あの場に彼女がいたら笑顔で声をかけてくれていたのか… 見てみたかったような気がします。

出産が素敵な思い出になるように

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 出産から数カ月。今では出産時の壮絶な痛みは思い出せませんが、厳しめ助産師さんのことは思い出します。今では笑い話ですが、少し苦い思い出として。

 どんなに辛いお産だったとしても、わが子が誕生する感動には敵いません。今出産を控えている皆さんにとっても、それぞれの出産が素敵な思い出として心に残ることを祈っています。
 
(ファンファン福岡公式ライター / おーさと)

※この記事内容は公開日時点での情報です。

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