運動会は半日開催が当たり前? 子どもたち、学校、親の本音は

新型コロナウイルスが拡がる前、運動会は一日行われるものとして当たり前でした。しかし、マスクが解禁され感染症に対して規制が緩くなったにもかかわらず運動会の開催は半日のまま。元に戻せないのか、元に戻す必要がないのか、元に戻したくないのか? 子どもたち、学校、親の本音などです。

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熱中症になりやすくなった現代

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 新型コロナウイルスが「5類感染症」に指定が変わり、いろんなイベントが開催されやすくなりました。ある程度の感染対策をしながら各学校では行事が行われていますが、それでも運動会が一日開催に戻されているところは少ないままです。
 それにはいくつかの理由があるようです。

 今の40〜50代が子どもの頃の最高気温を思い出してみると、真夏でも外で遊んでいてもすぐ倒れるような温度ではありませんでしたし、30℃を超えは滅多にないことでした。

 ところが今は夏に30℃超えは当たり前ですし、少しでも油断すれば大人でも熱中症になります。気温が体温のような温度になることも増えました。

 大人たちが子どもの頃の感覚で今の運動会を考えてしまうと、熱中症による死の危険さえあります。季節をずらして計画しても地域によっては暑い季節が長いため、学校の都合と合わせにくいこともネックになっています。

子どもたちの本音は?

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 子どもたちといえば長い運動会よりは短い運動会を喜んでいるようです。
 「半日で充分だって。マジで暑いし! それに半日で帰って月曜は代休って最高!」もはや理由は後半の方な気がしますが…。

 制限されていた行事ができるようになって喜んでいる一方、運動会は暑い中しんどくて面倒というのが半日でよい理由のようです。

 親御さんにとっては子どもの晴れ舞台の運動会ですが、観覧した翌日は大人でも体調管理に注意する必要があったりします。コロナで体力が落ちたのは子どもたちばかりではないのです。PTAの中には
 「子どもの見せ場がしっかりあれば半日開催の方が親も先生も楽なんじゃない?」と運動会の後で話している人もいました。

 また、仕事の都合で半日なら様子を見に行けるというような事情を抱えている家庭に配慮してもいます。

盛り上がるプログラムを考えている

 先生たちも子どもたちに負担がかからないように盛り上げながらも、半日で済むようなプログラムを考えています。

 例えば、学年別だった徒競走と学年リレーです。これを団ごと、学年ごとの全員参加のリレー形式徒競走にすると、一気にプログラム項目が減らせます。

 ダンスの項目も団ごとに複数の学年がまとまって披露することで、ダイナミックに魅せつつプログラム数を減らせるのです。

 学校によって考えられているプログラムは様々ですが、そのどれもが半日でも盛り上がるように考えられています。

都会と地方では元々運動会の様子が違う?

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 運動会はお昼になったら運動場でたくさんの家族が簡易テントやシートを広げてお弁当を食べる、と言われたら、あなたは違和感がありますか?

 実はこれ、私たち夫婦にあった地域別ギャップです。私と主人の出身地は西日本と東日本かつ都会と田舎で地域別ギャップがありました。
 「え? お弁当皆で食べないの?」
 「食べられないよ。運動場に何家族が座ると思うの? 無理無理」
 「なんで? お昼は?」
 「だから狭いんだって。別々だよ」

 都会などの運動場の広さが限られてしまう地域では親は一度お昼には帰ってしまい、子ども達は教室でお弁当を食べていたそうなのです。

 つまり半日しかない運動会に変化を感じたのは、運動場でお弁当を広げて過ごしていた方だったのです。これは驚きました。そのため、皆で座って食べるお弁当に思い入れがないと、半日の運動会になってもあまりショックを受けることはなかったようです。

 今後、運動会は半日開催で固定されていくのではないでしょうか。開催には配慮すべき点がたくさんありますが、一番大事なことは、柔軟に対応しつつ子どもたちにとって楽しい運動会が開催できることではないでしょうか。

(ファンファン福岡公式ライター/musukari)

※この記事内容は公開日時点での情報です。

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