自閉症の息子が小学校へ入学する際に、親として一番心配したのは「通常学級に通えるかどうか」ということです。区の就学相談で、普通級と支援級の利用を勧められましたが、支援級はまだまだ偏見がつきもの。そこで小学校に面談を申し込んだところ、神対応だったのです!
発達障害が発覚、就学までの流れとは?
現在9歳の息子は、幼稚園年長の頃に自閉症だと分かり、小学校入学を控えて区の就学相談を受けました。私の住む自治体では、子どもの障害による困りごとや就学以降の心配ごとを親と専門員で話し合い、専門員が子どもの保育先へ出張して活動を観察します。その結果を踏まえて、子どもに適した学校や級を教えてくれる流れとなっています。
息子はその結果、普通級+支援級利用が望ましいというアドバイスを受けました。支援級は「通級」とも呼ばれ、通常は普通クラスに在籍し、月に何度か別室、または別の施設で障害の特性に合わせた内容の指導や訓練を受けるために通う教室のことです。
最近では発達障害の認知も進んできているものの、支援級への偏見はまだまだ拭えないもの…。支援級を利用することで逆にいじめの対象になるのではないか、私はそれを心配していました。
先輩ママに相談したら懸念をあっさり一蹴! そして…
そのことを同じ小学校の先輩ママに相談してみることにしました。すると、
「通級利用の子、結構いるわよ! もし心配なら、校長先生に相談してみたら? 学校に電話して、『来春そちらに入学予定なんですけど通級利用に悩んでいるので、教室を見学したり指導内容などどんなものかお話を伺いたいです』って言えばいいのよ~!」と、あっさり…。
校長先生に電話して相談するという発想に、ただただ私は驚きましたが、学校に電話をかけてみたることにしたのです。
校長の発達障害への認知と理解、そして神対応とは?
校長先生へ電話した結果、これまたあっさり面談日が確定。当日は校長先生と通級の先生の数名で出迎えてくださいました。
そして開口一番
「うちの学校は拠点校なんですよ。拠点校とは学校内に通級の指導室があって、区内の各学校に出張する先生方が在籍する学校のことです。ですので、うちは通級の指導室にもこだわりがあって…」等々、それはそれは熱く「いかにわが校が発達障害に理解があり、通級指導に力を入れているか」を熱弁してくださいました。
「通級を利用すると児童の皆さん『すっごく楽しい!』と言いますが、もしお子さんが合わなくてイヤなら辞めてもいいんですよ。大事なのは通級利用するかどうかでなく、学校生活が楽しいかどうかです。私たちはみんなでサポートして行きますので安心なさってください!」
ここで私は校長先生の「サポートする」というお言葉に思わずウルッ…。多忙の中、たった1家族のために都合をつけて面談対応してくれた学校。その温かい言葉と対応は、就学を控えて不安な私の心をとても落ち着けてくれたのでした。
そして始まった通級指導 その結果は?
最初は「なぜ1人だけ別室へ?」と子どもも周囲も戸惑いがあったようですが、すぐに慣れた様子でした。そして校長先生の予告通り
「通級すっごく楽しい!」とのこと。
集団生活に苦手感があり団体行動が得意でない息子ですが、通級の先生をはじめ、たまに校長先生までクラスに訪れてサポートしてくださっているようです。まさに神対応! な学校に、あの時思い切って相談してよかったと、ただただ親子で感謝する毎日です。
(ファンファン福岡公式ライター/Amy)