視力検査と言えば、輪の一箇所が切れた「ランドルト環」を使い、切れ目の方向を指で示す方法が良く知られています。でも、小児に対しては、代わりに絵が描いてあるカードを見せて検査を行うこともあるようです。先日、始めて絵カードによる視力検査を受けた次男。全力で検査に取り組んだ結果はいかに?
初めての視力検査
3歳になるわが家の次男は、先日、初めての視力検査を受けました。 視力検査と言えば、輪の一箇所が切れた「ランドルト環」の切れ目の方向を指で示す方法が一般的。ですが、このやり方は3歳の次男にとってはまだちょっと難しすぎます。
「ちょっと待っててね」 そう言うと、検査を担当してくれた技士さんは、小さい子どもの視力検査用のカードを持ってきてくれました。
「これ、何か分かる?」 技士さんの手には、何枚ものカードがあり、そこにはシルエットでイラストが描かれていました。 次男はカードを見ながら、
「鳥」
「ちょうちょ」などと、順調に答えていきます。
「よーし! じゃあ、今度は遠くでこのカードを見せるから、同じように答えてね!」 技士さんはカードを持ったまま、ずんずんと後ろに離れていきます。
次男が受けた検査は、およそ3m離して提示された絵カードを見せ、カードに描かれたものの名前を当てるというものでした。カードの絵は徐々に小さくなっていき、絵をどこまで判別できたかによっておおよその視力を測定するのです。
まずはシルエットが大きく描かれたカードから検査を開始。
「これは?」
「おっきい蝶」
「じゃあこれは?」
「普通のお魚」
本来、大きさは答える必要はないのですが、丁寧に一つずつ答えていく次男。
「ちっちゃいお魚」
「あははー、大きさまできちんと教えてくれてありがとうね~!」 私も技士さんも思わず笑顔。
たまたま隣で検査の順番を待っていた年配の女性も、
「おりこうね~」とニコニコしています。
「じゃあ、これはどうかな?」
次に提示されたのは、鳥のシルエット。
「ハト」
「そうだね、ハト。鳥さんだね。じゃあ、これは?」
続いて提示されたのは、先ほどよりも少し小さな鳥が描かれたカード。
「スズメ」
カードに描かれている鳥の絵は、あくまでもシルエット。見ようによっては、ハトにもスズメにも見えてしまいます。
「ス、スズメね…。鳥で合ってるもんね…」
一応、「鳥」として判別はできているので、正答とみなされるようなのですが、技士さんも次男の自由な回答に少々戸惑い気味。
そして、検査で最後のカードを見せられると、次男は
「分かったよ!」と自信満々に答えました。
「カラス、でしょう?! だって、これは黒い鳥だから!」
検査用のカードに描かれた無機質なイラストから、めいっぱい想像力を膨らませて応える次男。これには、その場に居合わせた全員が笑いを誘われてしまいました。
初めての視力検査で、持てる力を全て出し切った次男は
「楽しかったねぇ」と大満足。 この検査の様子は、検査結果の説明を行う医師にも伝わっていたようで、
「君、かなりのサービス精神で答えてくれたみたいだねー。すごいねー」と褒めてもらい、次男はますます上機嫌に。視力自体も特に問題はなかったとのことで一安心だったのですが、帰宅してからも
「またやりたい!」と、次男。
いつかまた次男が検査を受ける時は、今以上に回答にアレンジを加えてきそうな気がしてならない母なのでした。