発足65周年を迎える吉本新喜劇が今年も博多座(福岡市博多区)に登場。2022年に初お目見えし、3度目の博多座公演となる「吉本新喜劇65周年記念ツアー」を8月7日(水)、8日(木)に開催します。約2年半前に吉本新喜劇のゼネラルマネジャー(GM)に就任し、後進育成にも尽力している間寛平さんが6月中旬、同劇場で開かれた記者取材会に出席。本公演の見どころや福岡の人の印象などを話し、会場内は終始笑いに包まれました。
誰が見ても、途中から見ても分かりやすいんが新喜劇
―3年連続の博多座公演。前回までで印象に残っていることは?
間寛平(以下寛平) とにかくお客さんがすごく優しい。すごく盛り上げてくれるから、自分も盛り上げなあかんな思う。どんどんテンション上げてくれますから。なんで福岡の人はそんなに優しいんやろ。引退するときは、博多座で歌舞伎をやって終わりたいと思うてます(笑)。
―65周年を迎えた吉本新喜劇。愛され続けている理由は何でしょうか。
寛平 吉本新喜劇は庶民のもんです。とりあえず(本拠地の)大阪のおっちゃん、おばちゃん、子どもに愛されないとだめですよね。僕が子どものときは(近所の)おっちゃんから「悪いことしたら、吉本にいれるぞ」と言われてたような存在。なんで、あのおっちゃんが言うてたんやろ(笑)。僕らの頃は高校か中学を卒業して吉本に入ってたけど、今は大学出が多いんです。最近の若い子は「笑いをつくっていく」て。すごいなと思うし、時代も変わってきたなと。新喜劇も変わってきてるけど、誰が見ても、途中から入って見ても分かりやすいのは変わらない。そういうことと思います。
―GMになって積み上げたことは。
寛平 「落語家や漫才師には劇場があるのに、新喜劇にはなんで劇場がないの?」と(吉本興業の)社長に訴えて、吉本新喜劇セカンドシアターを(大阪市の)なんばグランド花月(NGK)の地下につくってもらいました。そこで若い子にどんどんやらせてたら、それまで全くしゃべれなかった子がしゃべれるようになってきたから良かったなと。新喜劇の座員はいわば雑草で、いろんな所から出てくるわけです。それを上のもんに押さえつけられて、何もできない子らがいたので、その子らに「言われてへこんでたらあかん。怒られても、思い切りやっていけ」と言うて僕はやらせてます。だから、若い子が生き生きした顔になってきた。
―吉本新喜劇の若い人たちにどうなってほしいですか。
寛平 人のことを悪く言わない、人の足を引っ張ったりしない。笑いよりも、まずそういうことから教えてます。もう大人やから、なかなか難しいんですけど、してると聞いたら、直接本人に「やめなさい」と言うてます。
さらにパワーアップして、また思い切り暴れます
―前回に続いて出演の辻本茂雄さんと島田珠代さんに加え、山田花子さんと川畑泰史さんが博多座初登場。どんな新喜劇になりそうですか。
寛平 これまでは“笑い、笑い”やったんですけど、今回は“涙、涙”。もう号泣…そういう新喜劇です。もう笑いゼロ。
―笑いゼロ…このメンバーで?
寛平 うそに決まってるやん(笑)。でもまあ、今回はこれまでともちょっと違う、“芝居”にも力を入れた新喜劇にします。後半はもう涙、涙(笑)。
―爆笑ネタコーナーもオール阪神・巨人さん、ジャルジャルさん、こがけんさん、ザ・パンチさんほか豪華な顔ぶれですね。
寛平 みんな売れっ子で、よしもと祇園花月(京都市)やNGKの劇場が離したくないというメンバーです。でも、今回は「寛平さんのためなら、喜んで博多に行かせてもらいます」言うて、来てくれることになりました。みんな、博多座で漫才ができるのを楽しみにしてくれています。
―博多座公演に向けての意気込みを。
寛平 初めて新喜劇を見た人も感動してくれますので、とにかく見てもろたらよう分かると思います。博多座に3年続けて見に来てくれるお客さんにも楽しんでもらえるよう、さらにパワーアップして「これが新喜劇や!」というのをやりたいと思います。今年もまた思い切り暴れますよ!
「吉本新喜劇65周年記念ツアー」博多座公演
日時:8月7日(水) 昼の部 12:00開演 夜の部 16:30開演
8日(木) 昼の部 11:00開演 夜の部 15:30開演
場所:博多座(福岡市博多区下川端町2-1)
料金:A席(1、2階)8,000円、B席(3階)5,500円 ※税込み
◎完売につき現在は補助席を発売中。博多座オンラインチケットで7月31日(水)までの先着販売
問い合わせ:博多座電話予約センター
電話:092-263-5555(10:00~17:00)