人見知りだった私に声をかけてくれたAさんからママ友会にお呼ばれ! 楽しい時間になるはずが、 1分で浮いてしまった私!そんな苦い思い出をお話します。
初めのママ友会
今から14年ほど前のこと。元気な3歳の長男と1歳の次男を家で見ることが大変で、よく近所の児童館に遊びに行っていました。人見知りだった私に声をかけてくれたのは、Aさん。
7つ年上ですらっと背が高く、ショートカットが似合う大人な女性でした。お互い男の子ママだったため話が合い、仲良くなりました。そんなとき、Aさんに
「うちでママ友会しない?」と誘われたのです。
私とAさんの他に、近所のBさんとCさんという方たちも誘って、大人4人と子どもたちでママ友会をしようとのことでした。
AさんとBさんは元々仲良し。Cさんは最近知り合った方だそう。初めてのお誘いに緊張しながらも、Aさんが素敵な人だから、他の方たちもいい人だろうと勇気を出して参加することに。
悩んだ手土産
よその家にお邪魔するときに悩んでしまうのは手土産です。3歳の子どもが4人、1歳と2歳が1人ずつということで、市販のクッキーやおせんべい、大人も食べられるようなマドレーヌ、炭酸の入っていないジュースを数本。ベビーせんべいも用意しました。
食べさせていない家庭があったら… と気を遣い、チョコレートは買いませんでした。これで大丈夫だよね…? と悩みつつ当日を迎えました。
待ち合わせ時間ちょうどに伺うと、家の前にはBさんとCさんもいて、丁度いいタイミング。
「はじめまして!」とあいさつをしつつ、Aさんに迎えられて家の中へ。
すると、Bさんが言います。
「これ! ケーキ焼いてきた! この前教えてもらったオーガニック野菜ジュースを入れて作ったの! 砂糖不使用なのに野菜の甘みで美味しいの。あとでみんなで食べようー!」
「気を遣わなくていいのに~ありがとうね!」そう言ってAさんは受け取りました。
オーガニック野菜ジュース入りの手作りケーキ…!
意識低い系の私にとってはパワーワード! Bさんはすごいママだなぁと感心しました。
オーガニック系女子…?
続いてCさんが言います。
「私はね、これ! 無農薬野菜で作ったスムージーなの。息子は野菜嫌いなんだけど、これなら飲むんだよね。あと、オーガニックマフィン。お口に合うといいんだけど」
えっ、Cさんもオーガニック…!? 驚いていると、Aさんが言います。
「ありがとう! この前話したフェアトレードコーヒー豆、届いたからみんなで飲もう!」
あっ私、手土産間違えたな… サーッと血の気が引いていきます。でも、既に両手に持っている手土産は、隠せません。オーガニックも取り入れているけど、オーガニックじゃない一般的なものも大丈夫な人だといいな… と最後の期待を込め、勇気を振り絞って言いました。
「あのっ、私もジュースとかお菓子持ってきたんですけど、よかったら! 手作りじゃないんですけど…」どんどん声が小さくなるのを感じながら、Aさんに渡しました。
「あっ、ありがとう!」少し苦笑いに見えたAさんが受け取りました。初対面のBさんCさんの目は、少し冷たく感じてしまいました。
気まずいママ友会
ママ友会では、子どもたちの日常の話と共に時折出てくる健康の話、そしてオーガニック製品の話。
健康に気を遣っていて偉いなと感じつつも、ある程度しか気にしていない私は会話に参加できず、相槌を打つのが精一杯。居心地がよくない空間でした。
そして、オーガニック思考のママ友たちにとって、私が持ってきた手土産は受け入れられないものだったようで、市販のお菓子やジュースは最後までテーブルに出してもらえませんでした。
到着1分で浮き、気まずい空気になってしまったママ友会。BさんCさんとは連絡先を交換することはなく、Aさんとも疎遠に。残念でしたが、あきらかに価値観が違かったので、無理しなくてよかったなと感じました。
その後、幼稚園でできたママ友を家に呼んだ際、手土産に市販のジュースやお菓子をたくさん持ってきてくれ、とてもホッとしたのを覚えています(笑)
そしてそんなママ友とは、育児の方針や叱るタイミングも似ていて、一緒にいて心地よかったです。人間関係、“価値観”が同じって大事ですね!
(ファンファン福岡公式ライター/さとう なつこ)