収穫されたばかりの九州産の新麦で作ったパンで新麦を味わおう! 九州で小麦が収穫されるのは、全国で最も早い6月初旬から。その新麦が解禁されるのも九州が一番乗りで、8月10日です。そこで、小麦の収穫を祝って福岡、山口、熊本県の人気ベーカリー9店が、麦の形をしたパン「新麦の穂」を一斉発売します。8月7日、福岡市中央区の「パンストック天神店」で記者発表会が開かれ、参加店舗のシェフ、製粉会社、小麦の生産者が集結。それぞれのパンを披露しました。
パンストック天神店に生産者、製粉会社、ベーカリーが集合
九州は北海道に次ぐ小麦の大生産地。九州特有の品種「ミノミノカオリ」「チクゴイズミ」は、この地ならではの香り、甘み、食感を有しています。そんな九州の小麦のおいしさをいち早く知ることができるのが、新麦解禁のこの時期。九州の新麦解禁日は8月10日です。
収穫されたばかりの小麦を速やかに製粉し、みんなで収穫のお祝いをしようという、このプロジェクトを実施するのは、全国の小麦生産者、製粉会社、流通業者、飲食店、小麦に関わる職人などで展開するNPO法人新麦コレクション。「新麦とは一期一会。毎年味わいが違い、だからこそ作り手の個性が出ます。パンを通して地域の麦に興味を持ってもらうきっかけになれば」と主宰者の池田浩明さんは話します。
熊本県で小麦を有機栽培する東博己さんは「3、4月に長雨が続いて収量が激減してしまいました。今年はパン店に最後まで供給できるのか…。自然の厳しさを痛感する年ではありましたが、職人さんが作った新麦のパンを皆さんに喜んで食べていただきたいです」と今年の状況を説明します。
「ミナミノカオリ」「チクゴイズミ」という品種を扱う大陽製粉(福岡市中央区)の竹内直樹さんも「今年は大雨の影響で予想より収穫ができず、いい小麦を選んで手配することに苦労しました」と振り返りました。
9店舗が考えたそれぞれの「新麦の穂」を食べ比べ
昨年までは、参加店は新麦を使ってそれぞれ自由にパンを作っていましたが、今年は麦の穂の形をしたパン(エピ)が共通のお題に提示されました。全店が「新麦の穂」という名前のパンを8月10日から発売します。
新麦コレクションの九州支部長を務める「パンストック」(福岡市東区)の平山哲生さんは「新麦の季節に味わってもらうことで、麦の味というのを意識してもらえたらうれしいです。小麦そのものの味を生かしたシンプルなパンもあれば、ほかの食材と組み合わせてアレンジの楽しさを表現したパン、それぞれ工夫しているので、ぜひ食べ比べてみてください」と呼びかけました。
「マツパン」(福岡市中央区)の松岡裕嗣さんは2種類を考案。「大きいサイズのほうは有機ミナミノカオリを使いました。成形しているときから、うまそうだなあとテンションが上がりました。もう一方はエピの形をしていますがベーグル。熊本製粉のもち小麦を80%、大陽製粉のチクゴイズミを20%使用。中にはマカデミアナッツを入れ、楽しく作りました!」と紹介しました。
「ブルージャム」(福岡市西区)の櫻井広基さんは太陽製粉の「みなみの新麦」で作ったエピパンを手に「店の自家製ベーコンを入れ、香ばしさを出すためにタマネギとユズごしょうも。生地はしっとりしていますよ」と説明します。
8月10日から各店舗で「新麦の穂」の販売をスタート。貴重な新麦で作るので数量制限があります。個数や販売日数などは店舗によって違うので店頭で尋ねてみてください。数店巡って個性を比べてみるのもいいですね♪
■九州地区参加店
パンストック(福岡市東区)/ブルージャム(福岡市早良区)/マツパン(福岡市中央区)/モロパン(福岡市南区)/ラ ブーランジェリー ド ハリヤマ(北九州市若松区)/ポイス(山口県下関市)
/ポンパン(福岡県若宮市)/コスギリゾート(熊本県阿蘇市)
■8月10日に解禁される九州産新麦
大陽製粉「みなみの新麦」「新麦チクゴイズミ」/ろのわ「有機ミナミノカオリ」/熊本製粉「新麦 みなみの恵」「もち小麦 紅」/田中製粉「九州産強力粉」