子どもが虫を追いかけて虫捕りをすることはよくありますよね。3歳になったばかりの息子も虫を捕まえることはできなくても追いかけるのは大好き。そんな息子におきた衝撃の出来事。目の前でバッタがクモの巣に引っかかってしまったのです。
バッタは強い!と思っていた息子
もともと虫が怖かった息子。私も好きではないのでその影響からなのか、虫には興味がないしセミやバッタなど捕ってみせても
「イヤー」と大きな声をあげて逃げまくっていました。そんな息子が2歳半くらいから虫を怖がらなくなりました。
触ることはできませんがバッタを見たら
「バッタ!!」とバッタを追いかけたり、カマキリを必死で触ってみようとしたり… 虫に興味をもち始めました。
虫に興味をもった息子に義母がバッタの絵本を買ってくれました。
絵本の内容は、ビクビクしながら生きていくのがイヤになったバッタがヘビをへこませ、カマキリをばらばらにして、クモの巣とクモをめちゃめちゃにしてとんでいくというもの。
このバッタが自分を食べようとする敵を倒していくシーンが、強いものが好きな息子は大好きでした。そのため、現実の世界でもバッタは強いのだと思っていたのです。
小さい赤ちゃんバッタを発見
バッタの絵本を買ってから毎日バッタの絵本を選んで
「よんで~」と笑顔でもってくる息子。公園に行けばバッタを探していました。そんな日々も一旦終わりを告げます。バッタのシーズンではなくなったらバッタは見つかりません。バッタへの興味もどんどんなくなっていきました。
息子が3歳になり春なると、虫のシーズンがやってきました。チョウチョをみつけたら追いかけ、トンボをみつけても追いかけ、とても忙しい息子。
そんな中、草のしげみでピョンっとなにか跳ねるものを見つけました。
「なにか、はねてる~!」と大きい声で教えてくれた息子。私も見てみるととても小さい赤ちゃんバッタのようでした。
「赤ちゃんバッタかな?」と息子に問いかけてみると
「赤ちゃんバッタだね」ととてもニコニコして嬉しそう。赤ちゃんバッタが跳んでいくほうに息子もついていく。3回目くらいでしょうか。赤ちゃんバッタが跳んだ先にクモの巣が。
クモの巣に引っかかった
赤ちゃんバッタはクモの巣に引っかかってしまったのです。クモの巣から逃げだしたいのか必死に動こうとする赤ちゃんバッタ。クモの巣がぶらぶらゆれています。
「つかまっちゃったね」と悲しそうな息子。
「どうしよう。助けてあげなくちゃ」とオロオロしながらクモの巣に手を伸ばしてはひっこめる。
「さわるの、こわい」とビクビクしていました。
そんなことをしていたら、どこからかクモが出てきました。息子もクモが出てきたことに気がつき
「クモだ!」と叫んで興味津々でみています。
クモはクモの巣の真ん中に引っかかっている赤ちゃんバッタに近づきます。赤ちゃんバッタに到着した瞬間… パク!! 赤ちゃんバッタは食べられてしまいました。食べたらまた戻って隠れにいったクモ。私も人生で初めてみた、クモがバッタを食べる瞬間に衝撃を受けました。
これが虫の世界
食べられてしまったことに衝撃を受けた息子。私のほうをみて
「食べられちゃった~!」と大きな声で泣きます。普段あまり泣かない息子がとても大きい声で泣いたことに私もビックリ。
息子を抱きしめて
「これが虫さんの世界だからね。虫さんも虫さんを食べて生きてるんだよ」とよしよししながら説明します。
「ぼくがね、助けてあげられなかったんだよ。ぼくがクモの巣からとってあげたら良かったのに」と悲しい表情をする息子。
「でも、そんなことしたら息子君がクモに食べられたかもしれへんで」と冗談で言ったら
「それはダメだ」と真剣な表情で答えました。
この出来事から、公園に行くたびクモの巣を探して虫が捕まっていないか探し回る日々が続きました。本人としては正義のヒーローになったような気分だったのかもしれません。しかし、クモも虫を食べないと生きていけないのです。
仕方ないことだとしても、3歳の息子にとって、強い生物と思っていたバッタが目の前で簡単にクモから食べられてしまったことは、かなりの衝撃だったようです。私自身も驚き、改めて虫の世界も弱肉強食なんだと思い知らされました。
(ファンファン福岡公式ライター/ししへび)