【世界初】博多区のTHEATER 010で初演! ダンスと彫刻を融合したパフォーマンスアート「MIRAGE [transitory]」~10/6

 世界で活躍するベルギ-/フランスの振付家ダミアン・ジャレさんと京都を拠点に国内外で活動する彫刻家の名和晃平さんがコラボレーションしたパフォーマンスアートの最新作「MIRAGE [transitory](ミラージュ[トランジトリー])」。福岡市博多区の複合施設「010 BUILDING(ゼロテン ビルディング)」内のイマーシブ(没入・体験型)シアター「THEATER 010(シアター ゼロテン)」で世界に先駆け9月27日に開幕しました(主催:Zero-Ten)。26日にはメディア向けに最終リハーサルが公開され、終演後に取材も実施されました。ジャレさん、舞台美術の名和さん、音楽を担当したトーマ・バンガルテルさんが公演に向けての思いを語りました。

目次

「観客との距離が近い空間でのパフォーマンスは新たな経験」ダミアン・ジャレさん

撮影: Yoshikazu Inoue 提供:Sandwich

 日本の歴史や文化に関心を持つジャレさんと名和さんの出会いは2013年。愛知県で開催された国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2013」で名和さんの作品にジャレさんが共鳴し、約10年にわたりパフォーマンスアートを共同制作しています。これまでに死と再生がテーマの「VESSEL(ヴェッセル)」、霧を用いた「Mist(ミスト)」、荒涼とした環境下をさまよう者たちを描く「Planet[wanderer](プラネット[ワンダラー])」を発表。この3部作に続く「MIRAGE[transitory]」は、「Planet [wanderer]」 で描かれた荒涼とした環境の中をさまよう人々(ダンサー)の姿を通して、生命の変容が表現されます。

「センターステージを造るなど空間をこの作品仕様にしました」と名和晃平さん

 本作をTHEATER 010で初演するのは、シアターを所有する福岡市の「Zero-Ten(ゼロテン)」オーナー、榎本二郎さんと名和さんとの出会いがきっかけ。「この特異な雰囲気のある空間で、どんな表現ができるのかを約1年かけて準備しました。このシアターの特徴である狭さと高さをどう生かすかを考えました。うまくいったと思います」と名和さんは話します。

「こんなに親密感のある近さで披露するのは初めて」とダミアン・ジャレさん

 ダンサーの振付を手がけたジャレさんは「さまざまな方法や視点でダンサーの対立や融合を取り入れ、現代の世相を反映しながら、われわれ人間が何者であるのか、そして生命の変容を表現した」と説明。最終リハーサルを終えて「居住を共にするなど、チームと長い時間やエネルギーを注ぎ込んで緻密に考案・構築してきたものが自分の手を離れ、ダンサーの力によって魂が吹き込まれたステージとして立ち上がる様子に感動を覚えます。観客との距離がとても近い、この親密感のある空間でのパフォーマンスは全く新しい経験です」と笑みを見せます。

「観客が参加することでさらなる融合が生まれる」とトーマ・バンガルテルさん

 ジャレさんとのコラボは2回目のバンガルテルさん。「さまざまな意味で実験ができるプロジェクト型の作品の構成、制作が大好きです。ダミアンと晃平の独特なアート構成、ダンスと彫刻を融合させることで表現の限界を超えていこうとする精神に賛同して参加しました。現代はバーチャルな表現に席巻されつつありますが、身体的・物質的なリアリティーを重視した私たちのパフォーマンスのアプローチを通じて、この限られた空間内で観客と交流できることに興味と感動を覚えています」と手応えを語りました。

「博多祇園山笠の造形の迫力や祭りのエネルギーを参考にした」(名和晃平さん)

撮影: Yoshikazu Inoue 提供:Sandwich

 この作品には2004年の初来日以来、何度も日本を訪れているジャレさんの日本への思いが投影されています。「日本では日常の中にさまざまなお祝いや儀式が組み込まれ、きっちりと励行されている。私たちのパフォーマンスも現代の儀式だと捉えています」とジャレさん。名和さんは「欧州のバックグラウンドを持っている彼の興味と、京都で彫刻を制作してきた僕の視点とが重なる点があって、そこが表現ににじみ出ているのではないかと思います。本作は特に博多でやる意味を考え、明治初期に高くなりすぎて禁止されたという博多祇園山笠の造形のすさまじさ、祭りのエネルギーを参考にしようと思いました。(終盤の)垂直にダンサーが高くなって動くというトーテムの演出は、山笠からインスピレーションを受けています」と明かしました。

撮影: Yoshikazu Inoue 提供:Sandwich

 ギリシャ、米国、オランダ、中国、日本と世界で活躍するダンサー8人が繰り広げる約70分のステージ。何もまとってないかのような衣装のダンサーはまるで彫刻のようにも見え、明滅する光や水の中で肉体が動植物のように変容する姿に思わず引き込まれます。世界初公開で10月6日(日)までの期間限定公演、非日常空間での芸術体験をぜひ。

THEATER 010での公演は10月6日(日)まで。次はスイスで上演される予定

公演期間限定のカクテルやコースメニューも

本作を鑑賞した人がオーダーできるオリジナルカクテル「Flow(フロウ)」  提供:BAR 010

 本作を鑑賞した人には、010 BUILDING内のバーとレストランで提供される公演期間限定のオリジナルメニューがあるのもお楽しみの一つ。

MIRAGE [transitory]をイメージした特別なカクテル
 今作をイメージしたオリジナルのカクテル「Flow(フロウ)」が2階の「BAR 010」で味わえます。レモンジンをベースに白ワインなどで作り、ちょっぴりスイートな味わい。ジンを注ぎ終わった後は本作にちなんだ仕掛けもあって、目でも楽しめるカクテルです。1,065円(税込み)
 提供は10月6日(日)まで。※10 月3 日(木)除く
 入店時MIRAGE[transitory]チケット(紙・電子)の提示でチャージフリー。1ドリンクオーダー制。

「GohGan(ゴウガン)」のシグネチャーメニュー「スパイシークラブカレー」  提供:GohGan

“新感覚アジアンフレンチ”を気軽に楽しめるショートコース 
 1階のレストラン「GohGan(ゴウガン)」で、新感覚アジアンフレンチを気軽に楽しめるショートコースを提供。同店看板メニューのスパイシークラブカレーやセビーチェ、本作をイメージした小菓子「MIRAGE」など全6品。5,000円(税・サービス料込み)。
 提供は10 月6 日(日)まで ※10 月4 日(金)除く
 MIRAGE[transitory]を鑑賞した人限定価格 ※要事前予約

MIRAGE[transitory](ミラージュ [トランジトリー])

日時:9月27日(金) 19:00開演(18:30開場)
     28日(土) 14:00開演(13:30開場)/19:00開演(18:30開場)
     29日(日) 14:00開演(13:30開場)/19:00開演(18:30開場)
   10月 1日(火) 19:00開演(18:30開場)
      2日(水) 19:00開演(18:30開場)
     4日(金) 19:00開演(18:30開場)
     5日(土) 14:00開演(13:30開場)/19:00開演(18:30開場)
     6日(日) 14:00開演(13:30開場)/19:00開演(18:30開場) 
会場:THEATER 010(福岡市博多区住吉1-4-17)
料金:1階自由席8,000円(9,000円)、学生4,000円(5,000円)、2階立ち見席5,500円(6,500円)、学生3,000円(4,000円) ※価格は税込み、( )内は当日料金
詳細、予約は下記サイト

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