これは長女を出産してから約5カ月後のことです。なんでも「なんとかなるだろう」精神で乗り切ってきた私。ですがその考えのせいで私が痛い目を見ることになっただけでなく、周りを巻き込み長女まで危険にさらしていたのです…。
初めての抱っこ紐
長女を連れて出かける前日のことです。当日の天気予報はあいにくの雨だったため、抱っこ紐で行くことにしていました。ベビーカーばかりで、実は長女が産まれてから一度も抱っこ紐を使ったことがなかった私。それなのに面倒くささから「なんとかなるだろう」と、取り扱い説明書を流し読みした程度で試しに着けもせず寝てしまったのです。
お出かけ当日。当然ながら初めての抱っこ紐に大苦戦。奮闘の末、やっとの思いで抱っこ紐を装着しました。ご機嫌な長女を見て、「娘は機嫌良さそうだしこんな感じで大丈夫だろう」と思い、そのまま外出しました。
感じる違和感
歩いている途中、何度も抱っこ紐の肩紐がずれてきました。肩や腰にも少しだるさを感じるようになり、
「抱っこ紐の着け方あってるのかな?」と不安になりました。しかし長女は抱っこひもの中ですやすや気持ちよさそうに寝ていたので
「娘が苦しそうじゃないし大丈夫だろう」と、そのままに。
帰るころには肩と腰の痛みはピークに達していました。でも長女は相変わらず抱っこ紐の中でご機嫌です。「娘も楽しそうだし大丈夫。きっと私が抱っこ紐に慣れてないからだな」と思い、やはりそのままにして家に帰りました。
翌日事件は起こった
翌日はまだ腰の痛みが残っていましたが、もともと腰痛持ちの私。湿布を貼り、病院に行くことはありませんでした。朝寝をした長女をリビングの布団に寝かせ、私が別部屋で掃除しようと前かがみになった瞬間です。
急に全身電気が走ったような感覚がした後、体中の力が抜けその場に崩れ落ちました。何が起こったか分からず
「えっ、なに!?」と体を起こそうとしましたが、腰に激痛が走り全く動けません。「これはあかん。とりあえず誰かに連絡を…」と思いましたが、携帯はリビングに置きっぱなし。なす術もなくその場で倒れたままになるしかありませんでした。
恐らく1時間ほどたったころ。リビングから
「ふええぇぇぇ!」と泣き声が。
「まずい、娘が起きた!」激痛に耐えながら、私はほふく前進でリビングへ向かいました。
やっとの思いでリビングについたものの、激痛のため娘を抱くことができません。仕事中の夫に何とか連絡を取ると
「すぐ帰るわ!」とのこと。泣き続ける娘の横で、私は転がったまま長女の手を握ったり、胸をトントンしたりすることしかできませんでした。夫の帰宅後も全く動くことができず、救急車を呼び病院へ行くことに…。
準備は大切
診断結果は「重度の急性腰痛症」、いわゆるぎっくり腰でした。その後1週間寝たきりの状態が続き、遠方から義父母や実母も駆けつけてくれる事態に。後から調べたところ、抱っこ紐が体にフィットしていないと肩や腰だけでなく、赤ちゃんにも負担がかかるのだそうです。
私が抱っこ紐に慣れていなかったからではなく、きちんと装着できていなかったことがぎっくり腰の原因だったと気づきました。実はわが子にも負担がかかっていたのかもしれません。幸い長女はなにもありませんでしたが、「なんとかなる」「大丈夫」と己を過信しすぎたことをとても後悔しました。
私が事前準備を怠ったために、周りを巻き込んで大変な事態になった出来事です。考えすぎず「なんとかなるだろう」と判断することも大事ですが、準備を省略する言い訳にしてはいけないと心に決めたのでした。
(ファンファン福岡公式ライター/Misaki)