6歳・8歳の息子を持つママライター、永野栄里子です。
習い事のなかには、多くの人から人気を集めるものもあれば、習う人が少ない珍しいものもあります。王道とは少し異なる内容を選ぶと、子どもにどのような効果をもたらすのでしょうか。
今回は、珍しい習い事でおすすめのものを、ジャンル別に紹介します。メリットや注意点も知り、子どもに合った内容を検討しましょう。
子どもが珍しい習い事をする効果
まずは、周囲に習っている子が少ない珍しい習い事をすると、どのような効果が期待できるのかを解説します。
活躍の可能性が高まる
定番の習い事は習っている人数が多く、試合に出場したり勝ち進んだり、賞を取ったりできる機会が減ってしまうことがあります。しかし、珍しい習い事は定番の習い事と比べて競争率が低く、非常によい成績や技術がない場合も、活躍の幅が広がります。
以前もお話させていただきましたが、息子たちは1年前からモダンバレエを習っています。「ダンス」というジャンルや、男の子が習うということは特に珍しいわけではありませんが、モダンバレエとなると、女の子が圧倒的に多いため、周囲からは珍しがられます。また、教室でも「男の子である」ということで、持っている力以上の経験をさせていただける機会は多いように感じます。
このように、活躍の可能性が高まり、子どもの経験や自信につながるのは、珍しい習い事の大きな効果だといえるでしょう。
自分のペースで取り組める
定番の習い事は多くの人がライバルになるため、子ども自身が焦りを感じたり、保護者がつい周囲と比べてしまうこともあります。珍しい習い事は周りを気にするシーンが少なく、自分のペースで取り組めるのもメリットです。
習い事でうまくいかず子どもの自己肯定感が下がってしまう、周囲のペースについていけず、成長が感じられないなどの心配がなく、子どもの成長を穏やかに見守れるでしょう。
人とは違う特技ができる
珍しい習い事を続けるなかで知識や技術が身につくと、人とは違う特技ができます。さまざまな経験を通して子どもが得るものは多く、また、周囲からも「すごい特技だね」と、覚えてもらいやすくなります。
もちろん、人気の習い事も続けていくなかで身につく力は多いので、子どもが興味・関心のあるものを選ぶのが最優先です。しかし、子ども自身が「人とは違うことに挑戦してみたい」と思った場合、珍しい習い事で少し変わった特技を習得するのは、本人にとって非常によいことではないでしょうか。
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おすすめ!学習系の珍しい習い事
ここからは、おすすめの珍しい習い事をジャンル別に紹介します。まずは、学習系の珍しい習い事です。
プログラミング
プログラミング教室では、問題解決に向けた手順を組み立てる「プログラミング的思考」を養えます。小学校の授業でも必修化したプログラミングに興味を持つ保護者も多いですが、実際に習い事として通っている子どもはまだ少なく、珍しい習い事をしたい人におすすめです。
プログラミングは教室での対面式だけでなく、オンライン教室も多くあります。近くに教室がない場合も、自宅のネット環境などを整えて気軽に習うことができ、オンライン指導でも力をつけやすいでしょう。
実験・ものづくり
理科の実験や、さまざまなものづくりを行う教室も、学習系の珍しい習い事だといえます。実験教室では、室内や屋外などで実際に実験を行い、紙・動画教材だけではわかりにくい内容も、理解を深められます。
ものづくり教室は、幅広いテーマでのものづくりを通し、子どもの想像力や考える力を養います。ゼロから1を生み出すことやイメージを形にする技術など、多くの力が身につくのでおすすめです。
野外体験教室
キャンプなどで、野外活動の基礎的な知識・技術を習得する野外体験教室も、珍しい習い事の1つです。古くから存在する、ボーイスカウトやガールスカウトといった団体も、野外活動を通した学びが得られます。
便利なことが当たり前の日常から離れ、野外でのさまざまな体験を通して得た力は、もしものときだけでなく、学校での宿泊研修や、成長してから友人や家族で行くキャンプなどでも発揮できます。
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子どもが大喜び!珍しい習い事10選(https://digitane.jp/online/topics/contents/27566/)
芸術系の珍しい習い事
続いて、芸術系の珍しい習い事です。芸術系の珍しい習い事は、学習系・運動系よりも多くありましたので、筆者が独断で「これは特に珍しい」「習い事に向いている」と感じたものをピックアップしました。
日本舞踊
ダンスやバレエを習っているという子どもは一定数存在しますが、日本舞踊を習う子どもは非常に多いわけではありません。日本舞踊を習い事に選べば、江戸時代から続く伝統芸能に触れながら、踊りはもちろん礼儀作法や着物の着付けなど、さまざまな知識や技術を習得できます。長く続ければ、将来的に古くから続く伝統文化を次の世代へ引き継ぐような仕事に関われる可能性もあるでしょう。
ただし、日本舞踊は必要な道具をそろえたり、「名取」資格を取得したりと、比較的費用がかかる習い事です。費用面の負担を考慮する保護者は、よく調べたうえで検討してください。
バイオリン
音感やリズム感を養うためにピアノを習う子どもは多くいますが、バイオリンなら同じような力を身につけながら、珍しい習い事も実現できます。左手で弦を押さえて右手で弓を引き、耳で聞きながら正しい音程で演奏するバイオリンは、同時進行で複数の動作が求められるため、脳を活性化するともいわれています。
ただし月謝の相場はピアノよりも高く、楽器も身体や技術の成長に伴い買い替えが必要なため、費用を抑えて楽器を習いたい場合には、ピアノのほうがよいかもしれません。
お琴
日本の伝統楽器の1つであるお琴も、珍しい習い事におすすめです。美しい音色が聴く人を魅了するお琴は、右手と左手でそれぞれ弦を押さえて音を出します。バイオリン同様、自分で正しい音を出す必要があり、音感を高める効果が期待できるでしょう。
お琴も「和」の習い事で、ただ楽器を習うだけでなく礼儀作法なども身につき、さらに演奏中は背筋を伸ばすことから、美しい姿勢も定着します。
和太鼓
和太鼓もお琴と同じく、日本の伝統楽器です。リズムを基本とした楽器ですので音感は磨かれないものの、演奏するなかでリズム感や筋力・体力がアップします。また、和太鼓は複数の太鼓で1つの作品を完成させるケースが多いので、練習を通して協調性も身につくでしょう。
囲碁・将棋
若年層で囲碁や将棋をする人は少ないので、「頭を使った珍しい習い事」をしたい人におすすめです。囲碁や将棋を上達させるには発想力や集中力が必要で、さらに相手の番の際には、長い時間待つ忍耐力も求められます。
さまざまな場面で生きる力が身につくとともに、身近に囲碁・将棋が好きな大人がいれば、子どもがより多くの人と交流するきっかけにもなります。
ちょっと変わった習い事10選!レア系習い事で子どもも夢中に!(https://kodomo-booster.com/articles/2965#/)
運動系の珍しい習い事
最後に、運動系の珍しい習い事です。習い事を通して身につく力とともに、見ていきましょう。
スケートボード
スケートボードは、乗ってまっすぐ進むだけでもバランス感覚が必要です。習い事にする場合は、さらにジャンプなどの技にも挑戦するため、体幹を鍛えながらアクロバティックな動作もできるようになります。難しい技を何度も練習してできるようになったときの達成感は、子どもの大きな自信にもつながるでしょう。
ボルダリング
壁に取り付けられた石(ホールド)をつかんで登っていくボルダリングも、珍しい習い事だといえます。練習を重ねるうちに全身の筋肉や体幹が鍛えられ、さらに「高いところへ登っていく」ための度胸も身につきます。
ボルダリング教室では、個々のレベルに合った課題が与えられます。子どもは課題クリアのために何度も同じコースに挑戦するので、「最後までやり抜こう」というメンタル面の強化にも、よい効果をもたらすでしょう。
ゴルフ
ジュニアゴルファーは過去と比べて増加傾向にありますが、やはり定番の習い事と比べると珍しい部類に入ります。ゴルフは体を激しく動かすスポーツではありませんが、練習場で何度もボールを打ったり、長いコースを何時間もかけて回ったりするためには基礎体力が必要です。クラブを振り続けるなかで、全身の筋力が無理なくアップするのも、ゴルフがもたらす効果だといえます。
また、集中力や忍耐力、コースを回る際のマナーが身につき、知らない人とプレーする機会があれば、コミュニケーション能力の向上にも貢献するでしょう。
フィギュアスケート
フィギュアスケートはウィンタースポーツの定番ですが、習っている子どもはそれほど多くありません。柔軟性やバランス感覚、表現力を磨けるフィギュアスケートも、珍しい習い事の1つです。
フィギュアスケートは近くにスケートリンクがなければ、送迎の負担が大きくなります。また、月謝は非常に高いわけではありませんが、上達して個人レッスンを受けたり、大会に出場したりすると、レッスン費用や衣装代などがかかるため、保護者は始める前によく検討する必要があります。
珍しい習い事をさせる際の注意点
最後に、習い事を始める際の注意点を解説します。珍しいかどうかに関わらず、次の3点は子どもの習い事を検討する場合に重要なポイントとなりますので、ぜひチェックしてみてください。
保護者の希望を押しつけない
「周囲の子と違うことをさせたい」という保護者の希望を、子どもに押しつけるのは避けましょう。定番の習い事でも、子どもの興味・関心を尊重するのは同じです。保護者も希望があるでしょうし、習わせてみたら案外子どもに合っていたというケースも少なくありませんが、「辞めたいけど言い出せない」という子どももいます。
年齢が上がるほど子ども自身の希望を優先し、習い事を検討しましょう。
負担になりすぎないかよく検討する
今回ご紹介した珍しい習い事のなかには、費用が多くかかるものもあります。習い事にかける費用は、「世帯年収の5%ほど」が目安です。たとえば年収600万円の世帯の場合は、年間30万円まで。子どもが1人なら30万円ですが、2人いたら1人あたりに年間で使える費用は15万円になります。
「珍しい」という面にばかり目を向けて習い事を選ぶと、家計を圧迫する可能性があります。子どもが楽しく通っているのに、費用面の問題から習い事を辞めなければいけなくなるようなことにならないよう、お金の計算は入念に行いましょう。
また、毎回付き添いが必要な習い事や、遠方まで送迎が必要な習い事も、保護者の負担を大きくします。レッスン会場までの送迎についてはもちろん、保護者の関わり方や遠征などの頻度や距離なども、事前に確認しておくと安心です。
まずは体験レッスンに参加を
習い事を決める前には、体験レッスンに参加しましょう。もともと子どもが興味のない内容でも、体験レッスンに行って「やってみたい」と思うかもしれませんし、反対に子どもから「やりたい!」と言ってきた習い事でも、実際にやってみると「何か違う」と感じることもあります。
体験レッスンでは、レッスン内容や教室の雰囲気、先生との相性などが見極められ、費用をはじめ、入会後の負担についても直接質問できます。
珍しい習い事もジャンルが豊富!子どもの興味・関心に合った内容を見つけよう
珍しい習い事は、定番の習い事では身につけられない知識や技術が得られたり、経験を通して子どもの自信につながったりするのでおすすめです。定番の習い事・珍しい習い事にはそれぞれ魅力やメリットがありますので、子どもの興味・関心がある内容を検討しましょう。
珍しい習い事のなかには、通常よりも費用がかかるものや、保護者の心身の負担が大きくなる可能性があるものもあります。「珍しさ」ばかりに目を向けず、子どもが楽しく続けられ、保護者も快く応援できる習い事を見つけてください。