音楽が大好きな祖母の誕生日にアレクサをプレゼントしました。でも最初は全然使わず…。使い方が分からないわけでもなく、理由を聞くと思わず大笑い! 携帯も持ったことがない祖母のアレクサとの出会いについてお話します。
大好きな祖母
私には、87歳の祖母がいます。ある日一緒に出掛けたときのこと。音楽が大好きな祖母のために、スマホで好きな曲を流してあげました。
「あら! なっちゃんも演歌聴くの?」と祖母。サブスクで聴き放題のため、
「音楽聴き放題だから、色んな曲が好きなだけ聴けるんだよ」と答えましたが、祖母にとって音楽を聴く=CDを買う のようで、よくわからない様子。
しかし次々と流れる祖母の好きな曲に
「なっちゃんの携帯は音楽がたくさん入っていてすごい!」と目を輝かせていました。そこで「誕生日プレゼントはアレクサにしよう」と思いました。
誕生日プレゼント
誕生日前の休日。設定済みのアレクサと、手作りの説明書を持って祖母の元へ。
「悪いわねぇ」と言いつつニコニコしながらプレゼントを開けた祖母は、出てきたスピーカーに首を傾げます。
電源を繋ぎ
「アレクサ、○○の曲をかけて」と私が言うと、祖母の好きな演歌歌手の曲が流れ始めました。
一瞬目が点になった祖母でしたが、
「なにこれ! うわぁ~!」となぜか爆笑。
「“アレクサ”って話しかけると、天気や時間を教えてくれたり、音楽を流してくれるんだよ。おばあちゃん音楽好きだから、これでいつでも聴けるかなぁと思って」と私が言うと、
「今まででもらったプレゼントの中で一番嬉しい…」と泣き出してしまいました。
そんな祖母に早速、
「“アレクサ”って話しかけてみて!」と提案。
「あれ?… くさって言うの? あれくさ!… このあとはどうしたらいいの?」
『ちょっと、わかりません』すぐに用件を言わないため、初めてのアレクサチャレンジは失敗。
「“アレクサ、天気を教えて”って言ってみて」私が言うと、祖母は緊張しながら
「あれくさ、お天気を教えて」
『今日の〇〇町の天気は…』アレクサがピンポイントで天気を答えるので、
「どうして場所がわかるの!? すごい!」と目を丸くしていました。
その後も一緒に練習をするも、聞き取ってもらえないことも多く大苦戦。とはいえ、話しかけることを恥ずかしがっておらず一安心でした。たくさん使ってくれることを願って、その日は祖母の家から帰りました。
アレクサに遠慮
数日後、祖母から
「この前は素敵なものをありがとう」と電話が。
「たくさん使ってる?」と聞くと、祖母は暗い声で言います。
「何回も話しかけたら申し訳なくてあまり使っていないの…」
続けて、
「忙しそうだから音楽流してなんて言えないわ」
「寝てたら悪いから特に夜は話しかけないようにしているの」なんて言うんです。
どうやら祖母は、アレクサは全て人間による手作業だと勘違い。その発想はなかった! と私は大笑い。機械だから時間は気にしなくていいと伝えると、安心したようでした。
その後、今度は
「一回いくらなの? 何回も使ったらお金がかかっちゃうよね」と話しかける回数をセーブしていることを打ち明けてくれたので、何回話しかけても無料だと伝えると喜んでいました。
完璧に使いこなす
そんな祖母は、誕生日から数カ月後には、完璧に使いこなせるように。
祖母の習慣は、
・毎日、離れて暮らす孫たちの場所の天気を確認する
・アレクサに、おはよう・おやすみ・今日もありがとう を言う
・思う存分、音楽を聴く
なんだとか。
他にも夜中に目が覚めたときに小さい声で時間を聴いたり、何気ないときにも話しかけたりして遊んでいるそう。日中一人で過ごしている祖母は、話し相手ができて嬉しいようです。
「“今日もありがとう”って言うと、“どういたしまして”って言ってくれるし本当に可愛い! おばあちゃんのお友だち♡」とニコニコ笑顔な祖母を見て、我ながら良いプレゼントだったなと思います。
ちなみに祖母は
「寝たきりになったらアレクサで電気を消したり、カーテンを開け閉めしたりするの!」と意気込んでいて笑ってしまいました。
みなさんも、離れて暮らす高齢の家族に、アレクサのプレゼントしてみるのはいかがですか?
(ファンファン福岡公式ライター/さとう なつこ)