福岡、いや日本のフードコートで一番尖ってるメニュー「中国大明火鍋城の四川牛肉麺」説

 大型のショッピングモールなどに入っている「フードコート」。多少のローカルルールはあっても、基本的には人気ファーストフード店とか、麺類のチェーン店とか、概ね皆が知るラインナップであることが多いと思う。そんな中で「福岡、いや日本全国のフードコートの中で、このメニューが一番尖ってるんじゃないか?」という説を提唱したい。

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イオンモール香椎浜(福岡市)のフードコートにて

 ショッピングモールや大型のスーパーに入っている「フードコート」。場所にもよるのだろうが、一般的には買い物に来たファミリーや、遊びに来ている中高生なんかが多い印象だ。

 そこに出店されているお店は、ファーストフードや人気チェーン店などが中心。絶対的多数に響くような、ポップで、良い意味で平均的なラインナップのイメージがある。その安心感がフードコートだとも思う。

 最近、子供のサッカーの送迎で、頻繁に福岡市東区の香椎浜を訪れる。試合の合間や前後、ちょっと時間をつぶそうと思う時は、サッカー場近くの「イオンモール香椎浜」へ行くのが定番になっている。本屋で物色したあと、ユニクロ、無印良品、カルディなどをうろつく。そして、小腹が減ったら、2Fのフードコートで食事をする。

撮影:ヤマナカリョウ

 イオンモール香椎浜のフードコート、基本的にはスタンダードなフードコートで、よく目にするハンバーガー屋やチェーン展開する人気のちゃんぽん屋、ラーメン屋、たこ焼き屋などが並ぶ。

 ただし、その中で一際異彩を放つ店がある。

本格四川料理「中国大明火鍋城」香椎浜キッチン

撮影:ヤマナカリョウ

  「中国大名火鍋城 香椎浜キッチン」である。本店は早良区百道にある、四川中華の名店である。本店にも何回も行ったことがあるが、「本格四川料理」との呼び声通り、日本人向けにアレンジされたマイルド中華ではなく「ガチ」の四川料理である。めちゃくちゃ美味しい「ガチ」なのだ。

 なので、火鍋場がフードコートに出店しているのを初めて知った時は、いささか意外だった。(なお木の葉モール橋本のフードコートにも出店されています)

 ちびまる子ちゃんを読んでたら、クラスメイトでデューク東郷が出てきた、とか、サンリオの新キャラクターが範馬勇次郎だった、的な意外性。いきなり違うタッチのいかついキャラがでてきたけど、どういうことだ?という意外さ。

撮影:ヤマナカリョウ

 しかもフードコート向けにマイルドにしているのかと思いきやそうではなく(メニューによってはあるのかもしれないが)、しっかりと尖っており「本格」という名の「ガチ」なのである。その証左として、この日も食べた「四川牛肉麺」を紹介したい。

フードコートにて圧倒的存在感を放つ「四川牛肉麺」

 「四川牛肉麺」は私がこの店で最もよく頼むメニューである。この記事のためにネタとして奇をてらってるわけではなく、メニューでも一番上にあるように、こちらのお店の定番だと思う。

撮影:ヤマナカリョウ

 早速注文して、席を探して座り、ブザーが鳴るのを待つ。このあたりの一連の動作はフードコートならではである。ただし、ブザーが鳴り、カウンターで渡された料理はこちら。

撮影:ヤマナカリョウ

 「四川牛肉麺」。思うに、フードコートで見る色彩ではない。初っ端から、見た目が辛い、そして漂ってくる湯気が、痛い。

撮影:ヤマナカリョウ

 表面を覗き込む。唐辛子が、もう、隠れてない。こんにちはしてる。辛さを剥きだして、こんにちは。
 それでは開戦

撮影:ヤマナカリョウ

 まずスープを一口すする。いや、すすろうとするも、うまくすすれない。すぐ、むせてしまう。「ぐふっ!ぐふっ!」とむせながら、スープと舌を接触させる感じになる。うまい!が、舌が痛い!ぐふっ!ごふっ!

撮影:ヤマナカリョウ

 続いて麺をいただく。平麺にスープがしっかりと絡んでいる。唐辛子もしっかりと絡んでいる。ズズっ!とすする。「ぐふっ!」とむせる。おいしい!やはり味は間違いない!辛いが、うまい!たまらない!ごふっ!

撮影:ヤマナカリョウ

 こちらが「牛肉」。ごろっとしたサイズ感あるお肉、ほどよく柔らかくて美味!ただ辛い!ぐふっ!

 食べていたら汗がとまらなくなる。実はこの日の午前中、子どもを連れてスーパー銭湯に行き、サウナに入って大汗かいたのだが、その数時間後にまた大汗をかいている。周囲では学生や、ファミリーのお客さんがファーストフードやら食べて談笑してる中、私は「ごふっ!ぐふっ!」とむせながら、大汗をかき「四川牛肉麺」と対峙している。

 ここで致命的なミスを犯していることに気づく。事前に水は汲んできていたのだが、一般的にフードコートの紙コップは小さい。しかも自分の席から水を汲む場所までは非常に距離があった。このレベルの辛さになると、水1~2杯では到底足りず、大汗をかき、むせながら、何回も水を汲みにいくこととなった。

 フードコートにいる学生から「なに?この何往復もしている大汗ごふごふおじさん」と言われても、その時の自分は「ごふっ!」としか言えなかっただろう。

 その後も黙々と四川牛肉麵と向き合い、麺と具は完食。

撮影:ヤマナカリョウ

 見てくださいよ、このスープの色。

 「紅」である。紅に染まったこの俺を慰めるやつはもういない、である。俺が見えないのか、すぐそばにいるのに、である。これを飲みきったら大変なことになるでしょう。

 四川牛肉麺、おいしかった。そして、尖っていた。それにしても尖っていた。

 辛さの余韻に朦朧としながらも、心地よい疲労感と、味は間違いなくおいしかった満足感を抱えて、紅を歌いながら、フードコートを後にした。

 福岡、いや日本のフードコートで一番尖ってるメニュー「中国大明火鍋城の四川牛肉麺」説、これにて立証!(できたのではないだろうか)

中国大明火鍋城 香椎浜キッチン

住所:福岡市東区香椎浜3丁目12-1 イオンモール香椎浜
営業時間:9:00~21:00

※この記事内容は公開日時点での情報です。

著者情報

惑える40代。飲み歩き・食べ歩きをこよなく愛し「酒ダルマ」と呼ばれるも、40代にして守りに入りやや健康志向。基本ミーハー、浅く広くカルチャー全般に興味。

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