初孫の誕生をとても喜んでいた義父ですが、「初孫の名前を決めたい」の一言をきっかけにトラブルになった経験があります。すでに子どもの名前は決めていたのですが、どうしても名前を決めたいと中々ひかなかったので、どんな名前を名付けたいのか聞くとそこには自分勝手な理由があったのです…。
初孫の誕生に喜ぶ義両親
義両親とは、同じ市内に住んでいても年に数回会う程度の関係でしたが、私が初孫となる息子を出産すると、入院中からほぼ毎日、顔を出すようになりました。
義父は、会いに来るたびに赤ちゃん用の洋服やおもちゃ、私たち夫婦への手土産としてお菓子などを買ってきてくれました。息子が泣いていると抱っこをしてくれたり、オムツなどの買い出しを義母と一緒に行ったりと、産後外出できない私をフォローしてくれてとても助かっていました。
孫の名前を自分で決めたいと言う義父
退院後、自宅での生活にも少し慣れ、夫に出生届の提出をお願いしようと思ったとき…
「名前は決めたのか?」
「この漢字はどうだ?」と、義父が名前に関して口を出しくてくるようになりました。
義父は孫のお世話に協力的だったので、孫への愛があるからこその発言なのだと思い、私が
「出産前から名前は決まっています」と答えると、なんと義父から
「孫の名前を自分で決めたい!」という衝撃の返答が…。
身勝手な理由に驚愕
結局その日は出生届を提出できませんでした。その日から義父は、家に来る時だけでなく、1日に何度も電話をかけてくるようになりました。家に来た時も電話でも
「孫の名前を自分で決めたい」と、何度も何度も言い、一歩もひかない義父。
「どうしてそんなに名前を決めたいんですか?」と、名前を決めたい理由は何なのか聞いてみると、
「うーん。初孫だから名前を決めたい」とどこか煮え切らない様子。
「子どもの名前は生まれる前から決めていて、私が漢字を決めました。姓名判断もしてあるので、この名前は譲れません」と夫と一緒に真剣に伝えましたが、
「絶対に自分が考え名前を決める!」と引き下がりません。
痺れを切らした夫が
「本当はどうして名前を付けたいの? なんて言う名前にするつもり?」と聞くと、義父から
「自分が昔呼ばれていた名前を付けたい」と、自分勝手な言い分が返ってきたのです。詳しく聞いてみると、義父は大学時代に自分の名前の一文字をとり「あかり」と言うあだ名で呼ばれていたのだとか。
「思い入れのある名前だから、孫を『あかり』と呼んで育てたいんだ」と自分勝手な言い分を続ける義父。思いを込めて漢字を選んだり、心温まる由来があるならまだしも、あまりに身勝手な理由に私も夫も驚きを隠せませんでした。これまで義父の思いに寄り添っていた義母ですら、
「困ったものね」とため息をついて、流石に呆れ返っていました。
私は、
「私たちが考えた名前には、どんな時も人に優しく思いやりを持ち、人から愛される子になってほしいという思いを込めています。申し訳ないですが、お義父さんの考えた名前にはできません」と強い口調で伝えました。ところが、義父は
「俺の考えた名前だってきちんとした意味がある! 俺のように立派な人間になるはずだ!」と自分の意思を曲げない姿勢でした。ただ、出生届の提出期限が迫っていたので、私と夫は強行手段に出ることに。
わが子の大切な決断は人に任せないことが大事
いくら優しくしてくれた義父でも身勝手な理由で決めて欲しくないと思い、内緒で私たち夫婦で決めた名前を書き出生届を提出しました。そのことを報告すると、義父は怒ってしまい、しばらく音信不通に…。
ただ、孫を可愛いと思う気持ちは変わらないようで、少しずつ会う機会は増えていきましたが、
「本当は『あかり』になるはずだったんだぞ〜」と、孫が誕生していから数年たっても嫌味を言っていました。
この出来事で、人の優しさには裏があるということをあらためて実感。名前は、子どもが一生背負うもの。義父の言いなりにならないで、夫婦で考えた名前にしたことに後悔はありません。夫の両親と言えど、大切な決断を任せてはいけないと気付かされた出来事でした。
(ファンファン福岡公式ライター/tera)