小学4年生の息子が友達を初めて自宅に招いた日。壊れたら困るようなものは全て片付け、どんな大賑わいになるのかと戦々恐々としていました。当日、覚悟を決めて玄関を開けた私に、集まった子ども達の口から出た驚きの一言とは…?
小4の息子、初めて友達を家に呼ぶ
小学生になると友達同士でお互いの自宅に招いたり招かれたりすることも増えますよね。わが家もこれまでは公園で遊ぶなどして、のらりくらりと避けてきました。しかし小学校4年生になった息子がついに
「友達を家に呼びたい」と言い出しました。
せっかくできた友達を大切にして欲しい気持ちと、私もお友達の顔を見て挨拶をしたかったので了承しました。だけど脳裏には自分が子どもの頃の小学生男子の姿が思い浮かびます。元気で、わんぱくで、大騒ぎするクラスメートの姿が…。
どんな大惨事になってもいいように覚悟を決めて自宅を掃除しました。壊れたら困るようなものは全て片付け、入ってはいけない部屋は事前に息子に伝え、オヤツやジュースを用意して息子の友達を招き入れる準備を整えます。
友達が遊びに来た
そして迎えた当日、玄関のチャイムが鳴り扉を開くとそこには数人の小学生男子の姿が。
どんな元気な子が来るのかとドキドキして迎えました。すると、先頭の男の子が自宅に足を踏み入れるなり
「これ、つまらないものですが…」と手土産を渡してくれました。
まるで大人のような挨拶に拍子抜けする私を横目に、次々に
「おじゃまします」と言いながら靴をそろえる子ども達。そして
「手を洗いたいので、洗面所を借りていいですか?」と整列して手を洗います。
そして全員が手土産を片手に
「今日はありがとうございます!」とお辞儀しながら私の前を通り抜けていきました。そのあまりの礼儀正しさに唖然! もしかして少し緊張しているのかな? と思いつつもリビングへと案内しました。
招かれた身分ですのでお構いなく
しばらくするとようやく緊張も解けてきたのか、ゲームをしている時は無邪気に遊びケラケラと笑いあう子どもたち。持ち寄ったお菓子を開け、ワイワイと楽しい時間が流れます。
息子も普段は私のことを「ママ」と呼ぶのに、友達の前では「お母さん」と呼んでみたり、自分のことを「オレ」なんて言いながら話したりする姿に私の頬も緩みました。普段よく遊んでいるお友達の顔を見られたことで安心することもできました。
季節は秋。日が暮れるのも早くなり、夕方になると少し冷えてきました。
「寒くない?」と子どもたちに聞くと
「いえ、招かれた身分ですのでお構いなく。お母さんから『ご迷惑にならないように』と言われていますので」との返答。
丁寧に返してくれたのは「つまらないものですが」と玄関でお土産をくれた子です。
「迷惑じゃないよ! 寒い時は寒いって言ってね!」と伝えたのですが
「いえいえ、お構いなく」の一点張り。彼の言葉に、他のお友達も
「だよな」とうなずき合います。
帰り際には
「みんな! 片づけしてから帰ろうぜ!」という彼の声に答えるように片づけをし始め、
「お邪魔しました!」と元気に挨拶をして帰っていきました。
驚いてばかりもいられない
私の頭の中にあった、やんちゃな男の子たちはどこへやら? イマドキの男の子はこんなにも礼儀正しいのかと驚きでした。
同時にわが家の息子はこんなにきちんとできるだろうか? と不安もよぎります。他人様のお宅へ遊びに行く時のマナーについて改め教えないといけないな、と思わせてくれる出来事でした。
たまたまだったのか、今はみんなこんなに礼儀正しいのか、はたまた最初に挨拶をした彼のおかげか…!?
「迷惑じゃないから、また遊びに来てね」と伝えたのが子ども達に伝わっているといいのですが。
世のお父さん、お母さん、そんなにかしこまらなくて大丈夫ですよ! 少なくともわが家に遊びに来るときは。
(ファンファン福岡公式ライター/本田 すのう)