わが家と義実家は車で5分の近さ。義実家は親族とのつきあいが頻繁で、義実家にたびたび集合しています。そこにいた男女差別おじさんにイライラしていたのですが、意図せぬ出来事でスカッと成敗する結果となった出来事です。
女は愛嬌というおじさん
あるとき、料理の手伝いに来るように言われ、当時6歳の娘と2歳の息子と夫と義実家へ向かいました。その日集まっていたのは、義父の友人も含めたおじさま方。見知らぬ人もいる中、私は挨拶もそこそこに台所へ入って料理の支度をしていました。
子どもたちは夫の傍で遊んでいましたが、しばらくすると飽きたのか料理やお酒を運ぶ私の下へ。配膳する私の後ろにくっついて、遊んでいました。
すると1人の親戚が娘に、
「おじょうちゃん、いくつ?」とビールを飲みながら質問。他のことに気をとられていた娘はそっけない口調で
「え、6さい」と言うと、おじさんは
「はぁ… 女の子ならもっとかわいく答えてごらん」と嫌そうな顔でビールを一口。
私はおじさんの発言にモヤっとしながら
「すみません~」と一応の謝罪。すると
「顔は今更変えられないんだから、愛嬌を教えておくのが親のつとめだよ、およめちゃん」とおちゃらけた顔で言われました。
娘の容姿をけなされた上、女は愛嬌という発言に一瞬で不快指数がMAXに。しかしその場で言い返すわけにもいかず、「酔っぱらいの言うことは無視だ」と気持ちを静めました。
続く男女差別な言動
しかしそんな私の我慢とは裏腹に、おじさんの男女差別発言は続きます。
「弟は、なんで男なのにピンクの服着てるんだ?」
「おじょうちゃんはお酒飲めないからお酌するんだよ」などと言ったり、娘には分からないように
「弟にはお小遣いをあげよう。長男だからね。お姉ちゃんには内緒だよ」とお金を渡したりしていました。
ただ、おじさんの嫌な雰囲気を子どもたちが感じていなかったのは不幸中の幸い。娘は
「お酒つぐ!」と喜びながら、嬉々としておじさんにビールをついでいました。
しかし息子が
「ぼくもやる!」と言うと
「男はやらなくていい!」と払いのけ、息子は転んで大泣き。それでもおじさんは
「わざとやったわけじゃない、泣くな!」と反省する素振りもなく、見ていて気持ちの良いものではありませんでした。
娘が持って行ったビールが…
そんなおじさんに疲れ、適度に話を切り上げて子どもたちと一緒に台所へ逃亡。私は料理に戻り、子どもたちは買い置きのビールなどが置いてある端っこで遊んでいました。私は息子がビール缶を振って遊ぶのを注意しながら、料理に配膳にと大忙し。
するとさきほどのおじさんが居間から「ビールないよ~」と叫ぶ声が聞こえました。その声にイラっと感じながらも返事をし、やりかけの料理を作っていると…。
娘が
「私持って行く!」と台所の隅で立ち上がりました。私は
「え、いいの? じゃあちょっと待ってね…」と料理の手を止め、冷蔵庫の中にあるビールを取りに行ったのですが…。振り返るとそこに娘の姿はなく、息子だけがポツリと座っています。
「あれ、ねぇねは?」と息子に聞くと
「ビールもってった」と居間を指さしました。しかしまだ冷蔵庫の中の冷えたビールは渡していません。ちょっとの間があり、
「まさか…!」と思い至った時には居間で
「うわぁぁぁ!」と叫ぶ声が聞こえました。
急いで行くとさきほどのおじさんが持つ缶からビールがあふれ、服やズボンがびちゃびちゃに。おじさんが
「おい!」と娘に怒りをぶつけようとしたのを見て、すかさず娘の前に体を滑り込ませ
「すみません、でもわざとやったわけじゃないです~。娘ちゃん、タオル持ってきて!」と割り込みました。
周りの人たちも
「そうだよ、子どものやることだ」
「水も滴るなんとやらじゃないか」と言ってくれて、その場は笑いで柔らかい雰囲気に。おじさんもその雰囲気にのまれたのかおちゃらけながら事態は収拾しました。
私はというと偶然の出来事だったとは言え、おじさんに思わぬ形で仕返しが出来てスッキリ。最終的におじさんも含めて笑いながら終息したので、一安心でした。これ以降もときどき、集まりにこのおじさんが来ることがありますが、できるだけ近づかないようにしながらうまく付き合っています。
(ファンファン福岡公式ライター/K)