妊娠期間中、夫婦間で「親である」という意識に差を感じたことはありませんか? 今回は私が妊娠中に感じた夫婦間の「親としての自覚」の違いに関する悲しいエピソードをご紹介します。
夫婦そろって妊娠に歓喜
妊娠が分かった当時、夫はとても喜んで「これはお祝いしなくては」と満面の笑みで言いました。合わせて「これから自分にできることは何でも言って」と話し、その表情には喜びと覚悟が感じられました。
私の妊娠初期は、酷いつわりからスタートしました。赤ちゃんの手袋や服を手作りしたり、母親教室に通ったりと、ゆっくり過ごすものだと思っていたのですが、家事をすることすら精一杯の状況です。
食事宅配サービスを利用したり、休みの日は夫が家事を担当してくれたりして、なんとかやり過ごすことができました。
大変な期間でしたが、つわりが酷かったおかげで、自分一人の身体ではないことを日々実感して過ごしていました。
胎動を感じて子どもの存在をさらに実感
妊娠中期になり、ようやくつわりが落ち着きます。徐々に大きくなるお腹の重みや胎動で私はお腹の子の存在をさらに実感しました。
一方の夫は、つわりが落ち着いて動けるようになった私を見て「自分が家事をしなくても大丈夫」と安心したのか、妊娠初期の頃よりも積極的に家事をする機会は少なくなっていったのです。
妊婦検診に一緒に行ってエコー写真を見ても「無事に育ってくれていて良かった」と安心する私に対し、夫の反応は控えめで、夫婦間に温度差があるように感じました。
夫のまさかの一言に呆然
いよいよ妊娠後期。立ちっぱなしの姿勢でいると、お腹が張って家事が少しずつ辛くなってきました。食器洗いをしていると、お腹が張ってきて、テレビを見て休憩していた夫に
「お腹が張ってきたから続きをお願いできる?」と聞いてみたのです。
すると、夫は私の方へ振り返り
「無理しないで~。明日やれば良いから」と言って、またテレビの続きを見始めました。
その一言に私は呆然とします。「結局、翌日に私がやるってこと?」と怒りが込み上げてきました。結局、私のイライラを感じ取ったのか、しばらくして夫は食器洗いを交代してくれましたが、親としての実感に差があると強く感じた経験でした。
この一件がきっかけで、私は
「子どもが生まれる前に、父親としての認識を改めて欲しい」と夫に伝えました。その後、夫は反省したようで、子育て中の友人に話を聞いたり、市が行う父親教室に参加。意識が変わったのか、以前より家事を進んでやってくれるようになりました。
出産後ようやく父親の実感がわく
子どもが生まれてからは、寝かしつけ、沐浴、ミルク準備など率先して育児に参加するように。夫曰く
「生まれたわが子を見て、『父になった』と、さらに強く実感した」とのこと。
現在、二児の父となった今では、あの頃のことが嘘のように夫は変わりました。休みの日には一人で子ども二人を連れて遊びに行ったり、晩御飯を作ったり、食器洗いや洗濯を交代してくれたりと頼もしい限りです。
食器洗いで揉めた当時を振り返り、夫はすぐに食器洗いを変わらなかった理由を
「妊娠中の大変さがピンときていなかった」と話しながら、自分の言動の不甲斐なさに苦笑いしています。
子を妊娠した瞬間から身体や心に変化が生じる女性に比べ、男性は出産まで大きな実感が湧きにくいと聞きます。少なからず親としての意識の差が生まれてしまうのは仕方のないことかもしれません。
しかし、現在では父親教室で妊娠中の大変さを体感できたり、ネットで出産への知識を調べたりすることも可能です。父親になる実感が湧かないのであれば、自ら学び知識に触れることで、わが家のように意識は変わってくると感じています。
(ファンファン福岡公式ライター/青空ちくわ)