7歳・9歳の息子を持つママライター、永野栄里子です。
学習系の習い事で、小さな子どもにも人気の公文(くもん)は、何歳から何歳まで習う子どもが多いか、気になる保護者もいるでしょう。また、くもんを続けるメリットも、検討時には知っておきたいポイントです。
今回は、くもんを習うメリット、何歳から何歳まで続けるとよいのかなどを解説します。
やっててよかった?公文(くもん)の特長

くもんは、自力で教材を解いていく独自の「公文式学習」を用い、子どもの自己肯定感や挑戦する力を育んでいます。「公文式学習」には、4つの特長があります。
個人・学力別学習
くもんは年齢や学年にとらわれず、個々の学力に合った学習教材を提供しています。課題をクリアすれば学年を超えた教材に取り組めますし、つまずいたら理解・定着するまで繰り返し学べるのは、集団授業の塾や、学校の進度に合わせた教材が届く通信教育とは大きく異なる点です。
スモールステップ教材
くもんの教材は、やさしい問題から徐々に高度な問題へと進む”スモールステップ”です。たとえば、算数・数学の教材は「数を数える」という超基本から、高校レベルの数学までを、計5,470枚で少しずつ学びます。ステップが非常に細かいので、どのようなレベルの子どもにも「ちょうどよい」がクス湯を提供できます。
自学・自習形式での学び
くもんの教室では、生徒1人ひとりが自分に与えられた教材を読み、考え、解いていきます。自学・自習形式で課題に取り組み、クリアできれば、子どもは達成感や喜びを味わえます。また、「すすんで学ぶ力」が定着すれば、自宅での学習もスムーズです。
指導者によるサポート
自学・自習形式を採用していますが、教材を読み、どれだけ考えても問題が解けない、内容を理解できないということもあります。そこで活躍するのが指導者ですが、指導者はただわからない内容を教えるだけではありません。指導者は、個々の理解や定着がどの程度かを把握し、ヒントや例題を示すことで、子ども自らが答えを導き出せるようサポートします。
公文式の特長(https://www.kumon.ne.jp/about-kumon/method/index.html)
くもんは何歳から始めるのがベスト?

1958年の設立以来、多くの子どもたちが学ぶくもんは、2023年3月時点で国内約15,000教室で、130万人以上が学んでいます。子どもにくもんを習わせる場合、何歳から始めるのがよいのでしょうか。
公式の見解
くもんの「年齢・学年に関するご質問」ページには、「小さいうちからくもんは早くないか」「中学生・高校生からでも学習できるか」などの質問が寄せられています。それぞれの質問に対するくもんの回答は、「決して早すぎることはありません」「中学生・高校生だから遅すぎるということはありません」です。
遊びと勉強の区別がない幼児期からくもんを始めれば、教材を通じて文字や数字への興味・関心を高められます。また、意欲に合った学習の提供は、子どもの成長をより促進します。
成長してからのスタートも、個々の学習進度に合った段階から始められるので、「つまずいてしまったところから」「学校で習った最新のところから」など、効率的な学習が可能です。
おすすめは4~6歳!
くもんを始めるのにおすすめの年齢は4~6歳、保育園や幼稚園の年中・年長さんです。4歳は座って話を聞く、作業をすることができるようになる時期なので、くもんでも机に向かってスムーズに課題に取り組めるでしょう。
また、5歳、6歳になるとより理解度が高まるので、次のステップに早く進めるようになります。「できた!」の積み重ねが意欲を高めるだけでなく、小学校に入学する前から学習習慣が身につき、さらに国語・算数の先取りも可能です。
もちろん、公式が「早すぎることはない」といっているので、3歳で始めても問題ありません。しかし、くもんは自宅で取り組むプリントも多いので、年齢が低いほど保護者の負担が増えます。また、徐々に難易度も上がっていくので、子どものやる気が持続しない可能性もあります。
0~2歳はBaby Kumonも
くもんの通常クラスは3歳からで、0~2歳には「Baby Kumon」という、乳幼児向けのクラスが用意されています。
Baby Kumonは、言葉のやり取りで学びの土台を育むことを目的にしており、1カ月ごとに変わるオリジナル教材を使って自宅で学び、月1回の先生とのコミュニケーションで、学びのサポートを受けるものです。
Baby Kumonからスタートすると、通常クラスへの移行はややスムーズかもしれません。ただし、すべてのくもんの教室でBaby Kumonを実施しているわけではありませんので、2歳までの子どもの入会を検討中の保護者は、公式サイトでの確認をおすすめします。
小学生以降の入会は遅い?
小学生になってからくもんを始めるケースも、少なくありません。学校の授業が始まって苦手なことがわかったり、反対に「もっと伸ばしたい」と思う得意なことが見えてくる子どもも多いです。
しかし、地域によっては低学年向けの学習塾が限られてしまうこともあります。その点、くもんは未就学児から通えるので、小学生になってからの「学びの場の確保」にも最適です。
年齢・学年に関するご質問(https://www.kumon.ne.jp/qa/top/gakunen.html)
くもんに通うには何歳からがベスト?理由や教室選びのポイントを紹介(https://studyclip.jp/how-old-kumon/)
くもんは何歳まで続ける人が多い?

教室によっては、大学生・社会人の受け入れもしているくもんですが、実際は中学・高校になっても続けている人はどちらかといえば少ないといえます。
くもんを習っている割合は、未就学児から低学年が特に多く、年齢が上がるにつれて生徒の割合は低くなっていきます。何歳まで続けるかは、子どものやる気や家庭の方針によりますが、迷ったら以下を目安にするのがおすすめです。
・高学年になったら:多くの集団授業の塾が、学習の場の選択肢に加わる
・中学受験をしようと思ったら:くもんの学びと、受験勉強は内容が異なる
・ほかの習い事とのバランス:くもんは週2回で宿題も多いので、負担はやや大きめ
・小学校卒業のタイミング:中学生になると生活リズムが大きく変わるケースも多い
・学習進度に区切りを決める:「○○レベルまで終了したら」など、目標を決めておく
子どもの身になっていれば、年齢が上がっても続けることでメリットが得られるでしょう。区切りをつける際には、「何歳まで」と決めてもよいでしょうし、くもんでの目標や、くもん以外の習い事を考慮するのも1つの方法です。
公文の算数はいつまで?辞めた後は?やめ時の設定方法(https://3ninkosodate.com/education/000051/)
くもんを続けるとどんなメリットがある?

くもんは幅広い年齢の子どもの学習に役立つ習い事で、続けるメリットは多くあります。子どもにとっての6つのメリット、そして保護者にもうれしいポイントを紹介します。
”自ら学ぶ”習慣が身につく
くもんの教室では自分で教材を読み込んで理解し、問題を解きます。また、「多い」といわれる宿題は、次のくもんの日までに計画的に進める必要があり、教室・自宅での学習を通して「自ら学ぶ」という習慣が身につきます。
年齢が上がるにつれて、「宿題+α」の学習の重要度は増すので、年齢が低いうちからくもんで勉強習慣が身につけば、受験などを迎えても難なく自学に取り組めるでしょう。
基礎学力がアップする
くもんの教材は、1つのテーマに対して裏表印刷のプリントが200枚あります。教室・そして自宅で1日5~10枚のプリントを進めていく学習法を通じて、大量の問題を解くことになり、結果、基礎学力が向上します。特に、算数は多くのプリントをこなすなかで、計算のスピードや正確性が高まります。
自分のペースで学べる
個々の学習レベルに合った教材の提供で、自分のペースで学べるのもくもんの魅力です。「集団授業では『わからない』をそのままに進んでしまう」、「個別指導は解説メインで取り組む問題数が少ない」と感じる人も、くもんなら苦手を確実に克服しながら、じっくりレベルアップできます。
反対に、学年を超えた教材にも取り組めるので、「もっとハイレベルな内容を学びたい」と思っている人にもおすすめです。
つまずきにくく確実な理解につながる
くもんのプリントは、イラストや図形などを多く用いて簡単に理解できるよう工夫が凝らされています。文字ばかりの解説ではないので、年齢が低い子どももスムーズに内容を把握し、問題に取り組めます。
また、スモールステップなのでつまずきにくいのもメリットです。「できない」「わからない」が多いと子どもは学びに消極的になってしまいがちですが、「できた!」が多いくもんは、子どもの意欲的な学習も促進するでしょう。
正確で速い処理ができるようになる
くもんはプリントの数がとにかく多いので、日々の課題をスピーディにこなしていくことも求められます。はじめは「間違えないようにやろう」と、時間をかけて慎重に取り組んでいても、慣れてくれば正確性を保ったまま、処理スピードを上げることが可能です。
処理スピードと正確性が認められれば、指導者が次のステップに進むかどうか打診してくれるので、「ただ速いだけで間違いが多い」ということにならず安心です。
表彰や認定証で自信がつく
くもんでは、「高進度学習者賞」という表彰制度を設けており、たとえば年度末に基準進度以上の学習をしている生徒などは、記念のオブジェがもらえます。ほかにも「最終教材を修了した」「認定テストに合格した」など複数の部門があり、記念オブジェは部門ごとにカラーなどが変わります。
「表彰されたい」「認定証が欲しい」などの目標を持てば、より前向きに学習できますし、実際に表彰されれば、コツコツ頑張ってきたことが間違っていなかったと、自信も持てるでしょう。
保護者にとってのメリットも!
くもんは受講する教科数にかかわらず、週に2回教室に通います。1教科あたりの学習時間はおよそ30分で、そのあいだ保護者は子どもと離れるので、買い物などの用事を済ませることも可能です。そのため、「子どもを預かってくれて、さらに勉強も見てもらえる」と、幼児期からくもんに通わせる家庭も一定数存在します。
また、幼児・小学生のくもんの月謝は、1教科あたり7,150~7,700円です。この値段で、週2回、約30分見てもらえ、さらに宿題のプリントも大量に配布されるので、コスパは非常によいといえます。教科数を増やせば月謝は高くなりますが、そのぶん1回あたりの学習時間やプリントは増えます。
集団・個別指導の学習塾も、保護者の時間の確保に貢献しますが、通える年齢に制限があるケースが多いです。その点、年齢が低くても習えるくもんは、保護者に与える影響もより大きいといえるのではないでしょうか。
子供に公文(くもん・KUMON)を習わせるメリット・デメリットは?学研教室・そろばんとの比較も!(https://kodomo-booster.com/articles/344#/)
公文(くもん)式のメリットとデメリットは?塾や他の教材との違いを詳しく知りたい(https://www.risu-japan.com/soudan/kumon_merit_20240708/)
高進度学習者賞 表彰基準・要件(https://i-kumon.kumon.ne.jp/i-kumon/articles/ouen/15)
くもんを何歳から何歳まで続けるかは、メリットも踏まえて都度検討しよう

人気の習い事の1つであるくもんを続けると、学習面を中心に多くのメリットが得られます。しかし、何歳から始めても「同じテーマを繰り返し学ぶのは面倒」「周囲と競争することでやる気が出る」という子どもは、メリットを実感できないかもしれません。
「子どもの特性と学習スタイルが合っているか」は、何歳まで続けるかを決める要素の1つです。子どもの学習状況などをチェックし、公文式学習の効果が出ているかを見極めましょう。


