学校をズル休みしようとする息子を叱っただけなのに、父親は虐待を疑われ警察から職務質問を受けるはめになってしまった!? という友人家族のお話です。事の発端は、体は元気なのに学校を休む不登校気味の次男をうらやましく思った三男の行動で…?
息子の習い事で仲良くなった友人家族

私には、息子の習い事で知り合って家族ぐるみで仲良くしている友人家族がいます。旦那さんは、性格はおだやかなのに見た目がまるで「レスラー」のようながっちりとした体格で威厳がある人。そして、個性豊かな3人の子ども達。
まずは、中3の長男。有名私立中学へ通うまじめで優等生タイプです。続いて、両親の悩みの種である中1の次男。もともと無口で引っ込み思案でしたが、コロナ禍をきっかけに不登校気味になってしまったそうです。そして、わんぱくを絵に描いたような小学4年生の三男です。
そんな家族を縁の下で支えているのが、私にこの話を教えてくれたママです。三歩下がって歩くタイプなのに、おしゃべり上手で面白い。このママが一見悲惨に思えるような今回の話を、面白おかしく笑い話に変えて話してくれたのです。
不登校に拍車がかかる次男と、それをうらやむ三男

コロナ禍で休校になった後にしばらくして学校が再開しましたが、例の友人家族の次男は学校に通えなくなったそうです。イジメなどの理由は無く健康にも問題は無いのですが、心が繊細な次男はコロナ禍の影響でさらに心が不安定になり、不登校になってしまったそうです。
ある日、いつものように次男は学校に行かず朝からゲームをしていました。体は元気なのに学校を休んで家でゲームをしている次男の生活を、三男はうらやましく思っていたそうです。三男は朝の支度をやめて、一緒にゲームをやり出したそうです。
父親から叱られた三男は、裸足で逃げ出した!

そんな様子を見かねた父親が
「三男は早く学校へ行きなさい」と、叱りました。三男は自分にだけ言われたことに納得がいかなかったのか、急に裸足で玄関を飛び出し学校とは反対方向へ走り出したそうです。慌てた父親はすぐに追いかけます。
「待てコラー! 止まりなさいー!」と、レスラーのような父親が追いかけます。
「こ、殺される~」と、裸足の三男が逃げます。その光景は異様だったことでしょう。学校とは反対方向へ逃げたため、登校する学生たちと何人もすれ違いそのたびに二度見されたそうです。
普段からスポーツをしていて体格も立派で体力もある父親。いくら元気な三男でも、ほどなくして捕まりました。はぁはぁ息を切らしながら、
「なんで逃げたんだ!」
「だって! だって」のようなやり取りをしていると、父親の肩を誰かがトントンと叩いたそうです。
三男は父親に、父親は警察に!?

振り返ると警察官が二人いたそうです。どうやら、「裸足の小学生が、レスラーのような大男に追いかけられている」と通報があったよう。慌てた父親は、自分たちは親子だということと今回の理由を説明しました。最初は親子ということも疑われたそうですが、なんとか信じてもらうことが出来たそうです。
親子だからといってもその状況があまりにも異様だったのか、「もしかしたら子どもが虐待を受けていて逃げ出してきたのでは…」と疑われ、警察は三男のTシャツをまくり上げ、体に傷やあざが無いかチェックされたそうです。虐待をしているわけではないので、もちろんどこにも傷やあざはありません。
家では、なかなか帰ってこない二人を次男とママが心配して待っていたそうです。するとそこに父親と三男が警察官二人と一緒に帰ってきたそうです。それから友人家族は事情聴取を受けた後に厳重注意をされ、警察官は帰っていったとのこと。
子どもを叱っただけで職務質問を受けるなんて、思ってもみないことですよね。なのに、そのママは身振り手振りを交えながら臨場感たっぷりに面白おかしく私に話してくれて、思わずお腹を抱えて笑ってしまいました。友人家族が今後、家族でしっかりと問題に向き合っていい方向に進んでくれれば嬉しいです。
改めて子育ては難しいと痛感した話でした。
(ファンファン福岡公式ライター/北島しずく)


