【リポ】写真家・浅田政志さんと久留米市が1年かけた写真展「わたしとくるめ」ついにお披露目! 3/30まで

 福岡県久留米市の久留米シティプラザが、映画「浅田家!」のモデルとしても知られる写真家・浅田政志さんとコラボした話題の写真展「わたしとくるめ」。2024年4月のキックオフイベントを皮切りに、久留米に関する10のテーマで投稿者などの思い出を再現し、遂に大型パネルが完成しました。作品は3月30日(日)まで同館内に展示されています。公開直前のお披露目会の様子をリポートします!

市民と作り上げた演出写真10点。夏の撮影を映像で振り返る 

エピソード投稿者やエキストラとの久しぶりの再会に笑顔を見せる浅田政志さん

 久留米シティプラザ全体を展示場に見立て、アーティストと市民が一緒に作り上げた写真を展示するプロジェクト「プラザあちこち写真館」。第1弾(2024年度)のアーティストは写真家の浅田政志さんです。
 4月のキックオフイベントからスタートし、エピソードやエキストラの募集、撮影、パネル制作など浅田さんと市民が一緒に1年かけて取り組んできました。そしていよいよ写真展「わたしとくるめ」が3月1日から公開に。前日の2月28日、エピソード投稿者やエキストラ約20人が、同館で開かれたお披露目会に出席しました。

メイキング映像を見ながら撮影を振り返ります

 8~9月に実施された撮影以来の再会に、会場の参加者の顔を見て浅田さんも笑顔。「展示のために皆さんと一緒に頑張ってきて、やっとお披露目できます。その町に行って、その町の人と一緒に作品を作るのは本当に楽しくて、これ以上のやりがいはないと思います」とあいさつしました。

「ラーメンの撮影はめがねのレンズを曇らせるのに苦労しました」

 撮影したのは、【ラーメン/エツ(魚)/そろばん/酒/うわばき/病院/久留米絣/鬼夜/かっぱ/自転車】といった10のテーマにまつわる市民の思い出を再現した写真。浅田さんは、それぞれのメイキング映像を流しながら撮影時の苦労話や印象に残ったシーンを振り返ります。
 水の祭典久留米まつり「一万人のそろばん総踊り」を再現したシーンでは「容赦なく水をかけて、皆さん、びしょびしょになりました(笑)。夏だからこそできた撮影でしたね!」などと話が弾みます。

浅田さん作オリジナル台紙に貼られた写真が進呈されました

 一通り映像で振り返りが終わると、エピソードが採用された10人に浅田さんから展示作品の2L判がサプライズでプレゼントされました。これには皆さん大喜びでした!

久留米をテーマにした写真が大きなパネルに! 手書きエピソードも必見

浅田さんのナビで展示作品を巡ります

 その後、同館の地下1階から3階に展示されている10点を参加者と見て回ります。浅田さんのナビゲートのもと、作品を前に参加者と撮影時の様子を和やかに語り合います。

パネルは1.3m×2mサイズ。浅田さん扮する「あさっぱ」も探してみて

 幅1.3m、高さ2mというビッグサイズのパネルは迫力満点。写真の下にはテーマにまつわるエピソードが、エピソード投稿者による手書きで記されています。「写真に加えて文章もあるのが、今回の展示のポイントの一つ。難しいことは書かれていないので、小学生にも分かってもらえると思います」と浅田さんは説明します。

キッズカメラで作品を撮影するエキストラの男の子も

 投稿者にとって忘れられない人生のワンシーン、忘れたくない日常の一コマが色鮮やかに表現された写真に、参加者も大感激している様子でした。

「あの時と同じ衣装で来ました!」と酒チームの出演者

 20人が撮影に参加した「酒」チームからは、撮影時と同じ衣装で4人が来場していました。「真夏だったから暑くて暑くて。でもみんなの団結力が増して楽しかったですね」と思い出を話します。
 撮影時に浅田さんが7段脚立に乗るなど大がかりな演出になった「酒」には、なんと本物の警察官も出演しています。久留米市の協力体制に「こんなことは初めてでした」と浅田さんも驚いていました。

「かっぱ」の撮影で大活躍したくるっぱも駆けつけました

 久留米市のご当地キャラクター、くるっぱが撮影に参加した「かっぱ」にも注目を。猛暑の中、新調したタキシードを着て迫真の演技を見せたくるっぱに、浅田さんも改めて拍手を贈っていました!

撮影は思い出を残し、思い出を作る装置!

「かっぱ」エキストラのキッズと記念撮影

 館内を回り終え、浅田さんは最後に「今回はある思い出を題材にして、みんなで大がかりな撮影をしたり、意見を出し合ったり、演じてみたりすることによって、撮影自体が思い出になったと思います。撮影は思い出を残すだけではなく、思い出を作る装置でもあります。今回撮った写真が皆さんのそばで50年、60年と生きてくれたらうれしいです」と語りかけました。

 また、久留米での1年を振り返り「今回、80人くらいの人と出会えて、思い出話をしたり、共同作業をしたり、久留米のいろいろな景色を見られたり、僕にも思い出がいっぱいできて本当に楽しかった。その楽しい気持ちが見に来てくれた人にも伝わればいいなと思います」

「ラーメン」エピソード投稿者の親子とハイタッチ!

 ロビーでは、撮影参加者が浅田さんとの再会を喜び、記念撮影をしたり別れを惜しんだりする姿が。この時間もかけがえのない思い出になりそうですね。

「かっぱ」エピソード投稿者の古賀仁美さん(右)と長女の美陽さん

 「かっぱ」のエピソードを投稿した古賀仁美さんは「この写真撮影を通して、娘が鬼メンタルだと気付きました。同級生や先輩が見ている中で、恥ずかしがらずに演じていて頼もしかったです!」。美陽さんは「いつも通っていた駅が、撮影してもらったことでかけがえのない駅になりました。たくさんの人にこの展示を見てほしいです」と話します。

最後はかっぱのポーズで!

 期間中はいつでも、何度でも無料で観覧できます。この1年間、企画に携わった久留米シティプラザの広報担当者は「1枚の写真に思いを込める大切さを伝え続ける浅田さんの姿勢とともに、細部までこだわった遊び心たっぷりの演出写真をお楽しみいただけます。久留米に暮らすさまざまな人々の思い出が、ご自身の思い出とリンクしたり親近感を覚えたりするのでは。ぜひ館内を散策しながらアンケートやクイズにもご回答ください。浅田さんのサイン入り写真集などが抽選で当たりますよ!」と呼びかけます。

 最後に浅田さんからのメッセージを。「10人の思い出が、鑑賞者の記憶に接触する部分があったらいいなと思います。気軽にわいわいと館内を歩き回って、見る写真体験をぜひ!」

写真家・浅田政志×久留米市 「わたしとくるめ」

日時:開催中~3月30日(日)  8:30~22:00
   ※休館日の3月17日(月)を除く
場所:久留米シティプラザ館内10カ所(地下1~3階)
住所:福岡県久留米市六ツ門町8-1
料金:観覧無料
問い合わせ:久留米シティプラザ
電話:0942-36-3000

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