今から数年前、娘が保育園の年少さんだった頃の話です。クラスで「将来の夢を発表しよう」というイベントがあったのですが、その時に娘が話した夢は、何とも意外なものでした。大人たちが驚いた、予想外すぎる将来の夢とは?
それまでの娘の夢は「お花屋さん」
4歳の娘は、好奇心旺盛で、チャレンジ好きだけども、同級生の中では少しマセているかな? という感じの子。他の子がヤンチャしたり、ふざけている時には
「先生の言うこと聞かないとダメよー」と言ってまわるタイプでした。
3歳の頃に
「将来の夢はなんですか?」と質問をすると、
「おはなやさんになりたい」
「ケーキやさんになりたい」
「アイドルになりたい」など、同世代の子ども達と同じような夢を家族や、保育園の先生にも言っていました。
将来の夢を発表するイベントをすることに
年少さんの終わり頃に、「将来の夢をみんなの前で発表しよう」というイベントが保育園でありました。保護者は不参加のイベントだったので、子ども達が発表した内容を先生が台紙に書いて、保護者にその台紙をプレゼントする、というものでした。
発表会が近付くにつれ、娘は自宅で
「もうすぐ発表会だから、ちゃんと考えておかなきゃ!」と、お風呂の時などによく話しかけてきました。
「何の夢にしようかなー、アレもいいなーコレもいいなー!」と、楽しそうに悩む娘。その時は以前と同じように、お花屋さんやケーキ屋さんと言っていました。
その娘の可愛らしい悩みに対して、私も夫も
「あなたの思うように発表したらいいのよ」
「元気に発表できたらいいね」とアドバイスし、娘も
「わかったー!」と笑顔で答えてくれていました。
娘の将来の夢はまさかの…
迎えた発表会当日、娘は元気よく保育園に向かいました。娘を保育園に預けた後、私は「どんな夢になったのかなぁ?」と考えながら職場に向かいました。
そして夕方。お迎えに行くと、そこには自信満々の表情の娘の姿が。
「お母さん! 頑張ったよー!」と言っていますが、横にいた担任の先生がいつもよりもニヤニヤしています。そして、先生が
「お母さん、コレを…」と言いながら保護者用のプレゼント台紙を私に手渡します。
そこには「牛になりたいです(女の子ウシ)」と書いてあるではないですか…! 予想もしなかった夢の内容に、私は吹き出してしまい、担任の先生も一緒に笑っていました。
先生がおっしゃるには
「姿勢を正して、いざ発表! という凛とした空気だったのですが…。その直後、娘さんが『牛になりたいです! 女の子ウシになりたいです!』と大きな声で発表してくれたんです。真面目にやっているんだから笑っちゃいけないと思いつつ、直前のピシッとした空気と、話す内容のギャップで、職員一同笑ってしまいました」とのことでした。
きっかけは何だった?
ちなみに、帰る途中で
「何で牛になりたいと思ったの?」と聞いてみると
「お昼ごはんの時に牛乳を飲んでたらね、牛さんってなんかいいなぁって思ったの。私は女の子だから女の子牛がいいなぁって思ったの」と真顔で話す娘。色々悩んだ結果、発表会直前に思いついたイメージをそのまま声に出したという事なのでしょうか…?!
そんな娘も今や10歳。小学校でも時々「将来の夢は?」というテーマで作文を書いたり、発表をしたりする機会があります。娘も10歳なりに一生懸命考えて発表するようになりました。成長が嬉しい反面、「牛になりたい」と言っていた娘は可愛かったなぁ… と少し寂しい気持ちにもなります。
(ファンファン公式ライター/すずとふくみみ)