わが家の年末は義実家への帰省が恒例。義実家と聞くと、ママは手伝いで大変そうなイメージがありますよね。私の場合は嫁を気遣ってくれる義母のため、そうした悩みはないのですが・・・。ある年の年末、義母のすすめにより、かえって疲れ切ってしまう出来事が!
義母がある提案を
義実家は在来線と新幹線を乗り継いで3時間ほどの距離の、地方都市にあります。わが家よりもずっと都会で、マンション住まいな義母は、程よい距離感で優しく接してくれる人。
夕飯の手伝いのためにキッチンへ行くと、義母が言いました。
「夕飯は私が用意しておくから、近くの温泉に行って来たら?」
「でも全部お任せするのは悪いので」
「簡単な料理しかしないから大丈夫よ。うちのお風呂狭いし、せっかくだから家族3人で行ってきて」確かに義実家のお風呂は気を使うので、義母の言葉に甘え、車を借りて日帰り温泉に行くことになりました。
ハードすぎ?! 子連れ温泉で疲労困憊
温泉は思いの外遠く、渋滞にはまりながら1時間ほどかけてやっと着きました。息子はオムツがとれたばかりで、温泉は初めて。女湯に連れて行くと、広い温泉に息子は大興奮。手を繋いでも振り払って走っていこうとするので、転んでケガをしないかと冷や冷やしました。騒がしい息子が周りに迷惑をかけないように、体を高速で洗い、少しも温まらないまま温泉を後にしました。
「○○くん、温泉はどうだった? 」
「すっごく楽しかった!」息子は目を輝かせて言いますが、私はもうへとへと。義母が用意してくれた夕飯を頂きながら、周りに気を遣わずに暖かな室内で過ごせることにほっとしました。
次の日の夕方、またもや義母から提案が。
「昨日、○○くん喜んでいたわね。今日も温泉に行って来たら?」
「またお義母さん一人にご飯の用意をしてもらうのは悪いので、お手伝いさせてください」温泉での大変さを思い出し、今日こそは義実家でゆっくり過ごさせてほしいと思い、力を込めて言いますが…。
「出前にする予定だから大丈夫。嫁ちゃんもずっとうちにいるのは気疲れするでしょ?」上手く返事ができずにいる私の傍らで、息子は温泉と聞いてもう大喜び。夫も女湯での大変さを理解していないので、
「じゃあ行ってくるか」と、温泉に行く準備を始めてしまいました。
「今日は男湯に行ってみたい!」温泉に着くと息子が言いました。夫は大変さを分かっていないので、喜んで息子を連れて男湯へ。私は息子を見なくて済むことにほっとするも、男湯での息子が気掛かりで、早々に体を流して出ました。
休憩室に向かうと案の定、げっそりした様子の夫。息子は大人たちの疲れなんてつゆ知らず、嬉しそうにフルーツ牛乳を飲んでいました。
この日は帰りの車で息子が寝てしまい、義実家に戻って目を覚ますと、息子のテンションはマックス! 夜遅くなってもなかなか寝てくれず、私は疲れ果ててしまいました。
お願いだから、義実家で過ごさせて!
結局3日目の夜も義母のすすめで温泉へ行くことに。
息子は温泉にじっくりと浸からず、脱衣所では中々パジャマを着ないので、湯冷めをして風邪をひいてしまい…。帰りの新幹線では家族3人ぐったりでした。
義母の提案で思いがけず、へとへと温泉巡りとなってしまった帰省。嫁いびりとはほど遠いお義母さんですが、行き過ぎた気遣いでかえって大変な思いをしました。
次回帰省するときは、義母の気持ちを踏みにじらずに“温泉巡り”を断り、のんびり過ごすことができたらいいなあと思っています。
(ファンファン福岡/一般ライター)