「こわい! 虫が来る!」真夜中に幻覚を見る娘 親も恐怖の熱せん妄

 「熱せん妄」をご存じでしょうか? 子どもが熱を出した際に、ぼーっとしたり意味のわからないことを言ったりと、異常な行動をとることを「熱せん妄」と呼びます。ちょうど娘が3歳になった頃、わが家でも恐怖の熱せん妄を体験することとなったのです…。

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高熱を出した娘

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 娘が3歳になってすぐのことです。保育園から「熱がある」と呼び出され、仕事を早退してお迎えに向かいました。熱は38℃ほどありましたが本人はいたって元気な様子。

 迎えてすぐ
 「ママ、パン食べた〜い」というくらいに食欲もあり、病院からもらった解熱剤も家に残っていたので、そのまま自宅で様子を見ることにしたのです。

 夜になって疲れがきたのか娘はいつもより早い19時には眠りにつきました。この時の熱は38.5℃前後。少し息は上がっているものの、ちゃんと眠れていたので「明日になっても下がらなかったら病院へ行こう」と考え、そのまま様子をみることにました。

夜中に突然の恐怖が襲う…

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 恐怖は真夜中にやってきました。

 「パパ! ママ!! こわい! きゃーっ!!!」突然、娘の悲鳴が聞こえたのです。驚いた私が娘のほうをみると、隣で寝ていた夫に必死でしがみつく姿がありました。

 夫は
 「怖い夢見たの? 大丈夫だよ〜」と声をかけ、娘の背中をトントン。
 「ねぼけちゃったのかな、可愛いね」なんて話し、娘も一瞬落ち着いたかのように見えたその時、再度
 「きたっ! こわい! こわい! だっこしてだっこ! きゃーーー!」と言って窓や天井を指差し、必死に抱っこをせがみ始めたのです。

 その怯え方は尋常ではなく、まさに「見えない何か」が見えているようでした。抱っこされてもなお、窓を指差し
 「むし! こわい!」とバタバタと暴れる娘。

 そんな娘の異常な行動に私は恐怖を覚え、動悸と震えが…。とっさに娘の目をふさぎ
 「ほら見えない。目つぶったら見えないから大丈夫だよ」と声をかけ続けました。

 それからは、目を開けてまだ「虫」が見えているようなら目をふさぐの繰り返し。すると娘も徐々に落ち着きを取り戻し、目を開けても大丈夫な状態になりました。

恐怖からひと晩明け…

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 その後、娘は何事もなかったかのように再度眠りにつきましたが、私と夫は心配でほぼ眠れずに朝を迎えました。翌日、すっかり平熱に戻った娘に昨夜のことを聞いてみると
 「わからなーい」といった返答で、なんとまったく覚えていなかったのです。

 熱せん妄は1〜10歳の子に見られる症状で、珍しいことではないそう。まずは親が落ち着いて、子どもを抱きしめ安心させてあげること、パニックから家を飛び出してしまう子もいるため、窓・玄関の鍵はしっかりしめておくことが大切だと病院の先生が教えてくれました。

 当時、熱せん妄なんて言葉すら知らなかった私は、状況が把握できず本当に焦りました。こんな症状があるんだ! と事前に知っておくことで、多少構えておけるのではないでしょうか。親も恐怖の熱せん妄体験記、少しでもどなたかの参考になれば幸いです。

(ファンファン福岡公式ライター/きゆな なみ)

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