小学3年生の息子の発達が心配で、担任の先生に相談。ベテランの先生の答えは、どんな育児書やカウンセラーの言葉よりもスッと心に入るものでした。子どもの成長について少しでも気になることがある方へ、考え方の参考になればと思いその時のエピソードを紹介します。
低学年の男の子なんてこんなもの?
息子はとにかくマイペース。時間通りに家を出られないのは毎日です。学校にはギリギリ間に合っているようですが、忘れ物ばかり。
2年生に上がると友達と些細なことで小競り合いになっているようで、叩いた・叩かれた等で度々先生から連絡がくるように。借りた文具を壊してしまった時や、給食を盛大にこぼして相手の衣服を汚してしまった時など、同級生の家に謝りに行ったこともあります。
他にも毎日のように鉛筆や消しゴムをなくし、宿題にもなかなか手を付けず、私が見張ってないとやらない始末…
ママ友に相談すると
「小学生男子なんてそんなもんでしょ!」といわれてしまいました。ママ友は大丈夫と言いますが、私は真剣に「わが子の発達は大丈夫なのか」悩んでいました。
勇気を出して担任の先生へ相談!
3年生になり、個人面談で思い切って担任の先生に相談してみました。穏やかなベテランの女性の先生で、私の話をゆっくりと時間をかけて丁寧に聞いてくれました。
先生は私の話を聞いて、学校としてはそのような相談があれば専門の機関を紹介したりすることはできるため、希望すれば役所と連携をとって紹介もできると教えてくれました。
その上で、
「息子君は学校生活を楽しんでいるように見えますか?」と聞いてきました。息子は学校が大好きで、風邪を引いて休んだ時も
「学校行きたかった…」と言うくらいです。何故そんな質問をしてくるのか疑問に思いながらも、
「楽しんでいるように見える」と答えました。
「そうであれば、様子を見る感じで良いと私は思います」と、にっこりと笑顔で答えてくださいました。
様子見で良いと判断した理由とは?
「今回のお話を聞いて、困っているのは”お母さん”なんだなぁと思ったんです。もちろん子どもを育てるのは大変。私も何が正解かわからない時はあります。私が様子見でもいいと思ったのは、息子君は困ってないように見えるからです」
「確かに、息子君は忘れ物もしていますし授業中におしゃべりして私に怒られることもよくあります。喧嘩もありますが、やろうと思っているのに上手くできなくて困っているみたいな感じは見られないんですよね」
先生は言葉を選びながら、優しく私と話をしてくれました。ここで初めて私は息子の気持ちを考えていなかったことに気づきました。
子どもの発達を心配する時の考え方の一つとして、”子ども自身がどう思っているか”を汲み取っていくというものがあると、先生と話して初めて気づくことができました。母親である私が困っているかどうかではなく、子どもが生活に支障をきたしているか・立ちまわり方に行き詰まっているかどうかという点を見定めることが大切だとアドバイスをいただきました。
すべての子に当てはまる話ではありませんが、このような考え方があるんだということは知っておいても損はないでしょう。勇気をだして先生に相談してよかったと思っています。
今は、過干渉になりすぎないよう見守ることにしつつ、困り事があった時には相談しやすいような関係性を築くことにしました。相変わらず忘れ物やお友達とのいざこざはありますが、息子なりに少しずつ成長していってもらいたいと思っています。
(ファンファン福岡 公式ライター/塚原 朋子)