子どもの成長は楽しみなもの。「大きくなったなら何になりたい?」と、子どもに質問したくなりますよね。ところが、わが子の夢は、びっくりするくらい現実的。今回は、息子の「もっと夢を持って~!」と叫びたくなる将来計画を聞いてください。
少しずつリアルになる息子の“夢”
幼稚園年少時代の息子の夢は「戦隊ヒーローになる」こと。
当時は、日曜朝の特撮番組を毎週リアルタイムで見ていました。家では戦隊ヒーローグッズのおもちゃで遊び、お友達とは戦いごっこばかり。「夢も子どもらしいなあ」と、微笑ましく思っていました。
様子がおかしくなったのは、幼稚園年中の頃。息子の幼稚園では、七夕行事の一環で、短冊に書いた願い事を笹の葉に吊るします。保護者は送迎のときに、子どもが書いた短冊を見ることができるのですが。
息子の短冊に書かれていた言葉は、「おかねもちになりたい」。
「え!? お金持ち!?」初めて聞いた“夢”に、私は首を傾げます。息子には誕生日やクリスマスにプレゼントを贈っていますし、私と夫の両親は健在なので、顔を見せに行くとおもちゃを買い与える甘さです。
不自由をさせているつもりはなかったのですが…。息子には何か欲しい物があるのでしょうか?
帰宅後、息子に
「七夕のお願い事に書いてあったけど、どうしてお金持ちになりたいの?」と、尋ねました。すると、帰ってきたのは意外な答え。
「だって、お金持ちだと安心して暮らせるでしょ!」息子はドヤ顔で胸を張りました。
なるほど、確かに間違っていません。
「4歳児にしては、しっかりしてるよね~」と、その時は夫と一緒に笑ったのですが… 1年後、息子の夢はさらに現実味を帯びます。
卒園文集に書いた驚きの“夢”
息子の幼稚園では、卒園時に文集を作ります。内容のテンプレートが家庭に配布され「幼稚園で楽しかった遊び」や「大きくなったらなりたいもの」を書いて、園に提出する方式。
息子は「大きくなったらなりたいもの」の欄に、堂々とした文字で「へいわにくらす」と記します。
平和に暮らす、とは…?
「どういうこと?」と、尋ねると、息子はニコニコしながら答えます。
「お嫁さんと子どもとおだやかに暮らしたいんだぁ」
5歳児の大人びた答えに、「君は人生何回目!?」と聞きたいのをこらえ、
「そっかあ… 平和に暮らせるといいね」と答えました。
将来計画はいっそう具体的に
息子は、未就園児の頃から堅実家の片りんが見えていました。初めて行く公園や児童館では、周りの様子を私のそばでジーッと見つめ、安全だと確認できたら、子どもの輪の中へ行くのです。
そんな息子は今、小学校2年生。堅実さはいっそう磨きがかかりました。ランドセルの中身は、物を入れる場所をきっちり決め、学校への忘れ物を一度もしたことがありません。出かけるときは
「お母さん、ケータイ持った!?」と、私が確認される始末。
“将来の夢”もいっそう具体性のある“人生設計”に進化しました。
将来やりたいことは「残業のない会社に入る」こと。自分の子どもと遊ぶ時間を確保するため、定時で帰りたいそうです。
結婚は絶対。学生時代に恋人を作り、仕事を始めてから結婚するとのこと。子どもは一男一女がいいと豪語しています。
息子の計画の中で、私はすでにおばあちゃんなんですよね。早すぎじゃないでしょうか。
「しっかりしてる!」と安心すべきなのか、「もっと夢を持って~!」と嘆くべきなのか…。
将来の選択肢が増やせるよう、「いろいろな体験をさせなければ」と心に誓うのでした。
(ファンファン福岡公式ライター/芦谷)