結婚式の「ウェルカムボード」はオリジナリティあふれるものがたくさんありますよね。さまざまな選択肢がある中で、友達に依頼する人も多いのではないでしょうか? 私も友人から「ウェルカムボードを作ってほしい」と頼まれました。しかし、いざウェルカムボードが完成し、連絡を取ると思わぬ事態が起きていたのです。
結婚報告とウェルカムボードの依頼
元職場の同僚のA子は私と同い年。仕事や恋愛まで深い話ができる気の置けない友達です。明るい性格で行動力もあり友達もたくさんいます。元の職場を退職してからは、定期的に食事をして近況報告をしていました。
私に子どもが生まれてからはなかなか時間が合わず、電話やLINEで連絡をとっています。そんなA子から
「会って話がしたい」と誘われ、久しぶりにランチに行きました。
「来年結婚することになったよ」と電撃結婚の報告。
「結婚式のウェルカムボードを作って欲しいの」ハンドメイドが好きな私に、どうしても頼みたかったとのことでした。
「もちろん作らせてもらうよ! がんばるね」A子の幸せそうな姿を見て私は胸がいっぱいになりました。 私にウェルカムボードを依頼してくれたことがうれしく、その場でA子の希望や好みを聞いてイメージを膨らませました。
A子の結婚式までには半年以上もありましたが、仕事や子育ての合間に作るとなるとのんびりもしていられないと、早いうちからウェルカムボードを作る準備をしました。
友人の意外な返答!?
「サプライズをしたい」という気持ちが私の中で強く、A子の好きなお花屋さんにリースを頼んだり、似顔絵を描いたり…。早めに取り掛かったのに、ウェルカムボードが完成したのは結婚式の半月前でした。
やっと完成したウェルカムボードは自分なりに満足のいくものになりました。「A子はきっと喜んでくれるはず」と渡すのが楽しみでわくわくしました。
完成報告の電話をA子にかけましたが、留守番電話に。LINEを送っても返事がなく、A子から連絡が来たのは数日後でした。
「結婚式の準備で毎日バタバタなの。何か用事?」と、A子の少し迷惑そうなLINEに私は
「ウェルカムボードが完成」とだけ返しました。
すぐにA子から電話がありました。
「ごめん! ウェルカムボードを頼んでいたことを忘れていた!」
私は意外な言葉に驚いて
「忘れていたってどういうこと?」思わず、強い口調で言ってしまいました。
A子は、両家で結婚式について揉めてしまいスムーズに準備が進まなかったこと。バタバタしていてそのまま結婚式場にウェルカムボードを依頼してしまったことを謝ってくれました。
私は、A子の気持ちと自分のA子を喜ばせたい気持ちに温度差を感じ、悲しくなりました。しかし余裕がない中で正直に話をし、心から謝ってくれたA子をそれ以上責めることはできませんでした。
サプライズはほどほどに
翌日
「ウェルカムボードを結婚式に飾らせて欲しい」とA子が自宅に取りに来てくれました。
「作るのに時間かかったでしょう。本当にありがとう」とA子は喜んで目に涙を浮かべていました。
結婚式で、私の作ったウェルカムボードは入口の目立つ位置に飾られていました。新郎新婦の幸せそうな姿を見ていたらモヤッとした気持ちはすっかり晴れました。私は
「サプライズはほどほどに」と誓ったのでした。
(ファンファン福岡公式ライター/こはる日和)