「これからの時代」の働き方や仕事、次に流行るモノを未来予測しながら、発信を続けるアブローダーさんがコロナを通して「食」について考えました。 アブローダーさんは、福岡でも再び発令された緊急事態宣言を受けて、不要な外出をやめました。それに伴い、外食も控えるようになりました。これまで毎日のように外食をしていたにもかかわらず、今では自分で料理をしています。
外食をやめた
以前は、365日外食をするほど自炊は全くしていませんでした。 理由は「自分で料理するよりも外食が美味しい」「わざわざ自分で料理をする時間がもったいない」と考えていたためです。要するに「外食は美味しいし、食べたいときに食べられるし最高だ!」と思っていたほどです。
ただ、最近、あることが気になってきました。それは「体調の悪さ」です。しっかり寝てもだるさが残ったり、小さいことでもイライラしたりと原因がわからない体調不良が続きました。 そんな時たまたま読んだ本のなかで「食べ物は体調に関係する」という話を知ったのです。最初は「いやいや、食事で体調改善するならみんなやっているよ」と疑いながらも、「このいい機会に体調を整えてみよう」と何気なく自炊を始め、健康生活をスタートさせました。
1.外食をやめて全自動調理器を買った
これまで365日外食していた人間が、いきなり料理をするのは難しいです。 大学生時代、飲食店でアルバイトをしていた経験はあるものの、自分のために料理をつくるのは嫌いでした。料理をしようと思えばできますが、そもそも全く乗り気になりません。それくらいズボラな僕が料理をつくるために買ったのが「全自動調理器」のホットクックです。
ホットクックはその名の通り「ほっと」いても「クック(料理)」ができる機器です。例えば、カレーやビーフシチュー、おでんや豚の角煮、味噌汁など83種類以上の料理を全自動でつくってくれます。やり方は簡単。必要な具材を鍋に全部入れてボタンを押すだけ。あらかじめ一口大に切られた具材を買えば食材を鍋に入れるだけで料理ができます。これなら料理が嫌いな人でも簡単に自炊ができます。
さらに嬉しいのが、ホットクックでつくった料理は「すこぶる美味しい」ことです。これは低温で長時間かけてじっくりと食材に熱がはいるからです。これは、さつまいもが焼き芋にすると甘くなるのと同じ原理です。低温調理器を使うと食材の「甘味」も「旨味」も最大限引き出してくれます。 要するに、ボタン一つを押すだけで、食材そのものの甘味も旨味も引き出してくれる「プロ並みの料理」が簡単にできます。これまでは「自分でつくるより外食が美味い」と思っていましたが、今では「外食よりも全自動の自炊」が美味しいと思えています。だからこそ外食はやめました。
2.スーパーに行くのをやめてネットスーパーにした
全自動の自炊に味を占めた僕は、さらなる「食改善」を始めました。次に導入したのが「宅配スーパー」です。自炊をするためには食材を買いに行く必要があります。ただ「いちいちスーパーに行くのは面倒だな」と思っていました。そこで、ネットで食材を注文できる宅配スーパーを使うようにしました。スマホを使って1タップで購入できるので、買い物に行く時間を省くことに成功しました。 これも便利で、注文した商品を、決まった時間に届けてくれます。実際に使っているのは「楽天西友ネットスーパー」です。福岡であれば西友系列のサニーから食材を届けてくれます。値段も普通にスーパーで買うのとかわりません。食材がなくなったときに、スマホで必要な商品を「購入かご」に追加するだけです。一度購入かごに入れた商品は、履歴が残るため買い忘れがありません。重たい食材をわざわざ運ぶ必要もないですし、家から出ることもありません。そのためウイルスへの感染リスクも減ります。
「全自動調理器」と「宅配スーパー」を導入したおかげで、家から全く出ることなく、プロ並みの料理をコスパよく食べられるようになりました。新しいサービスを使って、「時間」も「お金」も有効活用できています。こうしたテクノロジーを使った「食サービス」は、「フードテック」として注目されています。 これからの時代の食品産業について書かれた本、『フードテック革命世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義』(https://amzn.to/39W6cDb)には「世界でフードテックがどれほど盛り上がっているのか」わかるデータが掲載されていました。アメリカのピッチブックの調査によると2014年頃からフードテック企業への投資額が一気に増えています。2019年の総投資額は1兆6050億円と、たった5年あまりで5倍にもなったとのことです。今、世界的にみても、食のテクノロジー化がどんどん進んでいます。フードテックと呼ばれる食革命が起きています。
3.好き勝手食べるのをやめてデータ重視の健康食にした
これまで「好きな物を好きなだけ食べる生活」をしていました。お寿司が食べたいと思えば、1週間、毎日100円寿司に通っていました。ヨーグルトが美味しいと思えば、近くのスーパーをハシゴしてヨーグルトを箱で大人買いして飽きるまで食べ続けるほどの「偏食」でした。 おかげで「遅延型フードアレルギー検査」では散々な結果となり、ミルクも卵も摂れないアレルギー持ちになるほど身体にガタがきていたのです。好きな物を好きなだけ食べる偏食は体によくはありません。この偏食が「体調の悪さ」につながっていたようです。
鈴木祐さんの有名な著書『最高の体調 ACTIVE HEALTH』(https://amzn.to/2LYREdV)によると、日常的な作業でも疲れてしまうような「慢性疲労」には「腸内環境」が関わっているという研究が紹介されています。2016年のコーネル大学では、慢性疲労症候群に悩む患者の腸内細菌が研究されました。結果は、慢性疲労症候群の患者は健康な人にくらべて腸内細菌の種類が少なく、疲れやすい人ほど体内の炎症レベルが高くなっていたとのことです。要するに「体のダルさ」は食べ物による「腸内の細菌」に関わりが強く、疲れやすい人ほど腸内環境が悪いのです。毎日口にする食べ物に気を配ることは、体のダルさや疲れやすさを改善する糸口になりそうです。 さらに3日で10冊以上の健康本や研究データを読み漁りました。その結果、現時点で僕には「食物繊維」と「ポリフェノール」が足りていないことがわかりました。厚生労働省が発表した「日本人の食事摂取基準」では1日の食物繊維の目標量が、18から69歳で男性20g以上、女性18g以上と示されています。これは100gのさつまいも7本分です。偏食だった僕は、この目標量の食物繊維を摂れていませんでした。
食物繊維は、さつまいもや野菜に含まれる腸内環境を整えてくれる物質といわれています。心臓系の病気や脳卒中、大腸がんなどの発症リスクが下がるという研究があります。これまたすごい物質です。またポリフェノールは、コーヒーやブルーベリーに含まれる抗酸化成分が強い物質です。腸に必要な細菌を増やしてくれたり、アンチエイジングや心疾患のリスク軽減や抗がん作用などが期待できる最高の物質といわれています。食物繊維もポリフェノールも腸内環境の改善に効果があるのです。 だからこそ食物繊維とポリフェノールをたっぷり摂る食事に変更しました。野菜をしっかり食べ、ベリー類やナッツ類を加え、コーヒーや緑茶などをとりいれる食生活です。もちろん、お菓子を食べたり、カップラーメンなどのジャンクフードも一切やめました。研究データをもとに食生活を抜本的にかえた結果、少しずつ体調が改善されていきました。腸内環境は整い、お腹のガスだまりや張りがなくなり、明らかにお腹の調子がよくなっています。また睡眠を測るデバイスでデータを測定したところ、食事改善する前よりも「深い睡眠時間」が1時間伸びていました。睡眠の質が向上したことで「日中のダルさ」は徐々になくなっていきました。 食事を抜本的に改善したことで、自身が感じる体感も測定した数値もかなり向上したのです。しっかり寝てもだるさが残ったり、小さいことでもイライラしたりと原因がわからない体調不良が続いた理由は「食」が関係していたようです。
食のテクノロジーを駆使して最高の体を手に入れる
今現在、より最高の体を手に入れるため、更なる食改善をしています。
全自動調理器と宅配スーパーのおかげで、プロ並みの料理を時間をかけずにつくることができるようになりました。また、食に関する知識を蓄え、あらゆる研究データを参考にし、自分の体で実践しました。おかげで「自分史上最も高いパフォーマンス」を発揮できる体に変化しています。 僕自身「まさか体調不良は食の問題であるはずがない」と疑っていたほどです。結果、驚くほど効果があらわれてびっくりしています。もちろん「〇〇を食べれば絶対健康になる」「〇〇は必ずダイエットに効く」という短絡的な話ではありません。自分に必要なモノをあらゆるデータや知見から俯瞰して総合的に判断する必要があります。あくまでも僕自身の体験談です。 緊急事態宣言が再令され、自粛によるストレスが溜まる世の中になっています。外出を控える必要がある時だからこそ、最新のフードテクノロジーを試すいい機会です。まずはフードテックについて勉強してみることを強くおすすめします。 文=アブローダー