うちの息子は2人とも発達障害です。その中でも自閉症で知的障害がない場合はアスペルガー症候群とも呼ばれます。そんなアスペルガーブラザーズの毎日はハチャメチャだけどなんとも面白い! そんな彼らの特にものすごかったエピソードトップ2をご紹介します。
一見フツーの男の子でも中身は…
私は高校生と小学生の2人の発達障害の息子を持つ母親。一見フツーの男の子にしか見えませんが、彼らの行動はフツーという範疇には収まらない時があるんです!
自閉症は、コミュニケーションが不得手、こだわりが強い、初めてのことが苦手、感覚過敏などの特徴があります。持って生まれた特性であり、完治はしません。でも療育(治療+教育)を受けることで、社会に適応していく方法を学んでいきます。専門病院で療育を受け、周囲に助けられながら育ってきました。
兄:救世主降臨編
長男が中3で高校受験を控えていた頃の話です。初めての受験に緊張する長男。不安を抱えながらモンモンとした日々を送っていましたが、ついに理性の堤防が決壊したようで…
ある晩突然、長男の部屋から
「うおおおおおおー!」という叫び声が! ビックリした私が部屋をのぞくと、そこには破れたTシャツと上半身裸の長男の姿が… どうやらモヤモヤが暴走し、着ていたTシャツを一気に破いてストレス発散したようです。
そんな長男の姿はどう見てもあの有名な世紀末伝説マンガ状態… 救世主降臨!? と心の中でつぶやく私。かの救世主のような筋肉隆々とは決していえない長男のぽよんとしたお腹を眺めながら、私は彼の胸の内をじっくり聞きました。
「不安で不安でしかたない」
「何をしていても受験が頭から離れない」と彼は泣きそうな顔で次々と愚痴をこぼします。でも話していくうちに、救世主のような厳しい表情をしていた顔が、だんだんと元の長男に…。「不安は話すとやわらぐんだ」ということを彼はようやく理解したようです。
弟:ラーメン大絶叫事件編
次は次男が小学校入学したばかりの頃です。何もかもが初めて尽くしに、ド緊張の次男… そして迎えた初めての給食の日。次男は感覚過敏があり、特に野菜の食感が苦手です。でもその日のメニューは息子の大好物のラーメン。その当時、次男にとってラーメンといえばシンプルな醤油ラーメン! というこだわりがあって…。
ところがそのラーメンには野菜がドッサリ! それを見た途端
「これはラーメンじゃなあああい!」と教室中に響き渡る声で次男は高らかに宣言! 周囲の頭の上には??? が…。後から担任の先生に事の次第を聞き、恥ずかしいやら申し訳ないやらとにかく平謝りした母です。
息子たちの仰天行動は成長への第一歩!
その後長男は第一志望の高校に合格し、現在は元気に通学しています。そして次男は、野菜入りラーメンも絶叫せずに食べられるようになりました(笑) 全部ではありませんが、食べられない野菜は「ああ、ちょっと君は無理かな」という表情で寄り分けながら、嬉しそうにラーメンをすすっています。どうやら彼の心の中で、ラーメンと野菜の和平条約が締結されたようですね。
はたから見るとなんでこんなことで? と思われることも彼らにとってはかなりの緊急事態! これからも息子たちはさまざまな緊急事態と出会うでしょう。でもその度に新しいことをまた一つ学んでくれると信じて、母は今日も息子たちにブンブン振り回されています。
(ファンファン福岡ライター/日野原花)