膝やその他の関節の痛みは辛いけれど、手術を受けることにはためらいがある…という方には、磨り減った軟骨を再生できる可能性がある「PRP 療法」という選択肢もあります。
【整形外科専門医】かつの整形外科リハビリテーション科 勝野雷二郎先生
福岡県出身、川崎医科大学卒業。西福岡病院などを経て2017 年「かつの整形外科リハビリテーション科」開業。各種医療機器を導入し適切でスピーディな診断に努め、オーダーメイドのリハビリテーションを行う。
自分の血液を活用した入院・手術不要の新療法 受けられるのは、国の認可施設のみ
膝やその他の関節に痛みがある場合、まずは問診や画像診断を通じて関節の状態や痛みの原因を見極めます。そのうえで「変形性関節症」と診断がつけば、一般には投薬や運動療法など、保存的な治療から実施します。 それでも痛みが治まらず、症状の進行が見られる時には、手術という選択肢もあります。しかし、手術ができない方、手術を避けたい方もいるでしょう。その場合、再生医療「PRP療法」を検討することもできます。 PRPとは、傷を治す働きをもつ「血小板」を血液中から取り出し、高濃度に濃縮して活性化させた「多血小板血漿(Platelet Rich Plasma)」のこと。PRP療法は、自分のPRPを患部に注射することで、傷んだ関節軟骨や半月板、靭帯、腱などの修復を促す治療法です。治療期間には個人差がありますが、入院の必要はなく外来だけで治療を受けられます。
1.診察
今まで内服・注射・リハビリなどの既存治療を行っても効果不十分な方や早期スポーツ復帰を望まれる方などに日常生活動作から運動習慣などの細かい問診も含めた十分な診察をおこないます。
2.検査
レントゲン検査
MRI検査
レントゲンでは骨の状態、オープン型MRI では軟骨・靭帯の状態を確認し、患部の計測(筋力や可動域など)を細かく行います。
3.再生医療(PRP療法)
メジャーリーガーが受けたことでも話題の、最新の治療法(自由診療・保険適用外)。採血を行った当日に、自分自身の血液から遠心分離で取り出した有効成分(PRP=多血小板血漿)を患部に注射します。磨り減った軟骨や傷んだ腱を再生できる可能性も。
4.フォローアップ
リハビリ
In body
MRI
評価
1.3.6カ月後のMRI検査・日常生活動作のスコアリング・患部の計測を行い定期的に評価します。また、PRP後のリハビリはPRP効果をアップ・持続させるといわれているため、PRP後のリハビリ加療をお勧めしております。(1.3.6カ月後のMRI 検査費用とリハビリ2回はPRP施行料金に含まれています)
既存治療
状況に応じて既存の治療も行います。 ヒアルロン酸関節内注射や、各種トリガーポイント注射・筋膜リリース注射(ハイドロリリース)を必要に応じて実施。痛みの程度に合わせた鎮痛剤も投与します。場合によって関節鏡視下手術、人工関節置換術などの手術を勧めることも。